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コメント
6件
よかったねぇ、2人ともぉぉ… このままバトエンかと思ったじゃーん、笑笑 安心したわ、ハピエンで終わって笑 こういうのまぢで大好きなんよね だから、めっちゃ嬉しい♡
めっちゃ尊厳。 普通にどん底からのハピエン好みすぎてやばい。
𝚂𝙷𝙸𝙾𝙽。
𝚂𝙷𝙸𝙾𝙽。
𝚂𝙷𝙸𝙾𝙽。
𝚂𝙷𝙸𝙾𝙽。
夜の21:30。いつもなら帰ってきている時間だが、 まだりうらは帰ってきていない 俺が不思議に思っていると、玄関の扉の開く音がした。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
その一言でりうらの表情がふっと緩んだ。
スーツを脱ぎながらソファーに座る俺の近くにくる
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
りうらはキッチンカウンターに手をつき、 振り返る
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
ピタリと足が止まった。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
手際よく野菜を切る音が響く。 慣れた手つきで、ルーを溶かす タワーマンションの夜景が窓の外でゆっくりと回っている
5月の夜
⚂𓂃⸝⸝
そう俺は思いながら自室にいく。
しょにだは部屋に戻りスマホを触りらながらベットに転がる
ご飯を食べ終えた俺はしょにだのいる部屋に入る
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
部屋の時計を見てみると22:00を指していた
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
うそだった。俺の中で何かに引っかかってた。
俺ははわかっていた。 しょにだが家で1人で食べるなんてありえない。 誰かと食べたんだろう。 いつ、誰と、何処で、何を食べたんだ?
⚀𓂃⸝⸝
でもダメなのはわかってる
ふわりと笑って話を流す
⚀𓂃⸝⸝
気持ちを落ち着かせるために初兎に提案をする
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
今の時刻は22:15 まともな予定なら昼間に入れるはず。 深夜に入る「予定」 俺の頭の中は無数の選択肢が出てくる
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
どこにいくのか、誰と会うのか聞きたかった
でもその気持ちを押し殺して笑顔で見送ることにした。
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
その予定が裏の仕事とは言っていない そう。裏の仕事はNo.1ホストだ。
深夜23時 歌舞伎町のネオンが湿った空気に滲んでいる。
『 𝗶𝗿𝗿𝗲𝗴𝘂𝗹𝗮𝗿 𝗰𝗹𝘂𝗯 』 ─この名は俺の裏の仕事場
俺のホストの名は『 しろ 』
重い扉を開けるとベースの重低音と香水の匂いが押し寄せてくる
バックヤードで着替えたり髪をセットしている
みやび
⚂𓂃⸝⸝
みやび
⚂𓂃⸝⸝
みやび ← No.2 No.1 →しろ
みやび
売上ランキングの頂点。 それが初兎の誰にも見せたことの無い顔だ。 華やかで残酷な世界。 金と愛想と嘘が飛び交う場所。
一方、タワーマンションにいるりうらは、、
俺はソファーに深く座りぼーっとしている
初兎に「 予定がある 」と言われてから 1時間30分経っている。
テーブルの上にスマホが置かれている。 画面は暗いまま。
追いメは打たなかった
背もたれにもたれ掛かり天井を見上げる
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
接客をしている『 しろ 』
フロアは熱気に包まれている。 シャンパンコール、グラスの触れ合う音、 女の人達の甲高い笑い声。 その中でNo.1の『 しろ 』は完璧だった
甘い言葉を吐きながら、誰にも本気にならない。
"それがNo.1の条件だ"
姫
姫は頬を赤く染めた
姫
姫
インカムに新規の連絡が入った。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
断るのも仕事のうちだ。
時間は過ぎていく
眠れずにずっと初兎を待っている
頭の中は初兎のとこばかり。
SNSを開いて、閉じた。また開いて。 検索履歴に何も残したくなかった。
時計の針は夜中の3時を指している
⚀𓂃⸝⸝
1時間半後
店は営業時間外になり店の片付けが始まる。
みやび
⚂𓂃⸝⸝
みやび
みやび
⚂𓂃⸝⸝
午前4時半。終電などとっくに終わっている。
りうらの親指はLINEのトーク画面をスクロールしている。 初兎からのLINEはなく、 最後にしたのは昨日の23時くらいの 『何時に帰ってくる?』という自分のメッセージだけだった。
既読もつかない。返信もない。
⚀𓂃⸝⸝
声に怒りはなかった
テーブル・椅子の拭き掃除、お酒の調達、 全ては明日のために今日にしている。
最後のお客さん達を最後まで丁寧に送り出していたら 時間が5時半になっていた。
30分後…、片付けが終わりみんな帰宅する。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
店を出ると朝の空気が冷たかった。
そしてここから家までは少し遠い。 電車で40分、最寄り駅から徒歩15分かかる。
⚂𓂃⸝⸝
午前7時 マンションのエントランスを抜け エレベーターが上昇する
密閉された箱の中 微かに香る酒と香水の残り香。 初兎の目元には疲労の色が滲んでいた。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
ガチャッ と音がした
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
りうらの顔は寝てない目。 乱れたTシャツ。
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
おかえり。と言うその一言だけ発した。
責めもしない、問い詰めもしない。 「 予定 」がなんだったのか、どこにいたのか 全部聞きたくて仕方ない。、
一歩、初兎に近づいた。
⚀𓂃⸝⸝
隠しきれなかった
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
赤くない。朝帰りの体温で上気しているだけだ。 それをりうらはわかっているはずだ。
りうらはキッチンに向かった
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
背を向けたりうらの肩は僅かに強張っている。 「 予定 」の中身を聞く権利なんてないとわかっている 恋人関係とはいえ 初兎のプライベートを全部把握したい と思うのは重い、
マグカップを両手に持ちソファーに座る
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
りうらは自分のコップを両手で包む
言いたいことがある。 唇が動きかけて止まる。それを2回繰り返した。 そして3回目。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
呼び方が変わった。いつもの「初兎」ではない、 少し低い声。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
りうらはカップの中を見つめたまま
⚀𓂃⸝⸝
りうらは顔を上げた。
⚀𓂃⸝⸝
撤回が早い。「 ごめん 」を重ねる癖。 傷つく前に逃げる防御本能。 りうらはいつだってそうだった。 俺の負担にならないよう、自分から折れる
⚂𓂃⸝⸝
初兎は寝室に行く
足音が遠ざかり、ドアの閉まる音。 リビングにはりうら1人だけが残された。
俺も自室にもどった。
午前8時。 東京はすっかり朝を迎えている。 窓から差し込む陽光が残酷なほど明るい。
隣の部屋で初兎が寝ている。
壁1枚隔てた向こうにいるのに
手の届かない場所にいる気がした。
⚀𓂃⸝⸝
寝れないまま数時間が過ぎた…、
正午を回った頃、初兎の寝息は深いまま。
結局俺はベットを抜け出して初兎の昼ごはんを作りにキッチンに向かった
起きた時に食べれるように、 温め直せばすぐ食べれるように、 そういう気遣いはいつも通り。
トマトとチーズのリゾット。 ラップをかけて冷蔵庫に。 メモを添えた。
起きたら食べてね
それだけを書いてペンを置いた。
りうらは着替えて外に出た。 行くあてもなく。 家にいると聞いてはいけないことを 口走りそうだったから。
⚀𓂃⸝⸝
初兎が起きたのは夕方の5時。
今日もホストの仕事だ。
⚂𓂃⸝⸝
リビングに行くといるはずのりうらがいない。
書き置きだけがキッチンに置いてあった。
夕食は冷蔵庫の作り置きチンして食べてね!
スマホの通知が来た。 りうらからだ
帰りは教えてくれると嬉しい
既読を付けたまま、返信はしなかった。
りうらが作ってくれたご飯をチンして食べる。
準備をし家を出る
⚂𓂃⸝⸝
午後6時半。カフェに来ている。
りうらはパソコンを開くふりをしなにもしないまま コーヒーを飲む
窓の外を人が流れていく。
カップルが目に入るたびにカップを握る指に力が入る
⚀𓂃⸝⸝
店を出る。
カフェを出て夕暮れの街を歩く。
まだ帰れない。帰れない。 家に初兎がいないと知っているから。
また行くあてのない散歩が始まる。
⚀𓂃⸝⸝
ふと顔をあげた瞬間、見覚えのある後ろ姿が 人並みに消えて行くのが見えた。
追いかけようとして、足を止めた。
あの服装。あの雰囲気。知らないフリをされた。
⚀𓂃⸝⸝
俺は携帯を取り出した。 LINEを開く指先が震えている。
打って消して打ち直して。
⚀𓂃⸝⸝
そうLINEで打つ。
返信が来た。
⚂𓂃⸝⸝
画面を見つめる目が揺れた。 「 会ってない 」 嘘だ、あの一瞬の横顔、あの髪、あの香り。 見間違えようがない
だがそれ以上追求しなかった。
「 そっか 」と打とうとして、指が止まった。 代わりに違う文字を打つ
⚀𓂃⸝⸝
メンバーにも恋人の俺にも言えない仕事、
朝帰り、飲酒、華やかな服、
⚀𓂃⸝⸝
怒りではなかった、嫉妬とも少し違う、
もっと深い場所で何かが軋んでいる。 知らなかった。何も。 恋人のもうひとつの顔を、何ヶ月も。
既読が付いた。返信はない。
俺は付き合った時のことを思い出した。
付き合う時の約束で俺は言った。 「 お金のことは心配しないで全部俺が出すから 」と。 初兎を養いたかった。 俺無しでは生きられないようにしたかった。
それがどれだけ初兎にとってどれほど重かったか、 今になってわかる。
⚀𓂃⸝⸝
初兎はいつも優しかった。 物を欲しがらなかった。 お金を好きな物に使ってなかった。 何もねだらなかった、
それは、、
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
立ち止まりビルのガラスに写った自分を見た。 情けない顔をしていた。
りうらとすれ違った。
バレたくなかったのに、
怖くて振り向けなかった。
そう考えていると通知が鳴った
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
そう嘘をつく。
バレたかも。 弟の学費、親や家族の生活費、食費 を稼ぐために働いている。 歌い手は自分の生活費に当てている。 付き合う時の約束で仕事をしないで欲しいとの約束だったから内緒にしてたのになぁー、
返信を考えて送った。
⚂𓂃⸝⸝
付き合った約束を破ってしまった、 だから別れちゃうかもしれない。 「 別れよう 」 その言葉が聞きたくなくて返信した。
初兎から通知が来た。
⚂𓂃⸝⸝
俺は頭が真っ白になった。
⚀𓂃⸝⸝
震える指で打って返信をした。
なんで、 「 俺ら距離を置こう 」 なんて言うんだろう、 さっき会ったから?それともずっと前から、?
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
もう二通送った。 すぐに既読が付く。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
ビルの隅で膝に力が入らず崩れ落ちた。
「 ごめんね 」 いつもそうだ。
謝って、笑って 「 大丈夫 」と言って、 全部ひとりで抱えて。
今、限界が来て離れようとしているのかな、
⚀𓂃⸝⸝
返信が来た。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
そう返信し、通知をOFFにする。
そして仕事に向かった。
仕事場に着いたのは午後8時半。
黒服に 「 今日のVIPはしろさん指名ですよ 」 「 太客の姫です。 」
店内はフロアの熱気が充満している。 シャンデリアの光がシャンパングラスを煌めかせ、 姫の笑い声とグラスの触れ合う音で満ちていた。
俺はVIPの部屋に向かう。
姫
姫
しろは姫の隣に座り、グラスに酒を注ぎ、 他愛ない話に笑う"フリ"をする。
けれどポッケの中の通知を切った携帯が気になった
⚂𓂃⸝⸝
姫は頬を赤らめた
姫
姫
姫
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
姫
姫
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
姫
⚂𓂃⸝⸝
姫
姫
姫
⚂𓂃⸝⸝
姫
午前1時。今日は早めに営業時間外だ。
明日は営業はない。
⚂𓂃⸝⸝
みやび
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
みやび
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
みやび
少し歩いた先にりうらがいた。
目の前を通り過ぎようとすると声をかけられた。
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
冷えきった手で手首を掴まれた
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
着ていた上着をりうらに渡す
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
りうらは寒さで顔が赤く、震えている唇。 それでも声は揺らがなかった
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
俺は泣きそうなのを我慢し 振り返らず走り去ってしまう。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
初兎の目は泣きそうな目だった。
泣きそうな目、あんな顔、見たことがない。
体が動いていた。考えることよりも先に。
背後から手を掴む
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
ごめんねと申し訳なさそうな顔を最後に 初兎は行ってしまう
追いかけようとした、だけど足がもつれた
⚀𓂃⸝⸝
その叫びは夜の路地に吸い込まれた。
初兎の姿はもう見えない。 追えなかった、 追う資格があるのかも分からなかった。
冬の深夜、一人残された。 地面に手を付けたまま動けなかった、 さっきまで初兎の腕の温もりだけが手に残っていた。
そこから1ヶ月が過ぎた。
初兎はまだ帰れていない
12月。東京の街はイルミネーションに彩られ、 クリスマスの装飾が至る所に溢れている
恋人たちが寄り添い、 幸せそうな笑顔を振りまくる季節。
初兎には関係のない話だった
初兎母
初兎母
初兎母
母はいつも心配してくれる
⚂𓂃⸝⸝
それは偽りの言葉だった
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
あぁ、また食べれなかった
最近ご飯を食べると気持ちが悪くなる。
拒食症の症状だ。
俺は眠れず、ベランダに出る
部屋にあかりなんてない。
毎日。
初兎と2人で暮らしていた時は、 夜中まで話して、くだらないことで笑って、 くっついて寝て。
当たり前だと思ってたのに、
⚀𓂃⸝⸝
りうらの携帯には未読のLINEが 何十件も溜まっている。
送信取り消した跡。 何度も打っては消しての繰り返し。 「 帰ってきて 」「 話したい 」「 会いたい 」 どれも送る勇気がなかった。
ふと、手すりに目をやった。
下に植え込みが黒く広がっている。
ここから落ちたら────
⚀𓂃⸝⸝
馬鹿なことを考える自分を心の中で叱る
初兎がいない世界に意味がないとか そういうことじゃない。 死んだら初兎に会えるわけない、 死ぬという選択肢が頭にあるのが気持ち悪い。
部屋に戻り初兎が着ていた上着に顔を埋める。
⚀𓂃⸝⸝
初兎の匂いはほとんど消えている。
同じ夜。 壁を隔ててりうらと初兎は 寝れない夜を過ごしていた。
同じ東京にいるのに、永遠に届かない距離。
会社を休み続けもう2週間。
上司から心配のメールが届いている。
パソコンを開く気にもなれない。
何をしても初兎の影がちらつく
スマホを開き、写真フォルダーを開く。
ふたりで撮った写真、初兎の寝顔、初兎の可愛い写真
初兎はいつも笑っている。 こっちを向いて、隣にいて、
⚀𓂃⸝⸝
スクロールする手が止まった。
最近の写真だ。 その初兎の横顔は疲れていた。
⚀𓂃⸝⸝
コートを掴み、玄関を飛び出した。 タクシーに乗り込み初兎の実家の住所を告げた。
誰か俺を楽にして、
そう思っているとインタンホンが鳴る
⚂𓂃⸝⸝
ドアを開けた瞬間、りうらが立っていた。
⚂𓂃⸝⸝
ドアが開いた瞬間、息を呑んだ。
数ヶ月に見る初兎
初兎は変わっていた。 頬がこけていて目の下に隈がある。
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
「 他人 」 その言葉がりうらの胸を抉った。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
考えもせずに胸ぐらを掴む
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
その表現は偽りの笑顔だった。
その笑顔を見た瞬間、表情が消えた。 偽物だと、わかった。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
いいかけてやめた。 生きてて意味がないそう思いこむことが増えたことを りうらには言えなかった。
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
追求してこなかった。初めてだった。 いつもなら逃がさないりうらが、1歩引いた。
⚀𓂃⸝⸝
にこっと偽りの笑顔を作る
⚀𓂃⸝⸝
それだけ言って帰った
初兎母
初兎母
初兎母
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
自宅に着いた。
りうらはベランダに向かった。
冷たい風が顔にあたる
何気なく外を見渡す
⚀𓂃⸝⸝
東京の夜は眠らない街だ。
⚂𓂃⸝⸝
周りを見ずに下を向いて歩いている。
トラックが突っ込んでくることも知らずに、
ガシャーンッ
深夜の交差点。 信号無視のトラックに初兎は轢かれてしまった。
そのまま路面に叩きつけられた。 鈍い音と共に荷物が散乱し、 一瞬にして人だかりができた。
ベランダから下を見ていた目に赤いテープランプと人だかりが映った。
心臓が止まりそうだった
⚀𓂃⸝⸝
玄関を飛び出し階段を2段飛ばしで駆け下り、 エントランスを飛び出す。
人混みを掻き分け最悪の想像を振り払いながら走る。
たどり着いた先。路上に横たわる体。
散らばったカバンの中身。 服のメーカー、 見覚えのある──
膝から崩れ落ちた
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
初兎の体を抱き起こす
血が手に付く。
頭が真っ白になった。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
救急車のサイレンが遠くから聞こえる。
初兎は目を覚まさない。
⚀𓂃⸝⸝
救急隊員に引き剥がされた。
同乗を求められ血まみれのまま乗り込む。
病院に着くまで初兎の手を握ったまま離さない
病院につきストレッチャーで運ばれていく。
赤いランプが点灯した。
「 手術中 」
りうらは廊下のベンチに座ったまま 自分の手に付いた血を見ていた。
⚀𓂃⸝⸝
誰もいない深夜の廊下。時計の針だけが進んでいく。
手術中のランプが消えた。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
看護師
看護師
立ち上がった、足が震えていた。 家族じゃない。恋人だ。 だけど今はどうでもいい。
⚀𓂃⸝⸝
看護師
「 死亡確定 」の四文字が看護師の口から告げられた。
⚀𓂃⸝⸝
聞こえなかった振りをしたかった
耳が拒否している
看護師
⚀𓂃⸝⸝
しばらくして、掠れきった声で
⚀𓂃⸝⸝
医師
1度止まった心臓が再び鼓動を刻み始めた。
看護師
再び手術室の扉が閉まった。
手術中のランプが付く。 今度は生きるための手術だ。
⚀𓂃⸝⸝
それから数時間。ICUに移された初兎。 初兎の容態は安定と悪化が繰り返していた。
りうらは病室の前から動かなかった。 ガラス越しに初兎の姿を見続ける。 機械に繋がれ、酸素マスクをつけられた姿。 生きているのか死んでいるのか、 数値だけが表している。
りうらは椅子に座り初兎の母に連絡をした。
震える声で状況を伝えた。 泣きながら何度も詰まりながら
電話の向こうで泣き崩れる初兎の母。
通話を切りまた、初兎の顔を見つめる。
⚀𓂃⸝⸝
3日がすぎた。4日目の朝、 モニターの数値が安定域に入った。 と医師が言っていた。 初兎は生きてるんだ。
ここはっ、、?
どこや、?
おれ、死んだんかなっ、
「 こっちには来るなッッッッ!!」
振り返るとそこには亡くなった親友がいた。
⚂𓂃⸝⸝
「 くるなッッ!! 」
「 戻れッ!今すぐに!お前はまだ死ぬなッッ! 」
そう言われ生きる道を選んだ。
まぶたが動いた。
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
声がでーへんっ、
⚀𓂃⸝⸝
りうらはナースコールを押す
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
次の日。俺はりうらよりも早く起きた。
ベットから降り車椅子に乗り、中庭へ向かう。
寝転んで空を見上げる。
車椅子を置いて
⚂𓂃⸝⸝
俺は目を覚ました。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
昨日一緒に寝たのに、
いない、
個人のドアは開いている。 点滴スタンドもない。 シーツが乱れてる。
病院のスリッパをひっかけて走った
冬の朝日が差し込む中庭。 枯れた芝生の先に、車椅子が1台。 初兎のだった。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
車椅子には誰も座っていなかった。 一瞬膝が折れかけた。 車椅子を置いていったってことは 自力で歩いたってことだ。 事故で全身を強打した体で。
⚀𓂃⸝⸝
裏庭のフェンス際。 そこに初兎がいた。 足元には血の滲んだ包帯。 無理に歩いた代償だった。
何も言わず車椅子を近くに持ってきた。
⚀𓂃⸝⸝
空を見上げる初兎。 その横顔があまりにも静かで、怒りが霧散した。 代わりに胸を満たしたのは恐怖だった。
ここにはいないみたい、だと思った。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
初兎は手話で伝えてきた。
⚀𓂃⸝⸝
手話なんでいつぶりだろう。
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
無理やり喋ろうとする初兎。
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
車椅子に初兎を乗せ、 病室に戻ろうとする。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
りうらがトイレに行った時。 "チャンス"だと思った。 車椅子を置いて走って病院を出た。
⚂𓂃⸝⸝
トイレから出た俺は車椅子に座る初兎を探す。
だが車椅子だけしか見つからない。
⚀𓂃⸝⸝
さっきと同じ、? さっきの血まみれの包帯の足で歩いた?
俺は走って追いかける。
行かなければならないところがある。
どんなけ体が痛くても進まなければならない。
電柱にもたれ掛かる。
足が動かないっ、
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
りうらが手首を掴んできた。
手を振りほどいて言う。
⚂𓂃⸝⸝
そう手話で伝え歩き出す。
⚀𓂃⸝⸝
着いた場所は親友が眠っている墓だ。
着いた時には俺の体はボロボロだ。
⚂𓂃⸝⸝
親友に話しかける。 だけど相手は返してはくれない。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
俺はいつの間にか泣いていた。
もちろん返信は返ってこない。 当たり前だ。 墓石は何も語らない。
⚂𓂃⸝⸝
そう泣き叫ぶ
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
そのまま俺は目を閉じた。
起きたらそこは病院だった。
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
違う。本当は別れたくない、
だけどこんな俺と一緒にいたらりうらが傷つくだけ。 そう思い別れを告げた。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
突然別れを告げられた。
⚀𓂃⸝⸝
俺は即答で答えた。
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
顔を上げて初兎の顔を見た。 今にでも泣きそうな顔だった。
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
俺の幸せは初兎と他愛ない話で笑うこと。
もう十分幸せなのに、
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
その思いは伝わらなかった。
考えた上。OKを出した。
最後に
⚀𓂃⸝⸝
その言葉を言って病院を出た。
それから半年が過ぎた。 初兎は完治した。
初兎はホストを辞めた。
それなら服の系統、髪型、アクセサリー、 全てが変わり別人になっていた。
第2の人生を生きようときている。
そして憧れだったカフェの店員を初めた。
カランカラン
この音はお客さんが入ってくる音。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
取引先の会社の近くのカフェに寄った。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
この店員見覚えがある感じがした。
でも違う。 髪型が違う。雰囲気が違う。
注文をしパソコン開ける。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
あの店員さんと女の店員さんが仲良く笑ってる
気になって仕方がない。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
コーヒーの入ったカップを持ち上げた。 そこにメモが置いてあった。
開くと、
久しぶり 元気にしとった? そこに入っとるお金迷惑かけた分と ありがとう貯金してた分。 自由に使って。じゃあね
この字には見覚えがある。 初兎の字だ。
「 じゃあね 」 いつもそう。 一方的に終わらせようとする。
そのメモを持ち帰った。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
あの店員はずっと笑顔だった。
りうらがこのカフェに1度訪れてから もう2ヶ月が過ぎている
同期の女店員
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
これはただの世間話。
何も無い何も無い
同期の女店員
スマホの画面を見せられた。
同期の女店員
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
投稿に目がいった。
1つ目の投稿は りうらがスーツ姿でメガネをかけている
2つ目は、、 ここのカフェの前の写真とレシートだった。
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
カフェの仕事が終わり締め作業中…、
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
同期の女店員
カランカラン
振り返るとりうらがいた。
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
俺は裏に入り自分のカバンからさっきコーヒーの入れた缶を取り出した。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
同期の女店員
⚀𓂃⸝⸝
なんて答えるんだろう、
胸がズキズキするなぁ、
⚀𓂃⸝⸝
やっぱそうよな、
まだ好きとか言えないや、 俺が振ったんやし 相手も今俺のことどう思ってるか分からんし、
同期の女店員
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
りうらがドアノブに手をかけた時、
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
泣くのやめ1番輝く笑顔だった
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
膝をついて指輪を出す。
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
⚀𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
同期の女店員
⚂𓂃⸝⸝
⚂𓂃⸝⸝
同期の女店員
りうらは嬉しさと照れで 誰にも見せたことの無い顔をしていた。
店の時計はとっくに営業時間外だ。 だが、もう少しだけ。もう少しだけ、 この店は開いててもいいだろう───────
_𝐞𝐧𝐝_
𝚂𝙷𝙸𝙾𝙽。
死ぬかと思った、
ちなみに最後ENDまで含め
びっくりしたわ
シーンは、
????
すごいね(((
こんな書いたの初めてだわ笑
3日で書き終えた。
天才といえ!!!
こんな頑張った俺に いいねと感想のコメント待ってる、
𝚂𝙷𝙸𝙾𝙽。
んーてことで!終わる!ばばい!
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