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白河

どのくらい前だっけなー

5年前…

昏宮

モノローグ入るくらい長いのか…

白河 陽向は死人である。

生前の名を白河 陽向 (しらかわ ひなた) という。

白河 陽向の世界は常に暗かった。

冷たいコンクリートで出来た 地下室が陽向の居場所だった。

父親が愛人との間に作った 子供であり、白河グループの 隠し子であった 彼は、物心着く前から 地下室に幽閉されていた。

製薬会社白河グループの 主に黒い部分の新薬は 全て白河陽向によって 臨床実験がされており、 薬の体制はここから 来たものである。

元から心など白河には なかった。 元から死んでいたのかもしれない。

そんな彼が生きる希望を得たのは 17歳の時のことである。

ひなた

(今日はやけに表が騒がしいな…)

時計のない地下室で 時間を知る方法は音のみだ。 視界を閉ざしているような 暗闇の中では 感覚が研ぎ澄まされる。

陽向は地下で過ごすうちに 酷く耳が良くなっていた。

ひなた

(…父さん怒ってるな……)

ひなた

(あと多分、これは荷物を運び出す音…)

ひなた

(夜逃げでもするのかな)

ひなた

(うるさいな…)

音から全て察して、 きっと邪魔者の自分は 捨てられるのだろうと ただ落胆する訳でもなく 理解した。

ひなた

(ようやっとか…)

やがて静まり返る屋敷内。

定期的な栄養補給もなくなるから ゆっくりと身体は 死に向かうだろう。 ただその事に安堵する。

時間の感覚もなくなって ゆっくりと手足が痺れていく 身体が重くなって、 やがて視界も霞む。

ひなた

(これで楽になれる…)

呼吸が徐々に薄れていく。 しかし、 解放に向かうその道は突如として 閉ざされたのだった。

ひなた

(……足音…?)

ひなた

(知らない匂い…)

ひなた

(……もうどうでもいいか)

  

地下室に誰かいるぞ!

  

こりゃ酷い…

  

…コイツ、まだ息があるな

???

……白河の隠し子かァ…

???

可哀想に…

  

ボス、どうします?

???

……君たち、この子運んでくれる?

  

はっ

  

了解しました

騒がしい声が何を言っているか 理解も出来ずに白河 陽向は 地上に引き摺り出された。

気がつくと知らない天井が 視界いっぱいに写った。

部屋は明るく、 柔らかな感触が肌に触れていた。 明らかに地下室ではない。

ひなた

……

ひなた

(…生きてる)

???

おはよう白河クン♪

ぼんやりとしたまま やせ細った自身の手を眺めていた 陽向は 聞き覚えのある声に 肩を揺らした。

見やった先に居たのは 白髪に赤い瞳、チャイナ服の男。

ひなた

……あ…

誠一郎

気分はどうかな?

誠一郎

僕は桃瀬 誠一郎。君のお父さんの仕事仲間みたいなものだよ

ひなた

(……胡散臭い)

誠一郎

家に遊びに行った時に君を見つけてね

誠一郎

勿体ないから連れてきたんだ♪

ひなた

(助けてくれたってことなのかな…)

誠一郎

自分の名前は分かる?

ひなた

……

誠一郎

…あぁ、声が出せない?

誠一郎

長らく喋らなかったからね

誠一郎

水でも持ってこさせようか?

ひなた

……だ、いじょ…ぶ…

ひなた

なま…えは……しらかわ、ひなた

誠一郎

白河 陽向クン

誠一郎

それだけ分かってれば大丈夫だね

ひなた

……なにが、あっ…たん、です か…

誠一郎

そうだねェ…何から話そうか

父親と母親が死んだこと、 自身の現状、 ここが何処か等、 誠一郎は陽向にも 分かりやすいように教えてくれた。

誠一郎

さて、僕はうっかり君を助けてしまった訳だけど…

誠一郎

君はどうしたい?

ひなた

……僕は…

あの時、しらかわ ひなたは死んだ。 ひなたは、まともな生き方など 知らなかった。 でも、命の恩人には生涯を掛けて 恩返しをしたいと この時確かに思ったのだ。

誠一郎

そう…じゃあ、君には僕の家の為に生きてもらおう

誠一郎

君は今から白河 陽向 (はくが まひる) だ。

誠一郎

別人として生きてくれ

こうして、 この怪しい男に 救い出されてしまったことから 白河 陽向は第二の生を始めることになったのだ。

白河

って感じかなー

昏宮

へぇ……

昏宮

いやおっっっも…

昏宮

河原の子より重い……

白河

だから他人称視点だったんだよ〜

昏宮

いや、メタい

昏宮

(でも何となく納得したな…)

昏宮

(世間知らずなところとか、妙に子供っぽいところとか謎だったからな……)

白河

まぁ、ひなたのことはいいんだ〜

白河

僕は白河 陽向だからね

昏宮

……今が幸せなんですね

白河

そーそー

白河

好きな人も出来たし、生きてるなーって

昏宮

……(ぎゅっ)

白河

あれ?昏宮くん?

昏宮

なんか、俺が守らないとなって

昏宮

謎の使命感が…

麻沼

……やらんぞ

白河

あ、翠さん〜!

昏宮

げっ

昏宮

いつからそこに…

黒澤

私もいますよ

昏宮

黒澤まで…

麻沼

たまたま通りかかっただけだ

麻沼

別にお前らを心配した訳じゃない

昏宮

その無駄なツンなんなんすか

麻沼

やかましい!

麻沼

というかいい加減離れろ!

麻沼

ずるい!

昏宮

いいじゃないですか!アンタはいつもそばに居るんだから!

白河

仲良いね〜二人とも

黒澤

ふふ、本当ですね

おしまい。

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