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テラーノベル(Teller Novel)

私は必死で探した

みんながどこへ行ったのか

ヤマタノオロチはどこへ行ったのか

必死で瓦礫の中を探した

真っ暗闇の中、見つかるはずも無いのに

日が昇るまで探し続けた

私は立ち尽くしていた

ミスターブラック

……

ミスターブラック

みなさんは、どこへ行ったのでしょう

ミスターブラック

…きっと生きてますよね

ミスターブラック

あの人達の事です

ミスターブラック

たったこれだけで死ぬわけない

ミスターブラック

死ぬ…わけ…

視界がぼやける

涙が頬をつたって落ちる

ミスターブラック

そんなわけ…ありません…

ミスターブラック

そう簡単に死ぬような人たちじゃない…!

ミスターブラック

絶対…どこかにいる…

膝から崩れ落ちる

ミスターブラック

絶対に…

ミスターブラック

そんな事…

知らない男

おーい!

知らない男

大丈夫か!

男が駆け寄ってくる

知らない男

大丈夫か…?

知らない男

お前…1人で何してるんだ…?

ミスターブラック

……

知らない男

あ…お前怪我してるじゃねぇか

知らない男

なんの怪我か知らねぇけど病院行った方がいいぞ

ミスターブラック

大丈夫…です

知らない男

今日の昼からここに重機が来て行方不明者の捜索が始まるらしい

知らない男

だから早く病院か家に行った方いいぞ

ミスターブラック

嫌です…

ミスターブラック

私は…みなさんを探さなければ…

知らない男

…そうか

知らない男

ここに…大事な人がいるんだな

知らない男

でもお前1人じゃ無理だ

知らない男

捜索隊の人たちが探してくれる、だから…

ミスターブラック

嫌です…早く見つけないと…

知らない男

お前がここにいても邪魔になるだけなんだ…

ミスターブラック

嫌だ…

知らない男

頼む

ザッザッザッザ

その後再び何人か人がやって来て

連れて行かれた

その時の記憶は無く

あまり覚えていない

あの後病院に連れて行かれた

大した怪我はしていなかったので

すぐに家に帰ることができた

それから1週間

私は何かをする気力も無く

寝て食って寝る

ただそれだけの生活をしていた

さらにしばらく経った頃

銀さんのお婆さんから電話が来た

葬式に参加して欲しいという電話だった

銀さんのお婆さん

あなたのことはうちの孫から聞いていました

銀さんのお婆さん

生前、大事な大事な友達だと話していました

ミスターブラック

は…はい

ミスターブラック

では、何故親族では無い私に…

銀さんのお婆さん

銀には…両親がいなかったの…

銀さんのお婆さん

いない…というよりは色んな事があっていなくなってしまったの…

銀さんのお婆さん

おじいさんも死んでしまって参加できる人が少ないの…

銀さんのお婆さん

だから…毎日のように私に話してくれたお友達に…

銀さんのお婆さん

せめて参加してもらえたら…と思い…

ミスターブラック

は…はぁ…

他のメンバーは

遺体が残っていなかったり

親族がいなかったり

いたとしてもメンバーの事を殆ど知らないであろう親族しかいなかったり

だから

葬式に参加したのはこの1回だけだった

それから私はまた

1人になった

こんな悲劇は起こらなかったかもしれないのに

私がいれば…こんな事は起こらなかったかもしれないのに…

私のせいで…私のせいで…

毎日ベッドの上でうずくまり

泣き続けた

ミスターブラック

私のせいで…私のせいで…

こんな日々が永遠に続き

すまない先生達が戻ってくる事は無いと思うと

本当に…本当に…

苦しい…

3ヶ月が経った頃ある考えが頭をよぎった

ミスターブラック

ミスターブラック

私も…みなさんと同じ場所へ行けば…

ミスターブラック

この苦しみから…

ミスターブラック

解放…されるのでしょうか…

ミスターブラック

いえ…

ミスターブラック

私はみなさんと同じ場所へ行くことなどできませんね…

ミスターブラック

それでも…

ミスターブラック

この苦しみから解放されるのであれば…

それから私は、学校へと向かった

ようやくこの苦しみから解放される

やっと…

やっと…

どうしてこんな事になってしまったのでしょう

柵に足をかける

解放へと向かう

この苦しみから…解放される…

ミスターブラック

ミスターブラック

さようなら…

屋上から私は飛んだ

私は地面へと落ちていく

これで終わりだ

ようやく…

???

やぁ

???

聞こえるかい?

???

ミスターブラック

ミスターブラック

…?

ミスターブラック

あ…あなたは…

あの日々を取り戻すために私は同じ時を繰り返す

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