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まだ、私たちが籠の中の鳥だった頃

第9話 - 異変

2023年09月04日

#創作

ホルマリン

ゆうま

...

青木先生

ゆうまさん...

皆川先生

失礼します

青木先生

あの、ゆうまさんは...

皆川先生

はい、熱は38℃

皆川先生

少し息苦しそうですね

皆川先生

呼吸も荒い

皆川先生

疲れが溜まったのでしょう

皆川先生

恐らく大丈夫です

皆川先生

最近ここに来た子なのでしょう？

青木先生

はいっ

青木先生

確か1週間前ですね

皆川先生

急な環境の変化で疲れやストレスが溜まってしまったのですね

皆川先生

しばらく安静に休んでいれば良くなると思います

青木先生

はい...

皆川先生

先程薬を飲ませましたので

皆川先生

あとは部屋に戻して寝かせた方がいいでしょう

皆川先生

その方が落ち着きます

青木先生

はい、わかりました

皆川先生

あ、今担架を用意しますね

青木先生

ありがとうございます...

皆川先生

では、僕はこれで

青木先生

はい、ありがとうございました...

青木先生

...

青木先生

ゆうまくん...

青木先生

どうして周りの子に言わなかったの...

青木先生

誰にも頼れなかった...？

青木先生

サラさんや

青木先生

ミサキさんもいたじゃない

青木先生

最近来たベルさんだって...

ゆうま

...も、、

青木先生

ゆうまさんっ！

ゆうま

だれ、、...も

青木先生

...

ゆうま

誰にも...頼れなかったわけじゃないんです...

ゆうま

ただ...

青木先生

うん...？

青木先生

ただ...？

ゆうま

...ただ

ゆうま

心配させたりとか...

ゆうま

したくなかったから...

青木先生

...

ゆうま

迷惑...かけたくなかった...

ゆうま

先生にも...

青木先生

ｯ...

青木先生

誰も迷惑だって思わないですｯ

青木先生

誰がそう思うもんですかｯ

青木先生

心配して当たり前ですｯ

青木先生

だって大切な...

青木先生

大切なｯ教え子ですものｯ

青木先生

早乙女先生だって、

青木先生

サラさん達だってｯ

青木先生

迷惑だって思いませんｯ

青木先生

心配は...誰でもしますよ...

青木先生

大切な人なら...尚更...

ゆうま

...先生

ゆうま

ごめんなさい...

ゆうま

何も言わなくて...

青木先生

全くです...

青木先生

心配したんですから...

青木先生

もう...絶対に

青木先生

無理しないでくださいね...

ゆうま

はい...先生...

青木先生

あとはゆっくり休んで...

ゆうま

はい...

ゆうま

ありがとうございます...

青木先生

おやすみなさい、ゆうまさん...

ゆうま

...

青木先生

...

ミサキ

あっ、青木先生っ！！

青木先生

ミサキさん...

青木先生

あ、そうでしたね

青木先生

ゆうまさんと同じ部屋でしたね

ミサキ

はい、

ミサキ

あの、

ミサキ

ゆうまは...

青木先生

今はぐっすり寝ています

青木先生

起こさないであげてください...

ミサキ

はい

青木先生

では、おやすみなさい...

ミサキ

おやすみなさい

ミサキ

...

ミサキ

...

ミサキ

ゆうま...

ミサキ

君...2時間目からずっと戻ってこなかったね...

ミサキ

そんなに具合が悪かったんだ...

ミサキ

なんで言ってくれなかったの...？

ミサキ

みんなとても心配してたよ...

ミサキ

...

ミサキ

早く良くなってね...

ミサキ

ゆうま...

ゆうま

...

ミサキ

...

ミサキ

おやすみなさい...

ミサキ

...

ミサキ

(結局今日もあまり起きなかったな...)

あれから1週間経った

ゆうまは朝の少しの時間だけは起きられるが

その後はほとんど寝てばかり

あまり食事も喉を通らない

顔色も悪い

熱も上がったり下がったりを繰り返してばかりだ

皆川先生にも言ってもう一度診察してもらったが、どこか悪いところも見当たらないらしい...

サラ

ミサキ〜！！！

ミサキ

サラおはよう...

サラ

おはようっ！

ミサキ

ベルとエルも

ベル

おはようございます！

エル

...

サラ

あ...

サラ

ゆうま、まだ具合良くならないの？

ミサキ

うん...

サラ

本当に大丈夫なの...？

ミサキ

分からない...

ミサキ

皆川先生にも調べてもらったんだけど...

ミサキ

何も...

サラ

そんな...

ベル

...心配ですね

エル

...

カオル

おはよう、みんな

ミサキ

あぁ、おはようカオル

カオル

今日も具合が悪いのか？ゆうまくんは

ミサキ

うん、そうなんだ

カオル

心配だな...

リョウタ

皆川先生になんて？

ミサキ

熱以外でどこも悪いところは無いらしい...

リョウタ

そうですか...

カオル

...

カオル

回復を祈るしかないね...

リョウタ

はい...

ベル

...心配です

サラ

そうね...

ミサキ

そういえばカオル

カオル

ん？

ミサキ

この前の怪我大丈夫？

カオル

あぁ...うん、

カオル

もうだいぶ良くなったよ

ミサキ

良かった...

サラ

...

早乙女先生

皆さん

早乙女先生

今日の授業は無くなりました

早乙女先生

しばらくの間業者が来るので

早乙女先生

授業は出来ないとのことです

早乙女先生

ですが

早乙女先生

休みだからと言ってはしゃがず

早乙女先生

有意義な時間を過ごしてください

早乙女先生

因みに休暇は3日間です

早乙女先生

ゆっくり過ごすように

早乙女先生

以上

サラ

ねね！！休みだって！

サラ

何しよう〜

ミサキ

こら、サラ

ミサキ

さっき先生言ってたでしょ

ミサキ

あまりはしゃぐなって

サラ

えぇ〜でもぉ

サラ

だって土日以外の休みだよ！？

サラ

めったにない事じゃない！

サラ

ほら、何する？

ミサキ

もう...

カオル

あ、僕らは図書館に行って読書をするから

カオル

またね皆

ミサキ

うん、

ベル

あ、私たちは部屋に戻ってお掃除します

エル

...うん

ベル

せっかくの休みなのですから

ベル

少し部屋を綺麗にしてから過ごしたいです

エル

...

ベル

あ、2人は何を？

サラ

え〜、私たち何をすればいいのぉ

ミサキ

サラも部屋を片付けたら？

サラ

えぇ、そんなにちらかってないわ！

サラ

いつも綺麗だもの

ベル

サラの部屋はとても綺麗だもんね

サラ

でしょぉ

ミサキ

...

ミサキ

じゃあ僕は...

ミサキ

中庭の庭園で本でも読んでようかな...

サラ

えっ、じゃあ私も！

ナツミ

サラ

えっ、

サラ

あ

ナツミ

今日はわたくしと

ナツミ

花壇の手入れをする約束でしたわよね？

サラ

えっ、そうでしたっけ？

ナツミ

はい

サラ

😅

サラ

すっ、すぐに準備してきますっ！！

ナツミ

はい

ナツミ

早急に

サラ

はいぃっ

ミサキ

...

ナツミ

ミサキさんあなたもどうです？

ミサキ

いえ、近々またテストがあるので勉強してようかと

ナツミ

そう、残念ですね

ナツミ

では、ごきげんよう

ミサキ

はい、ごきげんよう...

ミサキ

...

ミサキ

はぁ、相変わらずナツミさんと話すと緊張するな...

因みにナツミは唯一の9年生

ここのハウス兼学校は

まだ幼い乳児から約中学2年までの年齢の子達が暮らしている

しかし、ナツミは例外で現在約中学3年になってもなお、ここのハウスで過ごしている

つまりこのハウスでは年長者

ミサキ

よし、中庭に行こう...

ミサキ

...📕

ミサキ

...

青木先生

あら？ミサキくん？

ミサキ

青木先生...

青木先生

折角の休みなんだから

青木先生

もう少し羽根を飛ばしてみたらどう？

ミサキ

いや...もう少しでテストなので...

青木先生

...

ミサキ

...テストでいい点を取り続ければ、

青木先生

早くここからでやらるものね...

ミサキ

あっ、はい

青木先生

でもその前にあなたに合う里親を見つけなきゃね

青木先生

多分そのうちあなたに面談があると思うわ

青木先生

そんなに焦らなくても大丈夫よ

ミサキ

...はい

ミサキ

...

青木先生

...っ

青木先生

ご、ごめんなさいねっ

青木先生

勉強中に、

ミサキ

いえ、大丈夫です

ミサキ

お気になさらず

青木先生

そ、そう

青木先生

じゃあ、素敵な休日を過ごしてね

ミサキ

はい、ありがとうございます

ミサキ

...

サラ

...

ナツミ

どうかしたのかしら？

ナツミ

何か悩み事でも？

ナツミ

わたくしで良ければ何か話してご覧なさい...？

サラ

あっ、いえっ

サラ

悩み事っていうのはないんですけど...

ナツミ

では、なぜそんなに悩ましい顔を？

サラ

えっ、悩ましい顔してますかっ！？

ナツミ

えぇ、見てみる？

ナツミは胸ポケットから小さい手鏡を取り出した

サラ

な、悩ましい...？

サラ

んん...

サラ

まぁ、そんな顔してると思います...多分

ナツミ

何かあったの？

サラ

何か...

サラ

そうですね、

サラ

ゆうまのこと...かもしれないです...

ナツミ

...

ナツミ

彼、1週間も前から体調が宜しくないのですってね

ナツミ

あまり、ミサキからは何も言われてないからそれくらいしか分かりませんけど

サラ

...

サラ

ゆうま...本当に...

サラ

ただ体調が悪いだけなのかな...

まだ、私たちが籠の中の鳥だった頃

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