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前回までのあらすじ

妊婦さんを助けて階段から落ちたアニキは、 一度は亡くなるものの、初兎くんの大事なものと引き換えに生き返ります。

治ったと思われた骨折の後がまた痛みだし、 いふまろとないこと別れた後、アニキは倒れてしまいます。

「アニキの骨折」 の続きです。

また、「アニキの無痛症」から始まるシリーズの4作目です。

本編はこちら

⬇︎⬇︎⬇︎

嫌な予感がした。

「今から帰る」 と言うLINEが来たのが2時間前。

いい大人、といえども、

初兎

(明日仕事あるよね…?)

この時間まで外を歩いてあるとは考えづらい。

初兎

(まさか…)

先日事故で骨折したばかりのアニキ

初兎

(なにかあったのかな?)

不安ばかりが募り、いてもたってもいられなくなった僕は、 いつまで経っても返信を知らせないスマホと帽子を掴んで家を飛び出した。

灯りのまばらな住宅街を、 白い息を吐きながら駆ける

初兎

っは、はぁ、、

初兎

(いない…)

何度も鳴らす電話には、一向に出る気配もなく

初兎

(既読もつかない…)

初兎

(あ、)

いれいすのメンバーにまだ知らせていなかったことを思い出す。

初兎

(落ち着け…)

震える手でアニキがいないことを打ち込んで送信したその時、

初兎

…?

初兎

初兎

(アニキ!)

長髪を冷たいコンクリの地面に散らすように横たわる人影

汗に濡れた前髪を退かすと、 その顔は苦痛に歪んでいた。

悠佑

っぐ、、ぁ、、

胸のあたりを、服の上からきつくきつく押さえつけて。

初兎

(救急車…!)

LINEを立ち上げ、メンバーに助けを求める。

指先が冷たく強張って、震えが止まらない

初兎

(誰か!)

初兎

(お願い…気づいて!!)

必死に現在地とアニキの状況を送信すると、 すぐに既読がついた。

初兎

助けて

初兎

あにき

初兎

初兎

くるしそう

初兎

胸のとこおさえてて

初兎

いきくるしそう

初兎

今家の近くのこんびにの

初兎

とこに

ないこ

どうすればいい?

ないこ

救急車は?

初兎

まだ

ないこ

わかった俺から電話する

いふまろ

周囲の安全確認して

いふまろ

すぐ向かう

初兎

わかった

大人組の力強い返信を見て、 肩の力が抜けた気がした。

詰めていた息を吐き、大きく吸うと、 ひんやりと乾燥した冬の空気が肺にまで届いて少し咳き込む

初兎

っけほ、、

初兎

(せっかく…)

初兎

(生き返らせたんだから)

初兎

(そのために、)

声を捨てたのに

初兎

(もちろんアニキの命に変わるものなんてない)

初兎

(だから)

初兎

(死んだら許さない)

初兎

(許さない…)

アニキの唇はどんどん色を失っていく

焦りはする物の、どうすればいいのかわからないまま

ひたすら悠くんに、 許さない と呼びかけ続ける

そうでもしないと、正気を保っていられないと思ったから

視界がぼやけて、慌てて上を向いた。

初兎

(アニキが死ぬわけない)

初兎

(だから泣いたりしない)

来ていたジャンパーを、 そっとアニキの体にかけると 遠くから近づくピンクと青が見えてきた。

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