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陽平
娘は、彼女の親戚に預けられた
海
え、？
陽平
あれは、彼女が亡くなってからすぐだ
陽平
夏の暑い日だった…。
陽平
娘だけでもどうかお願いします！
苑の父
いや、お前になんか渡さん！
苑の父
苑はお前のせいで死んだ！
苑の父
お前がいたからだ！！！
苑の父
凛は私たちが預る！！
苑の父
お前になんか渡したら、孫も死ぬんだぞ、！！
苑の父
いい加減諦めろ！
陽平
やめてください！
陽平
僕は彼女なんか殺していません
陽平
そんな証拠どこに…
苑の父
確かに証拠はない
苑の父
だが、お前しかおらんのだ
苑の父
もう、凛には会わないでくれ…
陽平
凛は私の娘です！！
陽平
大事な大事な
陽平
一人娘なんです！！
苑の父
黙ってろ！
苑の父
おまえと娘を結婚させたのが馬鹿だった…
陽平
……。
苑の父
もう気が済んだろ
苑の父
はぁ、。
苑の父
お前は自分を一生責め続ける
苑の父
………｡
苑の父
もうやめてくれ…。
ﾊﾞﾝｯ
陽平
あぁ……｡
陽平
凛…。
陽平
どうか…ご無事でありますように…。
陽平
こうして娘とは別れることとなった
陽平
せめて、娘の成長だけでも見てやりたかった…。
海
陽平さん…。
陽平
願いが叶うのなら
陽平
私は
もう一度娘に会いたい
陽平
ただそれだけだ…。
陽平
暗い話になってすまない
海
いえ、話してくれてありがとうございます。
陽平
あまりこのことは人に言わない約束だったが
陽平
海さんには約束を破ってしまったみたいだ…
陽平
たぶんこれは、海さんを信用しているからなんだよね
海
陽平さん…
陽平
さあ、帰るとするか…。
陽平
ただいまーっと…。
源之助
よーうへいさーーーん！
陽平
？
陽平
あぁ！源ちゃん！
海
源ちゃん？
源之助
こんにちは！
陽平
こんにちは
陽平
今日はお休みだけど…
源之助
母の薬が切れてしまって
源之助
お店、開けてくれます？
陽平
わかった、開けるよ
陽平
下においで
源之助
やった！ありがとうございます！
源之助
？
源之助
あなたは…
海
陽平の妹の海です…。
源之助
陽平さん、妹さんがいたんだ…
陽平
ほらー、はやくおいでー
源之助
あ、いまいきます！！
源之助
いつものお薬を、ふたつお願いします
陽平
はーい
陽平
はいどーぞ
源之助
ありがとうございます！
源之助
あの、海さん…でしたっけ
海
そうです
源之助
僕、中島源之助(なかじま げんのすけ)っていいます
源之助
母が病気で、ここの薬を使うと良くなると言うので陽平さんのところに買いに来ているんです。
海
ほぉ、！
源之助
あ、あの…。
海
はい？
源之助
この後って…何か用事は…？
海
いえ、特に何も…
源之助
では…
海
私になにか…？
源之助
いや、少し話したかっただけなんです
海
なるほどぉ…？
源之助
って言っても、初対面ですよね
源之助
すみません(￣▽￣;)ｱﾊﾊ…
海
いえ、私は全然気にしないので…！
海
それで…用事というのは…？
源之助
ああああああああぁぁぁすみません！！
源之助
これ、海さんに似合うと思って…
海
これって…
源之助
ブローチです
源之助
亡くなった姉の形見で…
源之助
海さんに似合うかと…
海
そ、そんな！
海
受け取れません！
源之助
ど、どうしてですか！？
海
お姉様の…形見なんて…！
海
せっかく大事にしていたブローチを、私なんかに…
源之助
いや、そんなことはないです
源之助
姉は亡くなる前
源之助
このブローチは…
源之助
あ、いや！
源之助
やっぱなんでもないです！！
源之助
とりあえず、受け取ってください！
源之助
では！
海
ちょっと！
海
………
海
まぁ、いっか！
海
綺麗なブローチだなぁ、
続く
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