ロアの過去＿｢後編｣

見ていても残酷だ…

酷い有り様だった…

ハルは、色んな人を殺した

実の親、同級生、大人、先生

計11人程…

｢はぁ………｣

｢呆気ないよね｣

｢人が死ぬのって｣

脳裏に焼き付く…

“呆気ない”……

昔、俺の親を殺した奴も言っていた

しかしまぁ………まさか

それが“子”を伝って俺に思い出させるとは

人生はいつもおかしい

今まではつまらないしか思っていなかったが

改めて考える…

おかしいぐらいに変わっていたなと

｢この儀式の成功率は3%…｣

｢生き残れる確率は1%…｣

｢ただ…ずっと生きれるかは不明…｣

……驚いた

結構低い確率だったが…

随分運がいいんだな

一応そこそこ変わってるが

俺の場合気配で分かるんだよなぁ

それより…なんでハルが分かったのかが知りたいな

久々に見たな…その笑顔は

………というか

だろうな…

その前に…だな

いや…実際にはあるけど

……あの名前は捨てた

組織では呼び名で呼ばれている

まぁ名前は教えてなかったからな

…………恋人？

ルドは少し慌てた感じで、頬を染めていた

……これだから

子供っていうのは…

タッタッタッ

隠さなくてもいいのにな…

｢うｯ…ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ｣ ｢ｵｪｯ…ﾊｧﾊｧ｣

……だろうな

子供があんな事に耐えられるわけねぇし…

あの神社からここまでよく耐えられたもんだ

ゴクゴクッ

ウミは懐かしそうに目を細め

ニコッと微笑んだ

…これが“親友”なんだな

仲がいいのは良い事だ

人からの信頼も得られるしな…

家にハル達を招いて、数日後

ハル自身から、自分の事を話された

まぁ大体見ていて知っていたから…

全てに驚く事は無かった

ただ…

どう思っていたかは、予想出来なかったな

これだけしか、言えなかった

もっと言葉をかけたかった

けど、今の俺にはそんな器用な事出来ない…

ただ……

どうして…俺は1人の子供に

夢中になっているのだろう

そんなの…無視すればよかったのに

いつの間にか…

こいつらを見ていた

素直だな…(笑)

一日後

ガチャ

なるほど…

……知らんけど

考えるより飯だな

ていうか…あの牙…？

大丈夫かあれ……

予想で吸血鬼だとは思うが

まぁ…大丈夫か

あの後、2人はハルをちゃんと受け入れ

種族で差別をするというのも無かった

ただ…種族と言っても

色々ありすぎて

何があいつと混ざってるのかはわからない

今見てとれるのは

獣人、吸血鬼、悪魔、人間

また、他にもあるかもしれない…

例えば、サキュバスとか天使、死神もありえる

本当に様々な種族が混じってる…

もしかすると、全ての種族が混じってる可能性もある

………不思議だな

どうして俺が1人の子供なんかに…

………そんな事はどうでもいいか

このまま…

静かに暮らせればいいんだけどな…

..................

まぁ……

そう甘くは無いか

俺は決めた

今後。

俺はあいつらを守る

守って…助ける

守り抜いて…

同じ過ちを、繰り返さない

ロアの過去＿

ありがとうございました。