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白いキツネとメガネの少年 山のふもとの小さな村に、光(ひかる)というメガネの少年が住んでいました。 光は誰よりも優しく、動物や植物に丁寧に接する子でした。 ある冬の夕方、光が森で転んでメガネを壊してしまいました。 雪がまぶしくて前がよく見えず、困って立ちすくんでいると―― ふわり、と白い影が近づいてきました。 それは、雪のように白い毛並みのキツネでした。 つぶらな瞳がほんのり青く光り、冷たい空気なのにどこかあたたかい気配をまとっています。 「だいじょうぶ?」 キツネが、風のように優しい声で話しかけてきます。 光は最初びっくりしましたが、その声があまりにも優しくて、すぐに怖くなくなりました。 「メガネが壊れちゃって……家がどっちかわからないんだ」 キツネは小さくうなずくと、光の手に鼻先をそっとあてました。 「ぼくが案内するよ。ゆっくり歩こう」 白いキツネは積もった雪の上を、光が歩きやすいように少しずつ踏み固めながら前を歩きました。 時々ふり返って、光がついてきているか確かめるように尻尾をゆらします。 やがて村のあかりが見えたころ、光は安心して「ありがとう」と笑いました。 するとキツネも嬉しそうに、雪の中でふわっと尻尾を立てました。 「困った時は、また呼んで。雪の中ならすぐわかるから」 そう言って振り返らないまま、キツネは森の奥へ消えていきました。 その日から光は、雪が降るたびに森の方へ目を向けるようになりました。 そして気づくのです。 ――森の奥で、白い何かが小さく尻尾を振っているのを。 まるで「また遊ぼうね」と言っているように。 光も、小さく手を振り返しました。 二人の優しさは、静かな冬の森の中でそっと結ばれていました。 --- 冬が終わり、柔らかい風が吹きはじめた頃。 光(ひかる)は、森へ行くたびに白いキツネのことを思い出すようになりました。 「また会えるかな……」 そうつぶやくと、春の匂いをふくんだ風が、まるで返事のように木々を揺らします。 ある日の放課後。 光が森の近くの丘を歩いていると、白いものが草の間をすべるように動きました。 ――ふわっと揺れる白いしっぽ。 光は思わず駆け寄りました。 「キツネくん!」 振り返った白いキツネは、冬と変わらない優しい瞳で光を見上げ、うれしそうに耳をぴんと立てました。 「ひかる、また会いに来てくれたんだね」 「うん! きみも、春になったから出てきたの?」 キツネは少し照れたように鼻を動かし、 「春の森を君にも見せたかったんだ」と言いました。 二人は並んで森の中を歩きました。 暖かい日差しに、白いキツネの毛並みはきらきら光って、光は思わず見とれてしまいます。 「ねえ、キツネくん。名前、あるの?」 キツネはしばらく考え込んだあと、 「長い間、誰にも呼ばれてなかったから……ひかるがつけてくれる?」 と、少しはにかんだ顔で言いました。 光は嬉しくなって、しばらく考え、そっと答えました。 「じゃあ……ゆきってどう? 白くて、やさしい感じがぴったりだから」 キツネ――ゆきは、ぱっと顔を明るくし、尾を大きくふりました。 「ゆき……うん、すごく気に入ったよ!」 その日、光とゆきは春の森をずっと歩きました。 光は鳥の声をゆきに教え、ゆきは草の香りで天気を当てたり、森の秘密の小道を案内したりしました。 夕暮れが近づくころ、丘の上で二人は並んで座り、沈む太陽を見つめます。 「また会えるよね? ゆき」 光が静かに聞くと、 ゆきはそっと光の手に頬を寄せました。 「もちろん。ぼくは森にいる。ひかるが来てくれれば、すぐに会えるよ」 春風がふたりの間をふわりと通り抜けていきました。 それはまるで、友情の約束を運ぶ風のようでした。
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NEXT♡200 次回、svmf壊れる 途中挿絵入れてみたんですけどどうですかね?ゴミ絵ですけど好評だったらまた入れてみたいとか思ってたり思わなかったり……次回は特にキャラ崩壊注意です
コメント
13件
推しが尊い…( ゚∀゚)・∵. グハッ!!(←どぬく推し
挿絵めためた良かったです! 絵本の部分、主さんが考えたんですか?ちょ~良い話でした!! 相変わらずもふくんのどぬちゃん愛が止まりませんね笑 続き楽しみに待ってます!
リクエストありがとうございます!