嫌いなはずだった

どうやら先生の親は不良に殺されたらしい

男手ひとつで育ててくれた父

先生を庇ってナイフで刺されたらしい

ただの同情か

同情、同情

1週間後の雨の日

葬儀も終わり、ひと段落ついた

気づいたらそこは東京だった

なにをどうしてこの場に馴染んだのか覚えてない

わいわい

きゃはは....

ｶﾞﾗｶﾞﾗ ｯ....

え、ちょっと、あれ

うそ、灰谷くん、？

なんで、！！

私はどれだけうれしかっただろう

たぶん、キラキラした目で、 にやにやだったんじゃないかな

そう考えると、ちょっと気持ち悪い気もする

よかった、竜胆が来てくれて

教室がざわつくほど有名だなんて知らなかった

嫌いなはずなのに、うれしい

それはきっと、私が1人だったから

1人だけ、場に馴染めてなかったからだ

聞きたい

なんで、私と一緒に食べようと思ったのか

あまりにも不思議すぎる

私の事、嫌いなはずなのに

どうでもいい顔してたじゃん。

食べようと思ったの？

そう聞こうとした瞬間

ドアが開いた

ライターと煙草を持った先生

それは、まだ私の知らない先生だった

竜胆は小さく舌打ちをした

先生の話を真面目に聞くタイプじゃないのか

どうやら怒られたのは今日だけじゃないらしい

毎日怒られているのか

がんばれよ笑

は いやいや

どういうこと

ちょっとまって、いろいろとおかしい

いとこって言っちゃだめなの？

何、がんばれよって

変な汗出てきた

どうしよう、変な気持ち