注意
irxs nmmn BL 桃赤 喧嘩パロ
こちらは後編になります。 ぜひ前編を読んでからこちらをお読みくださいませ
それでは、なんでも平気な方だけ行ってらっしゃいませ。
部屋に篭って、便箋を広げる。
早速、文字を綴ろうとした。
『ごめんなさい』
そこで手が止まった
赤
駄目だ
やっぱりだめだ
手が動かない
動いてくれない
全てを拒否するように震える手
赤
赤
絞り出した声は震えていた。
赤
赤
今1人なのも、
昨日の夜から何も食べれていないのも、
やけに部屋が静かなのも、
手が動かないのも。
全部全部りうらのせいなのに。
赤
赤
赤
赤
赤
喉から掠れた音がなる
あぁ、これ、ダメなやつだ
目の前が滲んでいく
だんだん早くなる呼吸
赤
赤
頬を伝うのは、涙か、冷や汗か
治まらない だんだんパニックになる頭
嫌だ
まだ、死にたくなんてない
まだ、ないくんと、仲直り、してないのに
赤
視界が段々と狭まっていく
どんどん暗くなっていく
ガチャ、と遠くで音がした。
誰か、来たのかな
ないくんだったら、いいな
赤
そんなわけ、ないか。
身体が傾く
衝撃が走る
倒れたのだと後から理解する
でももう、立ち上がる程の力は残っていなかった
闇に沈む意識
ごめんなさい
大好きです
ないくんのことを、愛しています
赤
目に入るのは、白い天井
しばらくして、ここが恐らく病院であることと、手に伝わる体温が誰かであることを理解する
赤
未だぼーっとする頭では、声を出そうという考えすら浮かばないようだった。
赤
声は、出るんだ。
でも、喋れそうにはないな、なんて、 そんなことを考えていると、
がらがら…と、扉が開く音がした。
仕切られているカーテンが開く
白
視線を動かすと、そこには白色の髪の人がいた。
…あ、しょにだだ。
理解するまでは少しの時間を要するようだった。
白
少し驚いたような表情をしながら、こちらに問いかけてくる。
赤
声が出せないから、黙って少し頷く
白
白
そう言って彼はナースコールを押す。
すぐ看護師さんがやってきた。
何やら検査をするらしい。
少しの申し訳なさを感じながら、その人の手を解く。
俺は検査室らしき所に運ばれていった。
無事に検査も終わり、また白色の彼の話を聞く。
白
彼が目線を下にやりながら話しているから、きっと手を繋いでいる人がないくんなのだろうと今更ながら理解する。
前ならすぐ分かったんだけどな。
白
白
白
白
白
白
白
赤
白
赤
白
赤
白
白
そう言って優しく笑いかける彼の表情は、どこか彼と似ていた。
赤
白
白
白
赤
ごめんねって言葉を伝えたいのに、
こんな状態じゃ伝えられない。
このもどかしい気持ちも、相手に伝えることが出来ない。
白
白
白
白
赤
あぁ、彼氏って、こんなに
彼女のことを想う時、こんなに幸せそうな顔するんだ
なのに、俺はどうだろう その気持ちに答えられてるかな
赤
答えられてない、よね
ないくんが起きたらちゃんと謝ろう。 ちゃんと大好きって言おう。
白
白
赤
白色の彼を見送る。
なんだか嬉しそうだった。
…水色の彼と約束でもしてるんだろうな。
…俺もちゃんと、愛を伝えなきゃ。
言い過ぎた。
いくらなんでも、やり過ぎた。
あの時はなんだか自分を上手く制御できていなかった。
りうらが恥ずかしがってるのも知ってるし、だから好きも言えないなんてことは分かってるはずなのに。
心のどこかでりうらに大好きって言って欲しい自分がいて、俺が言ってる大好きを適当に受け流されるのになんだか腹が立ってきて。
そんな些細なことで、怒ってしまった。
でもりうらは態度を変えていなかった。いつものことなのに、無性に腹が立って、更に俺が勝手にヒートアップして。
ついには出ていってしまった。 そんな俺を、りうらは止めてはくれなかった。
いつもすぐ帰っていたから。
でも今回ばかりはとなんとかまろに懇願して、泊めてもらって
まろは最初は嫌そうな顔してたけど、事情を汲み取ってくれたのか泊めてくれた。
まろだってあにきと一緒に過ごしてたいはずなのに。勝手に私情を持ち込んで、人に迷惑をかけた。
なんだか申し訳なくなって、結局次の日の昼には帰ることにした。
もう1日ぐらいホテルで過ごしてやろうかとも思ったけど、流石に頭も冷えて、今となれば全然大したことなかったから、家に帰ることにしたんだ。
なのに、家に帰ってきたのに。
桃
物音1つしない。
とりあえずリビングへと足を進めた。
桃
…寝室?まだ寝てるとか。
昨日寝れなかったりとかしたのかな。
桃
いない。
…となると、俺の部屋かりうらの部屋しかない。
…りうらの部屋かな
桃
ガチャ
桃
真っ先に目に飛び込んできたのは、 床にある赤い髪。
桃
頭。胴体。足。 やがて人間だと理解する。 そして同時に、その人間が、 りうらであることを理解した。
桃
桃
辺りを見渡す。机の上には紙が置いてあった。
桃
ないくんへ ごめんなさい ほんとは、大好-
文字はそこで終わっている。
続きなんてなくても、りうらが何を伝えようとしていたのかなんて分かる。
桃
涙がこぼれそうになるのをぐっと堪えて、りうらの方に向かう。
桃
おかしい。何度呼びかけても反応はない。
それにさっきから、1度も動いて、__
桃
息をしていない。
桃
落ち着け。落ち着け、俺、落ち着け
息がなくても、脈があればまだ生きてるから
…脈はある。生きてる。
桃
桃
桃
桃
俺が、変に意地なんてはらなかったら。
桃
目から流れているのは大粒の涙。
それは留まることを知らず、どんどん流れていく。
桃
桃
段々と乱れていく呼吸。 やがてそれは恐怖に変わる。
桃
俺まで、倒れちゃダメだ。
急いでまろに電話をかける。 頼む、出てくれ。
青
桃
青
桃
青
青
桃
桃
青
まろが何やら話しているのがわかる。 急いで出てくれるのだろう
青
乱雑に切られた通話。それさえも恐ろしく、また怖く。
桃
呼吸は荒くなり、罪悪感は募る一方。
ただただ、地獄のような時間をやり過ごした。
あの後、まろが俺のことを落ち着かせてくれた。俺が落ち着いた頃には、あにきが救急車を呼んでくれていた。
救急車が到着して、りうらの付き添いでまろも一緒に乗った。 あにきはいむしょーに連絡を入れてもらうため、乗らずに自宅に戻っていった。
ただ、ストレッチャーの上で横たわっているりうらを見つめることしか出来なかった。
隊員達が中で慌ただしく動いている中で、ぼーっとりうらのことを見て、後悔ばかりが頭の中に浮かんで、また泣きそうになって、必死に堪えて
あの時、もっと冷静になれていたら。 もっと早く帰っていたら。 あと少しだけでも早く帰れていたら。 そもそも、俺が怒らなかったら。
ぐるぐるぐるぐる考えてたら、いつの間にか病院に着いて。
検査とか諸々やってる間は、涙が溢れ出してきて。 まろはずっと、静かに背中をさすってくれてた。
時間が経って、面会が出来るといわれたから、りうらのいる病室に向かった。
呼吸器を付けられて、人形のように横たわっている彼は、もう死んでるんじゃないかと思うぐらいには肌が白くて、怖くて
また涙が止まらなくて、あぁ、おれ泣き虫だなあって りうらが起きてたら、泣きすぎだよって言われるなあって
点滴に繋がれた手をそっと握って、体温が伝わって、まだ生きてることを確認して
ごめんねって、早く伝えたくて
交代でお見舞いに行こうって話が出たんだけど、
もし俺じゃない時にりうらが起きたら、どうしようって嫌で
桃
青
桃
青
桃
青
桃
青
白
黒
黒
水
水
桃
青
桃
桃
桃
青
桃
青
桃
桃
本心だった。
もう二度と離れたくなかった。
りうらを1人にさせたくなかった。
青
黒
まろとあにきがなにやら話しているのが分かる。
青
青
黒
桃
青
白
桃
水
桃
青
青
桃
メンバーに無理を言ってしまったことはわかっているけど、それでも最終的には許してくれる。
そんなところに甘えているなとも思いながら、またりうらのことを見つめる。
桃
そっと額に、口付けをした。
なんだか何もやることがなくて、暇で、ただただ天井を見つめる。
ちょっと手を動かしてみたり。 点滴が繋がれてるままだから、ないくんと繋がってる手は動かせないまま。
早くないくんの声聞きたいんだけどなぁ。
桃
桃
桃
そう言って体を起こすないくん。
桃
赤
桃
赤
桃
急いでLINEを確認する彼。
そんな所も愛おしい。
桃
赤
桃
桃
桃
謝りたいのはこっちの方だよ。
ねぇ、ないくん。ごめんね。
桃
赤
桃
赤
赤
赤
頑張って出した声はかすかすで、 決していつも通りの声とは言えないけれど
赤
赤
いつの間にかぼろぼろと涙を流している彼。
桃
桃
桃
ギュッと強く手を握ってくる彼。 答えるように少し力を込めた。
桃
桃
赤
赤
いつもないくんがやってくれてるみたいに、ぽんぽんと頭を叩く。
桃
ないくんが顔を上げる。
桃
少したって、いつもの笑顔でにこりと優しく微笑む。
君が魅せた表情は、世界一美しかった。
その後、ある日の赤組ハウスからは、
いつもとちょっと違った会話が聞こえてきた。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
赤
桃
赤
桃
桃
そういった途端に料理に手を付けて口いっぱいに頬張る彼は、何だか小動物みたいで可愛らしくて。
桃
赤
桃
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
赤
桃
赤
桃
赤
あの時以来、俺はないくんへの接し方をちょっとだけ変えた。
でも、変わらない。だってないくんがいるから。
君がいないと、俺の生活は成り立たないみたい。
自分を変える。でも日常は変わらない。
「変わる、でも変わらない」 【完】
コメント
10件
どうしてくれるんですか…泣きそうじゃないですか…桃くんの、もう、1人にさせたくない。がもうどうゆう感じで言ってるのか想像出来て泣きそうになりました…ほんとに神ですね。TERRORの感動系で泣きそうになったの初めてかもしれないです…頑張ってください。
あーもうほんとに... 過呼吸大好きすぎるあいらびゅーでしかないですほんとにありがとう 桃くんまで過呼吸にさせてくれてありがとう(?) 声出せないのに必死に好きって伝えようとするとことかもうまじ...😭😭😭😭 ありがとうございます大好きです!!!!!!!