授業中
なを
(それにしても、幻想世界って摩訶不思議だなぁ。)
李音
なを?上の空だけど…
先生
鈴木君?前を向きなさい。お喋りするのが好きだとしても今は我慢してちょうだい。
ワハハ
李音
ちっ。違うのに。
なを
なんかごめんね。私のせいで
李音
ううん。なをのせいじゃないよ。
先生
それでは教科書の65ページから。誰か読んで。
鈴葉
んー。終わったぁー。
なを
お疲れ様。小テストの結果どうだった!
鈴葉
赤点回避できたよ。あれ?李音は?
李音
ブツブツ…
なを
なーんか、さっきからこの調子だよ?
鈴葉
おーい、李音くーん?赤点でもとったの?
ドゴンッ!
なを
!?
ものすごく大きな音がして私は驚いた。
鈴葉
なを?どうしたの。
なを
今、すごく大きな音がした。強盗でもあったのかな。
鈴葉
大きな音?そんな音しなかったけど。
李音
ブツブツ…
なを
李音も聞こえたよね?今の音。ってあれ?
よく李音の姿を見ると制服ではない格好をしていた。
なを
李音?
鈴葉
なをも李音もどうしたの?さっきから変だよ。
なを
いやいや、変なのは鈴葉の方だよ。なんで音がしたのに気づかないし李音の姿も「変わってる」んだよ?
鈴葉
何言ってるの?なを。
なを
あれ。
瞬きをした一瞬で他の場所に来てしまった。
なを
ここ。
コトハ
私の領域内です。時間を停めました。
なを
貴方は…
見たことがある様な、ない様な不思議な空気をまとった人
コトハ
私はコトハと言います。幻想世界の住人のまとめ役です。
なを
コトハさん…。なんで私をここに?
コトハ
貴方と1:1で話したかったからです。時間も少ないですが。
なを
貴方が私を幻想世界の中に引き込んだんですか?
コトハ
いえ。初めは貴方が勝手に入ってきたと言っても過言ではありません。
なを
(い、言い方…)
なを
じゃあ、2回目は
コトハ
それもです。
なを
でも今は貴方が意図的にやったもの。
コトハ
はい。勘が鋭いですね。
ミシミシと音がした。
コトハ
おっと、空間が壊れますね。直球で言いましょう。
なを
何を…
コトハ
貴方は「人ではありません」
なを
え?
気がつくと、医務室にいた。
なを
(倒れたの?)
なを
コトハ…
「人ではありません。」