俺にしか見えない君へ

君は苦しそうに笑った

何を意味しているのかわかった

ねぇ、もう時間が無いんやろ？

あぁ、視界が歪んでぼやけてく…

聞きたくない…

聞いたら現実になってしまう気がする…

段々と意識が遠のいていく…

なんやねん

これでもう会えない見たいな言い方

いやや、まだここに居たい

睡魔のような眠気が

容赦なく襲ってくる

なんで、過去形なん？

俺は今でも大好きなのに

それでも、勝てなかった

薄れゆく意識の中で

まぜ太に

届くかわからん声で…

あの日一目見た時から

ずっと好きでした…

こんな俺を

好きでいてくれて

ありがとう

またな

またねと言ったら

また、どこかで会える気がした

さようならとは言いたくなかった

それを最後に俺の意識は途絶えた

くらい

あぁ、あれから

どのくらい経ったんだろう

それとも俺は死んだのか…

誰もいない

無音だ

みんなはどうしてるんだろう

あっきぃは？

あっとは？

けちゃおは？

ちぐは？

元気だといいな

そんなことを考えてたら

不意に遠くで

声がした

________

________

上手く聞こえない

なんて言ってるんやろ？

________け

______すけ

______のすけ

聞いたことのある声

_ーのすけ

ぷーのすけ！！！

目覚めると

そこは

病院のベッドの上だった

みんな泣いていた

あぁ、そうだった

俺、登校途中に

バイクに轢かれたんやった

なにか忘れてる気がする

とても大切で

"愛しい"

と思ってたひとを