お母さんが死んで3年が経つ。
私は、今日も家事の追い込みだ。
けれどお父さんが、ガンになったと分かってから
お父さんの食欲も減り、今にも死んでしまいそうだ…
お父さん
真由。話があるんだが。
真由
ん?なに〜?
お父さん
お父さんな。結婚しようと思うんだ。
お父さん
でもな。
真由
え?!そ、そんな。
お母さんは?愛してるんじゃないの?
もう数年たったからいいって言うの?!
お父さん
いやっ。そういう訳じゃないんだ
もちろんお母さんのことは、愛している。
お父さん
彼女に頼っているうちに、好きになってしまったんだ。
真由
わかんない。全然わかんないよ!勝手にして!
私は、怒りに任せてドアをとじ
立ち尽くした。
お父さんからのお母さんへの愛情は
そんなものだったのか。
私は、イライラが落ち着かなかった。
ついに、義理の母がやってくる日になった。
私は、もちろんおめでとうの一言も言っていない。
お父さんが義理の母が好きになる理由が何となくわかる。
雰囲気が似ているのだ。
でも私は、義理の母に挨拶もすることなく
3にんの気まずい生活が始まった。
真由
何してるんですか?!
勝手にやらないでください!
義理の母
ご、ごめんなさい。
でも、真由ちゃん忙しそうだから。
真由
うちにはうちのやり方があるんです!
家事は、全部私がやりますので!
義理の母
わかったわ。色々教えてね。
気まずい生活も問題だったが、もっと問題なのがお父さんだ。
義理の母が来てからすぐに性格が豹変した。
いつも怒鳴ってばかりいるのだ。
お父さん
飯はまだか!!
義理の母
ちょっと待ってください。
すぐ作りますので。
真由
お父さん…ちょっと待ってよ!
病院行っってたんだよ!?
お父さん
そんなの関係ない。病院なんてすぐ終わらせられるはずだ!
真由
病院だって待たされることだってあるでしょ?!
日々怒鳴っているお父さんだ。
だからなのか、何かと相談を義理の母にしていた。
恋愛の事、勉強のこと…
いつしか、私の話し相手は、義理の母になっていた。
義理の母
いいのよ。真由ちゃん。
私が悪いんだから。
真由
………
そして数年が過ぎ、お父さんは帰らぬ人となった。
命日には、お父さんの好きだった、ひまわりをおそなえしている。
真由
なんでなのかな?
義理の母
どうしたの?
真由
いや。どうして、あんなに性格が豹変したのかな?
前はあんなに優しかったのに…
義理の母
お父さん、私と真由ちゃんを仲良くさせるためにわざと暴力を振ってたんじゃないかな?
真由
え?!
義理の母
真由ちゃんと私の両方に暴力を振るえば、自分が2人の敵になって、同じ敵を持つ同士、仲良くなるって考えたんじゃないかな?
お父さん。真由ちゃんと私がちゃんとやって行けるか、心配だったのよ。あの人が私と結婚したのは、自分に妻が欲しかったんじゃなくて、真由ちゃんにお母さんが欲しかったんじゃないかな?もしかすると、自分は、長くないって思ってたのかもね。
真由
お父さんがそう言ってたの?お義母さんと二人きりの時は、優しくしてくれたの?
義理の母
言ってないわ。それにわたしと2人きりの時もあんな性格だったわよ。あの人不器用だから、性格を使い分けるなんて出来なかったのよ。
その時父の顔が浮かんだ。私に頭を下げて再婚を許してもらおうとした父の姿だ。あの時私は、父をなじってしまった。
それに義母が来た時の私の態度…
父はそれで、私と義母の関係を心配したのだろう。
父におめでとうって言ってあげればよかった。
真由
お父さん…ゴメンね。私、馬鹿だった。
素直になれなかった。
やっぱり馬鹿だよ。お父さんが好きになった人なら、私も好きになるってわからなかったの?瞬間的に報われることがあっても、私、お父さんのことが大好きなんだから。もっともっと話したかったよ。お父さん大バカだよ。