TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

はるちゃん

みなさんこんちはぁぁ!

はるちゃん

はるはるですよ!!

はるちゃん

今回は息抜きに作ってみました!

はるちゃん

創作(?)記憶喪失のお話です。

はるちゃん

なんかこんな感じのドラマありましたよね(?)

はるちゃん

よくわからない話になっていますので、感動とはほど遠くなっていますが、誰かの心にささればなと…思っています!

はるちゃん

それでは!今回の作品もお楽しみください!

はるちゃん

他の作品も見てくださいねボソッ

春千夜

武道

春千夜

話ってなんだよ??

 沈黙の中,口を開いたのは,俺だった

武道

…そうですね。

話があります。 その1通の連絡で、 俺は,2年前、こいつに告白をした場所に連れてこられた.

武道

単刀直入に言います。

武道

別れましょう。「三途君。」

 別れる。その三文字が頭にガンガンと響き、 いつものように温かい声で, 「はるくん。」そう呼んでくれないことに、 俺は冷や汗が出た.

春千夜

…は?

自分でも、驚くほどに声が震えた.

武道

俺たち
合わないと思うんです。

春千夜

今更何言ってんだよ。

2年間だ。 2年間も俺たちは一緒に過ごしてきた. それなのにも関わらず、 別れたい理由が合わないから? 納得がいかない俺は,前のめりになって問い詰めた.

春千夜

んでだよ!?おかしいじゃねぇか!!

春千夜

あんとき
お前言ったよな!?

春千夜

「俺を捨てないでね?」って。そう笑ったじゃねぇか!

春千夜

結局は…お前が…俺を捨てんのかよ。

武道

…っ

武道

…ごめんね。三途君。好きな人ができたの。

春千夜

…!

武道

だから

武道

…さよなら。

そう言って、さくらが舞う中俺に背を向け、去っていく武道に俺は叫んだ。

春千夜

俺は認めねぇ!!

春千夜

テメェが嫌だっつってもぜってぇ見つけるからな!!

そう言った時,武道ははっと口を開け、 一筋涙を流した. なんでお前が泣くんだよ。 泣きたいのはこっちなんだよ。

武道

…ごめんね。

そう一言,小さく呟き、桜の花びらの中に消えていった

春千夜

…っくそが!!

ずっといたからわかる。 あいつは,本心で言ってない。本心なら、泣いたりしない。それに

春千夜

…お前が…そんな…苦しい顔すんなよ…

俺は,桜の花びらを見つめた. 必ずまた見つけ出して、 今度は俺の話も無理矢理聞いてもらおう

春千夜

…っふん。まっとけよ。クソヘドロ

俺が告白をした場所に、 少し下品な言葉を残して、俺は去った

次に俺たちが再開したのは, 5ヶ月後、日差しの暑い、 あいつみたいな太陽が登った日だった

春千夜

…ッチ…あっちぃな

仕事帰り、アジトに戻ろうとぶらぶら歩いていると、 見慣れた金髪。 あいつだ。花垣,花垣武道。 その隣には,10年ほど前だろうか? あいつの隣にへばりついていた 松野がいた。

春千夜

…よぉ。花垣。それに松野

千冬

…っ!?

千冬

三途君!?

松野は驚いた顔をしてこちらを振り返った. 武道はというと、いつものような間抜けな顔で俺を見つめていた

春千夜

花垣よぉ。

春千夜

お前の好きなやつっていうのは松野のことかぁ?

春千夜

趣味悪りぃなぁ…?

春千夜

俺にしとけよ。クソブスが。

少し肩を押すと、簡単に体勢を崩し、体をよろけさせた。 俺の手を松野は掴み、叫んだ

千冬

やめてください!!三途君!!

春千夜

…っなんなんだよ!!!

武道

春千夜

お前も!!花垣も!!

春千夜

…っ松野

春千夜

人のもの勝手に奪ってんじゃねぇぞ?

千冬

違うんです!三途君!!話を…

言い合いをしていた俺らの間に割って入ってきた武道は、 あの青い瞳を俺に向けた.

春千夜

…!

千冬

あいぼ…

武道

やめてください!!

武道

千冬「君」に手を出さないで!!

春千夜

…は?

まるで他人のように、何事もなかったように俺のことを睨みつけ、 松野を庇った. それになんだ? 千冬君? こいつらは,そんな浅い仲ではないはずなのに。

千冬

春千夜

どういう…ことだよ。

春千夜

松野

千冬

だから、言ったじゃないですか。

千冬

話を聞いてって.

春千夜

…!

千冬

…はぁ…まぁ、いいです

千冬

単刀直入に言います

千冬

相棒は…いえ。

千冬

花垣武道は

千冬

俺らの記憶も、全て忘れています

春千夜

…は?

千冬

相棒は過度なストレスで、記憶を失いました.

千冬

1日で記憶は無くなります。
つまり、
明日になれば、あなたのことも。俺のことも、覚えていません

春千夜

…んだよ。それ…

千冬

千冬

三途君、どうしてたけみっちが、あなたと別れたのか、考えてください

春千夜

…んだよ。俺がストレスの原因だっていいてぇのかよ。

千冬

ちがいます

千冬

記憶がなくなる前のたけみっちは

千冬

あなたに…幸せになって欲しいから…
別れたんですよ。

春千夜

…は?

武道

…んんっ…

朝,いつものように、タイマーがなるよりはやくに、 俺は電話の着信で起きた.

武道

もしもぉし、

千冬

たけみっち?今どこいんの?

武道

えー?

武道

家だけど。

千冬

はぁ?何してんの!?お前!!

千冬

今日飲みいく約束したろ!!?

千冬

あんなに計画練ったのに忘れたのか!?

武道

…そうだっけ!?

武道

ごめん!!

千冬

…はぁ。まったく

千冬

最近多くねぇか??

武道

えー?

武道

…確かに…そうかも

千冬

…もー。ソウヤ君もナホヤ君もいろんな人来るんだからな!ちゃんと来いよ

武道

…?千冬?

千冬

あー?

武道

ソウヤ君と、ナホヤ君って

武道

…誰?

千冬

…は?

千冬

なに、言ってんだよ。相棒

武道

…えっ、どういうこと?知り合い?

千冬

…は?お前が何言ってんだよ。

千冬

東卍の時に一緒にいたろ…?

武道

…え?

頭がぐるぐる回る。 見覚えのない名前、 東卍という名前。

武道

東…卍

千冬

嘘だろ…?相棒

千冬

本気か?

武道

…ごめん。

千冬

俺たちが出会ったのは!?

武道

武道

…わか、らない

千冬

…は?

千冬

おい。相棒。どうしたんだよ。

千冬

まだ寝ぼけてんのか?

武道

…ちが…本当に…思い出せな…

武道

…っなんで…?

武道

わかんない…どうしよう…わかんない

武道

…やだ…なんで?

千冬

落ち着け!相棒!!

武道

…!

千冬

今から家行くわ。
病院行こう。

武道

で…も

千冬

飲み会は今度にしよう。

武道

…うんっ。ごめんね

そこから俺は、千冬の単車の後ろに乗せられ、病院に連れて行かれた

医者

…ふむ…これは…

千冬

先生…?あいぼ…武道は…

医者

珍しい記憶障害ですね。

千冬

…は?

武道

…え?

医者

過度なストレスの影響で、あなたの記憶はどんどん失われていきます。

医者

…解決方法は…残念ながら見つかっていません。

千冬

…っ…!!

千冬

とういうことだよ!!?

千冬は,医者の肩を強く掴み、 そして、 大声を出した

千冬

…相棒が!!俺たちの記憶を全部忘れるって言いてぇのか!?

医者

…っ

千冬

医者ならなんとかしろよ!!

医者

…これは!非常に珍しい病気なんです!
直すのは困難です!!

千冬

…っ!!、

武道

やめろ!千冬!!

千冬

…!あいぼう…

武道

いいんだ。

武道

ごめんなさい。迷惑かけて.

医者

…いえ。
お力になれず、申し訳ありません

武道

…大丈夫です、

武道

…失礼します

千冬

…は!?ちょ!おい!!相棒!!

俺は,千冬の手を取り、病室を出た

千冬

相棒!!

武道

俺は千冬の手を取り、 あの日,はるくんに告白をされた場所に訪れた。

武道

まだ満開じゃないか…

千冬

…は?

武道

千冬。もう俺に、関わらないで

千冬

は?

武道

俺はみんなに迷惑をかけたくないし、
きっと俺が忘れてきている人たちにも失礼だしさ。

武道

…何より…俺は…

武道

千冬を…はるくんを…忘れたくない

堪えていた感情が涙となり、溢れてきた.

千冬

…相棒。

武道

千冬たちを忘れた俺が、どんなに迷惑をかけるかわからない。

武道

だから…

千冬

…ったく。お前は馬鹿だ。大馬鹿だ。

武道

…へ?

千冬

俺たちはなんだ?

千冬

友達?親友?

千冬

そんな甘っちょろいもんじゃねぇ。

千冬

「相棒」だろ?

歯を出して、にかっと笑う千冬。 あぁ…やっぱり…千冬は… あの人に、似てる。

千冬

頼れ。迷惑ぐらいかけろ!

千冬

そのために、俺はいる。

拳を突き出し、真剣な眼差しで、俺を見つめた

武道

…っうん。

俺も拳を突き出し、 優しくあてた.

武道

ありがとう…

武道

…一つだけ、したいことがあるんだ

千冬

なんだ?

武道

はるくんと、別れたい

千冬

…は?

武道

こんな俺と、付き合わしちゃうの悪いよ。

千冬

そんなこと!!

武道

千冬

千冬

…!

武道

…お願い。あの人には,

武道

幸せに、なって欲しいんだ、

千冬

…相棒…

千冬

わかった。

武道

ありがとう。

武道

一週間後にはさくらが満開に咲く。

武道

その日で,ハル君とはお別れだな

千冬

…大丈夫か?相棒

武道

…うん!

千冬

武道

…ありがとう。千冬

千冬

…おう。俺は,どんな時も,お前のそばにいるぜ!

春千夜

…は

ことの経緯を、全て聞いた

千冬

…これでも,相棒が何も考えず,
あなたと別れたとでも思いますか

春千夜

…そ…んな…事

同様で頭がいっぱいになる。 暑さのせいだろうか? 頭がガンガンと痛くなる

千冬

三途君、あなたにたけみっちを支える覚悟ができたなら,

千冬

たけみっちの家へ行ってください

春千夜

…!

渡されたのは, あの時返した、 あいつの家の鍵だった

千冬

…これだけは忘れないで欲しい

千冬

相棒は,記憶を完璧に失う最後まで

千冬

…あなたの名を泣きながら呼んでいましたよ

春千夜

千冬

行こう。,相棒

武道

…え?う、うん

去っていくあいつらの背中を見つめた.

春千夜

…んだよ…それ

俺との思い出も、全部を,全て忘れた武道。 なにもかも、全て。 明日になれば終わってしまう。

猛烈な吐き気と頭痛に追われ,俺はその日から一週間家に篭った

春千夜

春千夜

…ははっ

久しぶりによく寝たと思った. 最近は休まなかったからな。

朝起きれば,俺は目から涙をこぼしていた

春千夜

…馬鹿だな。俺は。

理由は簡単だ。 あいつが,夢の中で泣きながら助けて。そばにいて.そう言ったからだ。 俺は馬鹿だ。 記憶を無くしても,あいつはあいつなのに。 記憶を無くしただけで,あいつを見るのが辛くなった. 一番辛いのは,あいつなのに。 愛したやつ1人も守れない俺は,大馬鹿だ。

春千夜

松野からもらった鍵を手に取り,俺は スーツを羽織った. そして,あいつの家へ、足を踏み出した

春千夜

…っは。相変わらずきったねぇ。

武道

え!?誰…?

千冬

やっときたんですね?

春千夜

よぉ。松野。、またせたなぁ?

千冬

はぁ。あなたがきたということは,
たけみっちにはもう当分会えませんね。

春千夜

合わせねぇよ俺のもんだ。

千冬

はいはい。わかりましたよ。笑笑

千冬

頼みましたよ。三途君

春千夜

テメェに言われなくてもやってやるわ。

千冬

…はい。お願いします!

そう言って,松野は部屋を出た

春千夜

武道

ひぇっ!あ、あの…

春千夜

初めまして,だなぁ?花垣?

武道

へ?なんで俺の名を…

春千夜

こまけーことはいーんだよ。

春千夜

俺は三途春千夜だ。

武道

…三途…春千夜…

春千夜

よろしくな。

武道

…!

武道

はい!

変わらない。あいつの笑顔。 優しくて。暖かい

そこから俺は,雑談を始めた. 明日になれば記憶は消えるのに。 昔の話が聞きたいと言ったこいつに付き合った

春千夜

…それで…

武道

春千夜

…あ?んだよ。俺の顔になんかついてっかぁ…?

俺がそういうと,ベッドから身を乗り出して, 俺の頬に優しく手を当てた.

春千夜

…!

武道

春千夜君は,とても目が綺麗ですね。

武道

顔も美人で,すごく素敵です

春千夜

懐かしい,声色。 懐かしい手の温もり,

武道

え、あ!?あれ!?

武道

ご!ごめんなさい!!春千夜君!,

武道

いやでしたか…?泣かないで…?

春千夜

…は

いつからこんなに泣き虫になったのか。 こいつの影響なのかもしれない。

春千夜

お前は,変わらないな

春千夜

いたっ…!

15年前。 俺が9歳の頃。 まだまだ未熟で弱いとき、 親から虐待を。友達からはいじめを受けていた.

気持ち悪いんだよ!! 女みたいな顔して!!

春千夜

…っ!

お前なんかいなければいいのに!

早く死ねよ!! 生きる価値ねぇんだから!

春千夜

毎日暴言をはかれ 毎日殴られて、蹴られての生活。 うんざりしていた俺の前に, 太陽みたいなヒーローが現れた

武道

やめなよ!!

春千夜

…!

そいつは俺の前で手を広げ, 俺を守った. 殴り合いに負けるほど弱いくせに, あいつらが諦めるまで殴られ続ける、 馬鹿なやつだった

っなんなんだよ!こいつ!! …っ いくぞ!

武道

大丈夫…?

春千夜

てめぇ!!弱いくせにでしゃばってきてんじゃねぇ!

春千夜

お前が怪我してんじゃねーか!

武道

君を守れたならそれでいいよ!

春千夜

…!

武道

どうしていじめられていたの…?その口の傷は…?

春千夜

…っ

こんなこと, 身内でもない、他人に話すつもりはなかったのに。 小さかった俺は, 口を開いた

春千夜

…女みたいだって.
いじめられてんだ。
この口の傷は,父さんにやられた。

春千夜

…父さんは、離婚した母さんの顔に似てるからって,
俺のこと蹴って,殴って、傷つける。

春千夜

…こんなことなら.いっそ…

武道

ダメだよ!!

春千夜

…!

武道

簡単に死んじゃダメ!!

春千夜

…!

春千夜

お前に何がわかる!!

春千夜

出会ってすぐのやつに同情されたくない!!

春千夜

こんな俺が死んで
悲しむやつなんて…

武道

いるもん!!

春千夜

…!!?

武道

俺がいるもん!!

武道

君が死んじゃうのはいや!!

春千夜

お前…っ

武道

だから生きよう…?

春千夜

…でも

武道

俺は、君の顔,すごく素敵だと思う

春千夜

…!

俺の頬に手を当て, 優しく微笑む

武道

目がとっても綺麗だし,
顔も美人で素敵!!

春千夜

…!

武道

…君が生きたくないなら

武道

俺が君の生きる理由になってあげる!

武道

だから、一緒に行こう!

春千夜

…お前…

そう言って、 こいつは, 俺の手を取った。

春千夜

(思えば、あの日から俺は救われたんだな)

武道

春千夜くんっ…?

春千夜

…なんでもねぇ。

春千夜

昔を思い出してた
それだけだ。

武道

春千夜

また明日も来る。

武道

えっ…でも

春千夜

安心しろ

春千夜

お前が忘れても
「俺」が覚えてる

武道

…!

春千夜

また明日な。

武道

…はい!また明日!

春千夜

よぉ寝坊助。

次の日も、その次の日も、あいつが俺を覚えていることは無かった。 でも、俺は 毎日あいつの家へ行った。 1年間ずっとだ。

春千夜

逢いに来たぞ。

武道

……?

春千夜

春千夜

俺は三途春千夜だ。よろしくな?

武道

…春千夜…君??

武道

よろしくお願いします!

春千夜

ん、

武道

俺の名前は…

春千夜

いい。知ってっから。

武道

…!

武道

すいません…それでは…俺は…あなたを忘れて…

春千夜

いーんだよ!こまけーことは!

春千夜

それより,「デート」するぞ

武道

へ?

春千夜

いーから!準備しろ!

武道

は、はいっ!!

春千夜

武道

あっ、あの!!春千夜君?どこいくの…

春千夜

いーから。ついてこい。

武道

でも…

俺は,あいつに手を差し伸べた

武道

…!

春千夜

はぐれんなよ。

武道

…っはい!

春千夜

よし。ついた。

武道

これ…は

春千夜

綺麗だろ?

春千夜

俺とお前だけの、思い出の場所。

武道

…なんだか…

武道

あなたとこの桜を見ていると、すごく懐かしい気分になります…!

春千夜

…そうか。

武道

そういえば、俺たちはどんな関係だったんですか?

春千夜

…!

春千夜

んー
そーだな…

春千夜

春千夜

いや。やっぱいわねー。

武道

えぇ!?

春千夜

過去のことは忘れろ。
「今」の俺だけしればいい。

武道

…!

武道

はいっ!

春千夜

…よーしっ。

春千夜

昼飯でも食うか!腹減った!

武道

そうですね!食べましょ!

俺たちは 朝からかくちょーとココが用意してくれた,昼飯を食べた。 最近の仕事は夜からにしてもらっているため、 こいつと一緒に入れる昼の時間を大事にしている

武道

んまっ

春千夜

うまいだろ?

春千夜

俺の仲間のお手製だ。

武道

すごいですねっ!

春千夜

おう。自慢の仲間だよ。ほんと。

武道

武道

春千夜君は、さくら,好きですか?

春千夜

あ?好きだけど。

武道

…そうですか。

武道

…俺もさくら,大好きです!!

武道

春千夜君みたいで。

春千夜

…!!

春千夜

…そう…か

武道

あれ?顔赤くないですか?笑笑

春千夜

うっせ!!

どうでもいい時間だが、 暖かく、優しい時間を過ごした

春千夜

よし。明日も来るから。な

武道

…はい!

春千夜

あっ、そうだ。これ。

武道

…え?

俺は, 桜の花が掘られた指輪を、 武道の指にはめた。

春千夜

今日お前、誕生日だろ。

武道

…そうだったんですか…?

春千夜

あー。

春千夜

そう。そうだ。きょうは、お前の誕生日

春千夜

それプレゼントな。

武道

武道

ありがとうございます…!!

武道は、愛おしそうにそれを見つめた。

春千夜

明日も来るから。また明日な。

武道

何も言わない武道を背にして,俺は歩きました。 すると,不意に,袖を掴まれた。

春千夜

うぉっ…!?

武道

…あっ、あのっ!

春千夜

…あ?どした。

武道

…行かないで…ください

春千夜

…は

武道

…俺は…明日になったら、また,あなたをわすれています

武道

明日の俺は,今日の俺じゃない…けど

武道

俺、あなたと離れたくありません

武道

…なんていうか…言葉にするのはすごく難しいんですけど…

武道

…春千夜君といると、すごく安心して,
明日への不安がなくなって…

武道

心がぎゅって掴まれたみたいに、苦しくて,でも…優しくて,あったかくなれるんです…

武道

俺は…まだ!春千夜君と一緒にいたい…

武道

明日…春千夜君を…忘れるなんて…いや

武道

だからっ…!

おれは、泣きながら訴える武道を 優しく抱きしめた

武道

…!

春千夜

ごめんな。

春千夜

気づかなくて。

春千夜

そうだよな。辛いよな。明日になれば、誰のことも覚えてなくて,1人でいるのは。

春千夜

ごめん。ひとりにしないから。

武道

…っ

春千夜

…部屋,入っていいか?

武道

…はいっ

俺たちは, 部屋に入った。

武道

…っ

春千夜

大丈夫だ。

布団に入ると, 武道は少し怯えた顔をして,震えていた。

俺は優しく抱きしめて, おでこにキスした

武道

春千夜君…?

春千夜

俺がそばにいるから。
安心して寝ろ。

武道

でも俺は…明日に…なったら

春千夜

大丈夫

春千夜

大丈夫だ

武道

…っはい

春千夜

…おやすみ。武道

武道

…おやすみ…なさい

武道

…春千夜…くん

そのまま、眠りについた

武道

…ん

武道

…ここは…

暗い、暗い、闇の中。

光もない場所,俺はひとり、立っていた

武道

誰かいないの…?

武道

誰か…

武道

怖いよ…だれか…助けて

 どんなに叫んでも、誰も助けてはくれなかった。 そんな時,一筋の光と、音が聞こえた

 ったく。お前は本当に鈍臭いな。

ちゃんとしろ!マイキーの御前だぞ!

武道

だれ…?マイキー…?

おらっ。テメェの好きなやつ買ってきた

 今言ったろっ!! …っち!! もっかいしかいわねぇからな! …愛してる

武道

誰…?誰なの?

まぁた怪我してきたな!? お前なぁ!?

もう泣くな。 お前には、俺がいるだろ

武道

…なんっで…?

誰かもわからない声が響いているのに 何故か涙が出てきた。

俺はお前を捨てねぇ。

俺がお前を救ってやるよ。

武道

…っ

武道

…助けて…

武道

「はるくん」…!!

武道

春千夜

あ、起きた。

春千夜

はよー。また随分遅くまで寝てたな?
ちょっと待ってろ…もうすぐでき…

武道

「はるくん」

春千夜

…は

武道

はる…くん

春千夜

…武…道?

武道

…っ…泣

忘れなかった。 どうして。ずっと,忘れていたのか

俺の記憶は, 全て鮮明に覚えていた。 はるくんのことも。

持っていた箸を落として, 俺の方を見つめるはるくん。

俺は、走って、飛び込んだ

春千夜

な…んでっ

武道

はるくん…はるくん…

もう離してやらんと言わんばかりに、俺は強く抱きしめ、彼の名を呼んだ

武道

ごめんなさい…今まで、忘れてて…

武道

…ずっと、ずっと俺を守ってくれて…ありがとう

武道

…ずっと、俺のそばにいてくれて,ありがとう…

春千夜

…っ

春千夜

馬鹿が…

春千夜

心配かけさせんじゃねー…

武道

…っふふ。いつからそんなに泣き虫になったの…?

春千夜

誰のせいだとっ…

武道

…はるくん。

武道

やり直したい。なんて言わない。

春千夜

…!

武道

「今」の俺と、付き合ってください

春千夜

…っ

春千夜

しょうがねぇなぁ…

春千夜

馬鹿で、どうしようもないほどドジなお前のそばにいてやれるのは,
俺くらいだからなぁ、

春千夜

いーぜ。隣にいてやる…

武道

…不器用。

春千夜

うるせぇ!

春千夜

…っ

春千夜

…お帰り…武道

武道

…ただいま。はるくん!

俺たちは, 強く、強く、 抱きしめあった。

君との思い出を桜に乗せて。

この作品はいかがでしたか?

3,260

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚