浮気

浮気

黄青

昔はよく、青ちゃんから誘ってくれた

ありえないくらい可愛い上目遣いで 僕の心をかき乱して。

かき乱して

かき乱して

今思えば、青ちゃんの思い通りに 僕は操られてた

そんな簡単な好きを 本気で信じて。

信じて

信じて

信じたから､､､！

ずっと辛くて苦しい

お互い好きだと本気で 思い込んで舞い上がってたあの頃から

1年くらい経ったかな

ｶﾞﾁｬ

僕だって嫌なんだよ

青ちゃんが取っ替え引っ替え 色々な女性を家に連れ込んでること。

僕は君が好きだよ

でも君はとっくに そうじゃない。

青ちゃんは可愛い女の子が 好きなんでしょ？

なんで手放してくれないのか 僕にはわからない

僕からは離れられないから､､､

青ちゃんが突き放してほしい

嫌な空気､､､

顔色ひとつ変えないんだね

焦りも不安もない表情

淡々と、何か疑う様子もない

喉がひゅっとなる

それ、青ちゃんが言うの､､､？

触れられただけでこんなに 心臓がバクバクする

１ヶ月ぶりくらいだからかな、

あぁダメだ

好き、好きだよ

好きに決まってる

同じ家にいるのに また明日なんて聞きたくない

それから数日後

僕はまた青ちゃんの家に訪ねた

また鍵空いてる､､､

あれ、誰か来てる？

玄関から見えた。

息が苦しくなって、気づいたら 動画を回してた

証拠､､､青ちゃんを突き放せる証拠

青ちゃんを大嫌いになれる証拠､､､

僕が目を覚ます証拠､､､

何度でも見て嫌いに なれるように。

好きに嫌いで 返せるように。

ほんとに最悪だ

女の子ならまだ良かった

可愛い女の子ならまだ 自分が劣ってるのなんて認められた

でも男､､､？

しかも赤なんだね､､､

僕じゃダメだった？

満足できなかった？

じゃあなんで離してくれないの？

桃くんは相手が青ちゃん だって知らない

知ったら傷つくだろうな

だって､､､桃くんも 青ちゃんが好きだから

なんでそんなに魅力的なんだろ

なんでそんなに優しくないんだろう

赤も女の子たちも 何も知らないんだろうな

自分だけが愛されてると思ってる

気持ち悪､､､

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

なんで､､､

なんで今更

赤がいるくせに

嘘をついた

青ちゃんの目が泳いでる

桃くん、合わせてくれた

桃くんは何かを察して 呆れたようだった

桃くんにキスされた､､､

これは桃くんなりの答えだ。

僕はいつも手を引っ張られてばっかりだ

恋人繋ぎ、したことあったっけ

いつも君は僕の手首を掴んで 振り返らず歩く

僕が握り返す隙はない。

気分で手を離し、すぐに後ろで手を組む

君は言葉を詰まらせながら聞く

青ちゃんは急に黙りこくった

僕が気づいてないって 本気で思ってたんだ､､､

あぁなんでこんなに心が揺らぐんだろ

よくわかんないよ

何考えてるの？

また傷つけられる

また1人で泣くことになる

僕が嫌いなとこ全部 好きと言ってくれた

涙が溢れかえった

今まで強がってたんだよ？

ほんとは辛くて寂しくて､､､

青ちゃんと 話したかった

また同じ思いするだけだ

その場から逃げた

怖くて何も言えなかった

でも、これでいいんだ

全て忘れよう

つづく