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はは!
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左腕、
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める(つなまよ)
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その時見たのは、くらい記憶。
お前なんか居なくなってしまえばいい。 おまえなんか、おまえなんか。
だれかがそう言った。 その言葉は、木霊する様に、記憶へと残った。
今もまだ、ずっとそう言われている気分になる。
このまま、夜に溶けて消えてしまえればいいのに。
そう、ずっと願っていた。
はっと目を開けると、そこは見慣れた天井だった。 そばにあったスマホを手に取る。時刻は午前7時をすぎていた。 クラスメイト達からもらった星柄のカーテンから、朝の木漏れ日が差し込んでいる。
桜は、自分の全身が汗でびっしょり濡れていることに気づいた。何か悪い夢を見たことを覚えてはいたが、それが一体どんな夢だったのかは思い出せなかった。
桜
汗の気持ち悪さ、喉の渇きを覚えて、おぼつかない足でキッチンに、それから風呂場に向かった。
さっと服を脱いで、シャワーを全身に浴びる。気持ちの悪かった汗が流れて少しだけすっきりとした気分になった。
浴室から出て、適当なタオルで乱雑に髪や体を拭いた。少し湿った髪からは、水滴がぽたりと落ち、室内を濡らす。 この家にはドライヤー等という高価なものはないので、濡れた髪は放置することにした。
桜
とは言っても、覗き込んだ冷蔵庫にはすっからかんで、自分は料理も得意ではなかったので選択肢は二つにひとつなのだが。
桜
今日はポトスかサボテンか、あそこのコロッケ屋さんもいいなと、桜は考えを巡らせる。
先ほどシャワーを浴びたばかりの髪は、完璧だとは言えないがほとんど乾いていた。 緑色が象徴の学ランに腕を通して、 身軽な格好でドアノブに手をかけた。
蘇枋
開けた瞬間に声がした。それも聞き覚えのある声が。
おそるおそるドアを開けると、そこにはシャラリとピアスを揺らし、赤い隻眼の瞳をまん丸にした蘇枋が立っていた。
桜
桜は困惑した。何故蘇枋がここにいるのか。 もしや自分が覚えていないだけで約束をしていたのか?最近さらに物忘れが酷くなった気がしたしと、ひとり悩み混んだ そんな桜に蘇枋は声をかける。
蘇枋
蘇枋
柔らかい同作で首を傾げ、所謂上目遣いとやらを蘇枋はしてみせた。
桜
急激な甘い雰囲気に、桜の恋愛センサーは反応しまくり、全身がこれでもかというほどに赤く染まり上げた。
蘇枋
蘇枋はずるい聞き方をした。 優しい桜が蘇枋の好意に迷惑だ。なんていうわけがない。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
甘く、チョコレートが溶けてしまうほどの瞳の温度で蘇枋は笑う。 その瞳に、姿に、桜はまた顔を赤くした。
ある意味蘇枋といるだけで体力を消耗した。 そのせいか、桜のお腹からは、ぐぅぅと情けない音がでた。
蘇枋
蘇枋
桜
桜は、反射的に腹を抑え、蘇枋を睨みつけた。そんな物で蘇枋はたじろぎもせず、とりあえず何か食べに行こうかと先頭を進み始めた。
桜も、腹の減りと朝から怒鳴る気もないのか、大人しく蘇枋の後ろをついて行った。
風鈴の優しげな音が辺りに響き、 商店街に入ると、美味しそうな匂いが鼻奥をくすぐり、また腹の音がなりそうになった。
商店街の活気づいた声を聴きながら 蘇枋の後を追った。
蘇枋
蘇枋
あれもいいこれもいいと、桜は眉間に皺を寄せる。
蘇枋
桜
生憎、食べ物のことでいっぱいいっぱいだった桜の脳は、蘇枋の甘い言葉を認識していなかった。
蘇枋
先程まで、柔らかい顔をしていた蘇枋は、気づけばいつもの胡散臭い顔をしていた。 不思議に思っている間もなく、蘇枋は桜の頭を軽く撫でて、ポトスへと歩いていった。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
蘇枋はあかい目を細め、いたずらっ子みたいに笑って見せた。 あんまり見ない蘇枋の表情に、心がどきんと高なった。思わず胸を抑えたが、よく分からず顔を傾げる。 桜くん?と優しく自分の名前を呼ばれ、桜はやっと1歩を踏み出した。
きえてしまえ
うるさい。
さっさといなくなってほしい。
うるさい。
この悪魔
化け物
うるさいうるさいうるさい
蘇枋
はっと目を開けた時、桜が目に入ったものはあかい瞳。思わず辺りを見渡し、この場が教室であることを思い出した。
ポトスにいって...そこからどうしたのだろう。桜は大体の予想を立てた。あの後学校へいき、授業が始まった途端につまらなさからか、机にうつ伏せて寝てしまったのだろう。桜は大きくはぁ、と呆れた様なため息を着く。
蘇枋
蘇枋
心配げにこちらを見るあかい瞳と目が合った。白くて桜より少し大きな指が、汗でぺっしょりとしている前髪を払った。 突然手を伸ばされ、思わず目を深く閉じたが、思っていた衝撃はいつまでも来ず、優しく触れられる。
蘇枋
桜
蘇枋
辺りはすっかり暗くなっていて、 教室には茜の斜陽が差し込んでいた。 はるかが眠ってからどれほど時間が経ったのだろう。教室には蘇枋と自身のふたりきりだった。
蘇枋
蘇枋
自分以外に向けられた甘い言葉に耳を貸したくて、言葉の途中で口を挟んだ。なんだかいたたまれなくて蘇枋の赤い瞳から目を逸らした。
桜
蘇枋
桜
桜
うんざりしてた。他人の色恋なんて聞いていても得なんてひとつも無い。 いや、そもそも誰かの話など、聞いたところで、なにか得したことなどあっただろうか。 考え事をしている間にも、蘇枋は口を閉じなかった。
蘇枋
聞いても無駄だと、桜は足速に教室を後にした。ここまで愛想がなければ追いかけてこないだろうと。そう踏んで
蘇枋
考え事でもしていたのだろうか。俯きながら、後ろを少しでも見ずに早歩きで歩いていた彼の腕を掴んだ。その瞬間に、桜の肩がビクリと動いたのを蘇枋は見逃さなかった。
桜
蘇枋
お願いだから聞いて欲しい。そう真剣に彼のふたつで違う色の瞳を見つめた。 結局折れたのは彼だった。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
はぁ、と大きくため息をつき、イラッとした目でこちらを睨んできた。 流石にここでふざけるのは良くなかっただろうか。けれど、それほど彼の表情は切羽詰まっている様に見えて、少しでも馬鹿らしい事で笑って欲しかった。 怒らせてしまった様だけれど。
蘇枋
桜
心にもない返事を聴きながら、蘇枋は話を止めなかった。
蘇枋
蘇枋
蘇枋は、さき程桜がしていた反応を思い出す。固く目を閉じ、何かを耐える様な顔を
桜
蘇枋
何が言いたいか分からないと、苛立っていた瞳が、まん丸に見開かれた。綺麗な琥珀色と、黒曜石の様な深みを持つ2色で違う色が。
彼が呆気に取られている間に、蘇枋は優しく頬を包み込んだ。彼の持つ恐怖が、少しでもなくなりますように。そう願って
蘇枋
桜
あかい瞳から逃げられなかった。 頬から伝わる少し高い体温からも、 体が咄嗟に動かなかった。 ぼーっとここまで歩いてきて、やっと現実に戻ってきた。ふと、気になったことを口に出すと、蘇枋は少し眉をひそめた。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋は自分の愛しい恋人を思い出す。 彼も自分に対して卑屈なところがあるけれど、貰った言葉や、物は素直に受け止めていた。 けれど、彼は貰った物も、言葉も、簡単に受け止めようとはしなかった。 商店街の人や、クラスメイトから貰ったものをどうしたらいいか分からないという顔をしていた。きっと普段ならいらないと突き返しているだろう。 桜くんの代わりをしている彼は、そうはしなかったけれど。
桜
蘇枋
そこからしばらく沈黙が流れた。お互い、なんていえばいいのか分からなかったのかもしれない。 いつものふざけ合って、煽りあっての言葉はひとつも出てこなかった。
桜
桜
蘇枋はただ静かに、桜遥の独白を聞いた。 時々眉根を寄せながら、何を想像したのか悔しそうな顔も、時折していた。
桜
桜
蘇枋
桜
桜
ものが残れば自分がいたという証が残ってしまうから。 桜は、ポツポツ昔あった自分のことを話した全部では無い。昔話のほんの一部。それをほんの少しだけ
桜
桜
蘇枋
蘇枋はしばらく言葉に迷った顔をしていた。出てきたのは小さな、小さな言葉で、うっかり空気に溶けてしまいそうな、そんな弱い言葉
桜
意外と律儀、だなんて言葉は、今の蘇枋からは出てこなかった。普段なら喜んでからかってきただろうに。
蘇枋
桜
桜がふたつで色の違う瞳をゆらした。 迷子の子供のようだった。 あかい夕焼けがてらてらと当たりを1面赤色に染め、世界の終わりを思わせる色だった。 けれどこのあかを、桜は優しい色だと知っていた。誰かの瞳のように。
蘇枋
桜
急に伸びてきた手が、桜の手を掴んだ。 恋人繋ぎ、とは違う普通の手繋ぎ。 先程頬に当てられた体温を感じ、 体が少しあつくなった
蘇枋
蘇枋
否定は出来なかった。はるかに見つかってしまったらまずいから、見つかる前に遠くの方へ捨ててしまうかもしれない。 自分が持っていてもどうせいつか消える身だから。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
わるい大人のする顔だ。 けれど桜が知っている大人たちではなくて、 いたずらっ子の様な顔。 伝わる体温があたたかくて、心地よくて、ここから抜け出せなくなりそうだった。それが酷く怖かった。
自分の心臓は幾らか早く鼓動して、 頬が少し火照った。 ほんとたらしだ。この男は
桜
蘇枋
桜
桜
蘇枋
蘇枋は思った。 桜くんは、今はたくさんの愛情を受けている。級友や、商店街、本当にたくさんの人に。それなら彼は?今子供のように視線を彷徨わせた彼は、一体誰があいしてくれるのだろうか。彼の存在を、誰か知っている人は居ないのだろうか。いるわけが無い。彼は自分の存在を隠し通しているのだから。彼が別人だと見抜いた蘇枋いがいに。
そう考えると、なんだか彼を抱きしめたくなってしまった。 けれど自分は彼のたいせつなものには入っていないだろうから。そこまで触れることはゆるされていないだろう。 だから彼が少しでも迷ってしまわないよう、どこか遠くへ行かないよう、つなぎ止めた。
桜
桜
蘇枋
お互い軽口を叩きながら、帰路を辿った。 赤い夕陽は、すっかり沈んで暗くなった。
コメント
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今回も素敵なお話ありがとうございます✨ 更新待ってましたー!! 今回はもう1人の桜君と蘇枋さんの距離がぐっと縮まりましたね💞 二人の関係が良い方向へ進むことを願っています🙃 桜くんの過去がつらすぎますね😢 でもそれはもう1人の桜君も同じ…二人ともが幸せになれますように🙏 暑い日が続いておりますので、どっかの誰かさん。もご自愛ください🙂↕️ 続き楽しみにしてます🍀

皆様本当にお久しぶりです🙇🏻♀️ 前に投稿してから気づけばこんなに時間が立っていました😔 大半の人がこいつ誰だなんて思っているかもしれませんね笑 今回は少し長くなってしまったのと、久しぶりに書いたので話が色々とごちゃっとしてしまっていると思いますが、最後まで読んでいただけると私が喜びます😊✨️皆様本当最近暑いので熱中症にはどうか気をつけてくださいね🙇🏻♀️皆様の近状も良ければお聞かせください🙌
はわわっ第3話読み終わったよ〜!!🌸✨ 蘇枋の「顔が見たくて」とか上目遣いとかずるすぎるでしょ…!😭💕 桜くんが真っ赤になるの分かる〜!! でもそこから桜くんの過去のトラウマ「消えちまえ」の話が出てきて、一気に切なくなった。人の温かさを知って欲しいって手を繋ぐ蘇枋、優しすぎるよ…。大切なものになれないって思ってるのがもう胸にくる。 はるかじゃないこの桜くんにも、ちゃんと愛が届きますようにって祈りながら読んだよ。続きめっちゃ気になる!!