────────、
────どうやら────
「変化」が… 起きたようです……
────少し、
ほんの少しだけ……
“良い” 方へ…………
…おや、?
えぇ、そうですよ
ふふっ 大丈夫ですよ 安心なさい 彼らならきっと────、
きっと、
はい、 気を付けて 行ってらっしゃい
……
…どうやら行けたようですね ────では、 見守りに行きましょうか?
では、お手をどうぞ 足元にはお気を付け下さいね …ここは暗いですから────
先程までオロチがいた場所には 骸や血溜まりは 無い そこにあったのは 白い 小さな花 光を反射し ふわりと揺れる花が 鬱蒼としたこの場所を 純白に埋めつくしていた
季節は……もう秋の終わりに入る 既に花は散り 木々は葉を落とし 次第に色は消えていく…… ────なのに、 この場所だけ…… 暖かく、優しく、心地よい… まるで…… ────春が訪れたようで ふと、 柔らかな────
春の匂いがした
────頭上には 青空…
足元には 一面の白い花畑…
ディヴァイン ディメンション スキル:【神聖な次元】 このスキルは ありとあらゆる“闇”を 無条件に払う事が出来る 浄化系スキルの────最上級の技 全ての傷、状態異常は勿論 病や欠損すらも癒す事が出来る そしてサブ効果には… ────魂の浄化──── そう ヤマタノオロチは浄化された それと同時に この地に溜まった穢れも 浄化されたのだ
爽(ソウ)
スバル
ドスッと、爽が体当をする
少し痛いが…
爽なりの労い方法のひとつだ
爽(ソウ)
スバル
────狐面……
そうか……あの時紐が千切れて… あぁ… ────欠けちゃったなぁ、
爽(ソウ)
あ…… すんごい落ち込んでる……
スバル
爽(ソウ)
スバル
良い奴だな────相棒は、
─ダダダダダッ─
スバル
──ガバッ──
スバル
スバル
なん……で、
どう………して……、?
あっという間の出来事に 理解が追いつかない… もうダメだと思ったら 助かってて… 蒼い炎が眩しいと思ったら ヤマタノオロチを斬ってて そしたら近づいて撫でて 突然光出したと思ったら ヤマタノオロチが蝶になって消えて…… いつの間にかここが花畑に変わってて、 訳が…………分からない、
分からない……、 分からない……はずなんだ……
でも…… 何でだろうか…………、
あの人を
あの子を…!
何故か分からないのに どうしてだろうか、
──気付いたら 体が動いていた
体が 勝手に動く
───目の前のあの人に向かって
すまないの父
すまないの母
早く!
早く!!!
走っているうちに
頭の中に
知らない“記憶”が流れてきた
????
????
????
すまないの母
????
????
????
すまないの父
????
????
????
すまないの父
すまないの母
????
????
????
いたいの、いたいの とんでいけ〜!
????
すまないの父
すまないの母
????
????
????
─ギュ〜─
すまない父、母
????
????
????
????
????
????
ダレカ……タスケテ…………
すまない父、母
まるで雪崩のように… 押し寄せる波のように… ────「記憶」が流れてくる その時に抱いた感情も 鮮明に、くっきりと……、
早く 早くあの子の元へ行かなければ、 早くあの子を抱き締めなければ、 早く……あの子の名前を呼ばなければ、
─ギュゥゥゥ─
私たちは この子を知っている
愛しいくて、大切な
私たちの息子
すまないの父
すまないの母
スバル
スバル
あの時は……本当に酷い事をしてしまった… 幼い貴方をひとり、置いて行ってしまった… どれほど寂しかっただろう どれほど怖かっただろう
すまない父、母
私たちは微笑みながら 動揺し 揺れる瞳をまっすぐ見つめて……
「ただいま すまない」
そう、言葉を発した
スバル
この子の目に、涙が滲んでいた 咄嗟に下を向いてしまったが、
声を殺して震えて泣くこの子を 私たちは 更に力を込めて、強く抱き締めた
コメント
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おお……すまないの両親が記憶を知ったのか……なんというか……すごい感動する……(語彙力)これは……良かったのかな……?先生……?