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颯斗
昨日あんなことがあったのに、次の日は意外と普通で、机の上には俺の分のトーストと目玉焼きが用意されていた。
颯斗
直弥
颯斗
颯斗を見送ってトーストをかじる。
バターが染みていておいしい。
興味もない朝のニュースを流しながら 一人で朝食をとる。
洗い物をして洗濯物を干して、 よし、家を出ようと思った時だった。
直弥
「またね」 と言ったおじさんの声が頭に響く。
きっと会社員だから この時間は居ないはず。
向こうも俺の登校時間なんて 知らないだろうし。
普通に考えたら会うはずもないのに、 一度気になると不安でいっぱいになる。
直弥
家から大学まではかなり離れていて、 自転車だと1時間近くかかってしまった。
講義も少し遅刻したけど、 まぁしょうがない。
大学生にもなると遅刻やサボりもそんなに珍しいことではなく、友達も大して気にしていないようだった。
この日から、俺は颯斗とは別で 自転車で登校するようになった。
バイトや補講...いろいろな理由を並べて颯斗……というか電車を避けた。
もともと一緒に登下校していたのも時間が重なった時だけで、そんなに多くはなかったし颯斗も気にしていないみたいだった。
自転車も最初は大変だと思ったけど2、3日もすると慣れてきて、適度な運動になる。
これから卒業までこのまま...というわけにはいかないと分かっていてもとりあえず目の前の事から目を背けたかった。
哲汰
直弥
哲汰
直弥
友達の誘いを断ることも増えたけど、 ほかに特別変わったこともなく日々を過ごしていた。