結衣
…びっくりした。覚えてるの私だけかと思ってた。
颯
忘れるわけないだろ。
俺が「5年後の同窓会で 、屋上に待ち合わせ」って約束したんだから。
俺が「5年後の同窓会で 、屋上に待ち合わせ」って約束したんだから。
颯
っていうかもう30分もここで待ってたんだぞ?
結衣
だって約束した時、時間までは言ってなかったじゃない。
颯
お前こそ、俺の言ったことよく覚えてるな。
結衣
忘れたくても忘れられないの!
あの頃のあんたの奇行。
あの頃のあんたの奇行。
颯
奇行とか言うなよ!
好きな子に花束渡して告白するのは王道だろ?
好きな子に花束渡して告白するのは王道だろ?
結衣
それ、高校3年間でいくつ私に花束渡したか覚えてる?
颯
13回。
結衣
充分奇行よ。変なやつよ。
颯
そんな俺に救われてたくせに。
結衣
…悔しいけど、そうね。
結衣
何度振っても違う色の花束で告白してくるあんた見てたら、自分がしてた辛い恋も忘れちゃう時何度もあった。
結衣
…ねえ、今も気持ち変わってない?
颯
変わってないからここに来たんだ。
颯
俺ならお前のこと絶対に幸せにできる
颯
だから卒業して5年経って、ちゃんとした男になったら、もう一度告白させて欲しい。
颯
今日はそういう約束だから。
颯
だから、好きだ。
俺と付き合って欲しい。
俺と付き合って欲しい。
結衣
…今日は花束、ないのね。
颯
同窓会に花束持っていく訳にはいかないだろ…
結衣
ちょっとまともになっちゃって、つまんなーいの!
結衣
じゃあこれが、私の返事。
颯
…これっ、花束…?!
結衣
ちゃんとした男にならなくても、
結衣
いつも私を笑顔にするのはあんただって、やっと気づいたの。
結衣
待たせてこめんね。
結衣
変わらず好きでいてくれてありがとう
結衣
これからは、ずっとそばにいてください。