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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

七緒

___ねぇ、俺今日、誕生日なんだけど。

12月18日、10時半。 本日の主役、『晴川七緒』は、唐突に口を開いた。

近くで携帯を眺めていた『兎山暁』は、七緒を一瞥し、小さく溜息を吐く。

………そうか。

七緒

それだけっ!?

暁の口から発せられた言葉は、 何とも薄情なものであった。

まさか七緒も、誕生日にこんな言い様をされるとは思っていなかったのだろう。開いた口が塞がらないとは、まさにこの事であった。

七緒

いやいやっ、俺、誕生日、だよ!?

七緒

「生まれてきてくれてありがとう、I love you.」は?

誰が言うか、そんなこっ恥ずかしいセリフ…………。

若干頬を赤らめながら、 暁は呆れた視線を七緒に送る。

そんな暁からの視線に気付いたのか、七緒はそっと目を逸らした。

七緒

む〜………。

七緒

0時ぴったりに、メッセージを送ってくれたのは嬉しかったけど………。

七緒

もっと盛大に祝ってくれても良かったんだよ?
ほら、パイ投げとか……。

されたいの?お前。

七緒

え?やだけど。

七緒はそう言って、頭を横に振る。

「何なんだよ…………」と呟く暁には目もくれず、諦めた七緒は自分の手元に視線を移した。

七緒

…………んっ?

暁からのメッセージ。5秒前。

刹那、後方から爆発音がした。 ………………気がした。

七緒

…………えっ!?

七緒

な、何!?なになに!?

…………七緒。

七緒

へ?なんっ___

べしっ。

突然、 視界が真っ白に埋め尽くされた。

混乱が止まらない七緒の周りで、可愛らしい笑い声が聞こえる。

甘い匂い、甘い味。 七緒の顔に思いっきりぶつけられた「それ」が、“パイ”だと言うことに気付くのに、そう時間はかからなかった。

七緒

…けほっ………。
………んんっ!なに………、

………ははっ、パイ投げ!

目を擦り、口に入ったパイを飲み込む。

段々と見えやすくなってきた視界の先で、子供みたく微笑む暁の姿が、其処にあった。

七緒

………!
まさかっ、

誕生日なんだ、
……メッセージだけで終わりなワケ無いだろ?

皆、この日の為に準備してきたんだ。
今日は寝かせないからな。

七緒

……!
上等ッ……♪

七緒

あと1時間…、…とちょっと!サイッコーに楽しんでやるからね!!

fin♪

12/18 晴川七緒 生誕祭 (力尽きた)

七回転生した馬鹿の部屋

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