テラーノベル
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夜
部屋には甘ったるい汗の匂いで満ちていた
ノートパソコンの前、少年は膝を抱えて座っている。 カメラの向こうには、彼を見つめる何千という「目」
yt
震える声で、感謝を口にする チャット欄には、いくつもの赤や金色のスパチャが飛び交う。
視聴者
視聴者
視聴者
カシャ、カシャ、とスクリーンショットを撮る音が遠くから聞こえる気がした。
yt
配信終了ボタンを押して、 ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
其田 悠多
指先は冷たく、頭はぼうっとしている。
それでも、頭の中は"彼"のことで いっぱいだった。
財布の中には、今夜だけで稼いだ何十万という札束 明日、全部、あの人に渡すつもりだ。
其田 悠多
きっと、喜んでくれる。 頑張ったね、偉いねって。 褒めてくれる 頭を撫でてくれる
坂本 るい
坂本 るい
そう言って、無遠慮にぐしゃぐしゃと頭を撫でられた
其田 悠多
坂本るい 彼の為なら、俺は何だってする。
そう思えてしまうくらい、 依存している。
坂本 るい
其田 悠多
ぱ、と手を広げて 優しい顔で微笑む彼の胸に飛び込んだ
愛 し て い る たった一人の存在
僕には、この人しかいない。
きっと、この人も僕しかいない。
坂本 るい
彼の腕の中は世界でいちばん安全な場所だった。
其田 悠多
もっと、もっと近づきたかった。 この人にとって、特別な存在でいたかった。
坂本 るい
ベッドの軋む音。 混ざり合う吐息。
慣れた手つきで淡々と、抱かれた。
其田 悠多
其田 悠多
小さな声で囁いた。 精一杯の告白だった。
るいは一瞬だけ笑って、 優しい顔で悠多の頬にキスを落とした。
坂本 るい
坂本 るい
愛してる、とは言ってくれなかった。
其田 悠多
でも、それだけで十分だった。
ちゃんと求められている。 ちゃんと、愛されている。
そう、信じて疑わなかった。
坂本 るい
心の中で、呟いた。
こんなふうに、都合よく尽くしてくれる金づる。手放す理由なんて、どこにもない。
身体も若くて素直で、しかも金まで運んでくれる。
坂本 るい
俺の言葉に犬みたいに尻尾を振る 無垢な目で、無防備な笑顔で。
中身なんかどうでもよかった。 笑っていようが、泣いていようが、欲しいのはこいつの金と身体だけだ。
坂本 るい
其田 悠多
其田 悠多
その答えはあまりにも真っ直ぐで
坂本 るい
月明かりに照らされたベッドの上、 2人は抱き合ったまま まるで、世界に取り残されたように眠った。
ただ、一方だけが夢を見ていた。
其田 悠多
悠多の配信アカウント
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坂本 るい
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