※物思いにふける時間が必要だと思うので 時間がある時に読む事をお勧めします。
主
主
ーあぁ、本当に来たんですね。
ーてっきりもう来ないものかと思っていました。
ーさて、覚悟は十分でしょうか?
ー序章として、少しだけ、考察要素を授けましょう。
ー前回、"彼視点"の話は登場しませんでしたよね。
ー感動をさせるなら、"彼視点"の方がいいはず。 …なのに、なのになぜ、
ー何故、視点は別の方だったのでしょう?
ーまるで、主人公が変わっているかの様ですね。
ー…はい。以上です。
ーでは、行ってらっしゃいませ。
ー夢は、覚めるものですよ。
ほとけ
ほとけ
目を覚ますと、自室のベッドにいた。 さっきまで、死のうとしていたはずなのに。
ほとけ
僕、失敗したんだっけ。
ほとけ
そこから、僕は違和感を覚えた。
ほとけ
ほとけ
……あれ、
ほとけ
ーそうか、救われるはずないよな。 全部全部、僕のー…ただの、夢だった。
夢だった、のか。
ほとけ
ほとけ
…聴いてないよ、w
ぼーっと天井を見つめる。
ほとけ
死のうとした所まではー……いや、違うか? 助けて貰えてないとしたら…
死のうとした後、…、あ、れ?
コンコン、とドアを軽く叩く音がして。
ほとけ
ドアを開けて入って来たのは、 見知った友人で。
しょう
ほとけ
しょう
ほとけ
ほとけ
ないこ
しょう
しょう
ないこ
ないこ
なにも、ないんだよ。
しょう
しょう
しょう
しょう
ないこ
しょう
しょう
しょう
まだ、いてくれてるんじゃないか、って …ずっと、期待していた。
話しかけたら、来てくれるんじゃないか、 笑ってくれるんじゃないか、って。
じゃなきゃ、どうなってもいむくんが報われない。
話の結末は、全部、俺の作り物だったのだ。
幸せでありたかった妄想で、 一緒にいたかった世界で。
現実は、そんなに簡単じゃないのに。
ー実際はこうである。
しょう
ほとけ
ほとけ
…そう、もう違和感があるはず。 いむくんは、心を開いてはくれなかった。
しょう
ほとけ
しょう
言うしか無かった。一か八かの賭けだった。
ほとけ
しょう
しょう
最後、本当に最後だと思ったから。 …でも、口を開いたいむくんは。
ほとけ
冷たい言葉を吐き出した。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
しょう
固まった僕を溶かしたのは、 ないこさんの言葉。
ないこ
ほとけ
もう嫌だってば!!!!
ほとけ
ほとけ
全然違うんだよっ!!!!
ほとけ
ほとけ
そこまで言ったいむくんは、 歩道橋の手すりにまた軽く乗る。
しょう
しょう
急いで手を伸ばした。 ーそれが、いけなかった。
伸ばした手をいむくんが掴んで、 胸へと引き寄せる。
ほとけ
とん、っと僕の手で胸を押すと、 いむくんは、逆さまになって、 静かに車道へと落ちていった。
…僕は、自分の手で、いむくんを殺したんだ。
しょう
ないこ
しょう
ずっと、助けたかったのに。
ずっと、友達のはずだったのに。
なんで、なんで。
ーなんでよ。
なんで、いないの。
しょう
…僕は、固まって動けなかった。
ー僕が、殺したんだ。
主
主
主
主
主
主
誰一人いなかったのに。
主
主
主
主
主
ープツンッー
ーさて、どうでしたか? これが真相です。
ー勿論、物語の結末もこれです。
ー彼が殺しましたし、彼に殺されました。 …え?物語として最悪だ、って?
ー作者の自我を出しすぎだと?
ー…まぁそうですね、そうかもしれません。
ー物語の結末としては0点でしょう。 でも、現実味でいえば100点です。
ー物語でこんなの、見たくはないですよね。 それは当たり前です。
ーですが、見るのを選んだのも貴方です。 そしてこれは、単なる夢物語、 貴方には関係ありません。
ーえ、私ですか?私は傍観者です。
ー貴方と同じ、助けはしない傍観者。 こんな物語を読んでしまうような、ね。
【この物語は、一部"ノンフィクション"です。】
ー通信が切断されましたー