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高島

そっち今どこいる?

長谷川

近くの公園。高島たちは?

高島

俺らは駅の方にいるから別行動した方がいいな

高島

千夏にも伝えて

高島

今日はありがとな!

高島

じゃまた学校でー

長谷川 悠

は?

井上 千夏

どうしたの?

長谷川 悠

高島たちは駅にいるから別行動でって

井上 千夏

そ、そうなんだ

長谷川 悠

(何がしたかったんだあいつ…)

長谷川 悠

すごい人だな…みんな駅の方に向かってるし

井上 千夏

花火終わったからみんな帰るんだろうね

長谷川 悠

(足を痛めてる井上さんにはきついな)

長谷川 悠

しばらく時間潰してから帰ろうか

井上 千夏

う、うん。そうだね

長谷川 悠

どうした?足痛い?

井上 千夏

ううんもう足は大丈夫だよ

井上 千夏

それよりほら!見て!

井上 千夏

出店だいぶ空いてきてる!

長谷川 悠

花火終わって人が減ったんだな

井上 千夏

よかったら少し見に行かない?

井上 千夏

さっきあんまり見られなかったし

長谷川 悠

井上さんが大丈夫なら

井上 千夏

行きたい!

長谷川 悠

じゃあ少し見に行こうか

井上 千夏

うん!

井上 千夏

さっき混んでてできなかった射的も空いてる!

井上 千夏

やってもいい?

長谷川 悠

いいよ

井上 千夏

やった!

千夏はお金を払って銃を構えると

的に向かって引き金を引いた

点数札がパタンと倒れる

長谷川 悠

え、うま

井上 千夏

でしょー!

井上 千夏

私昔から射撃だけは得意なんだー!

次々と撃ち抜く千夏

長谷川 悠

すげー

屋台のおじさん

はい終わり!

屋台のおじさん

お嬢ちゃんすごいねぇ

屋台のおじさん

ここから景品選んでいいよ

井上 千夏

はーい!

井上 千夏

うーんどれにしようかな

長谷川 悠

あ、このキーホルダー

長谷川 悠

なんか井上さんに似てる

井上 千夏

そうかなぁ?

耳が垂れている茶色の子犬のキーホルダー

背景に花火も描いてある

屋台のおじさん

お!お目が高いなぁ〜!

屋台のおじさん

それ普段俺がやってるドックカフェのキーホルダー

屋台のおじさん

可愛くできてるだろー?

屋台のおじさん

嬢ちゃんの点数なら2つ持って行っていいよ

井上 千夏

え、ほんとですか!?

屋台のおじさん

うん、もうすぐ店じまいだしな

屋台のおじさん

こんなに可愛いのに在庫いっぱいあるんだよ

井上 千夏

じゃあこれでお願いします!

屋台のおじさん

まいどありー

長谷川 悠

よかったの?

井上 千夏

うん!これひとつあげるね

長谷川 悠

え、俺に?

井上 千夏

うん!花火大会の思い出!

長谷川 悠

……

長谷川 悠

ありがとう

長谷川 悠

(どうせ諦めなきゃいけない恋なんだから)

長谷川 悠

(思い出くらい、いいよな)

長谷川 悠

(…大事にしよう)

キーホルダーをぎゅっと握った

高島 陽太

はーせがーわくーん

長谷川 悠

…なに

高島 陽太

この間はごめんな?2人っきりにしてもらって

高島 陽太

おかげでオツキアイすることになりました!

長谷川 悠

は?

高島 陽太

は?ってなに!

高島 陽太

羽柴さんだよ羽柴さん!

長谷川 悠

えっ

長谷川 悠

高島の好きな人、羽柴さん?

高島 陽太

え、そっから?

長谷川 悠

俺てっきり井上さんかと…

高島 陽太

あっはっは!だからか

高島 陽太

なんかアシスト変だなと思ったわ

長谷川 悠

まじか…

高島 陽太

でもまあ結果オーライ!

長谷川 悠

いや待て

長谷川 悠

井上さんとずいぶん仲良さそうだったじゃん

高島 陽太

千夏と?

長谷川 悠

ほら名前呼び!

長谷川 悠

井上さんも名前で呼んでたし

高島 陽太

ああ、幼稚園の頃からの付き合いなんだよ

高島 陽太

幼馴染ってやつ

長谷川 悠

幼馴染…

高島 陽太

千夏にも協力してもらってたから後で報告行かなきゃなー

高島 陽太

いやでももうカノジョがしてるかな?

高島 陽太

いやーいいねー『カノジョ』

高島 陽太

いい響き!!

長谷川 悠

浮かれてんじゃねぇよ…

高島 陽太

そっちは?なんか甘酸っぱいことなかったの?

長谷川 悠

べ、べつにないけど

高島 陽太

お?

高島 陽太

はーせーがーわー?

長谷川 悠

ないってば!

高島 陽太

あーこれは絶対あったね

高島 陽太

なになに言ってごらん?

高島 陽太

頼りになるよ?

高島 陽太

なんせカノジョ持ちだからさ!

長谷川 悠

うるさい

高島 陽太

……

高島 陽太

まぁ無理に言わなくてもいいけどさ

高島 陽太

来年受験になったらそれどころじゃないんだから

高島 陽太

好きなら早く告れよ!

長谷川 悠

だからそういうんじゃ…

長谷川 悠

(ないわけじゃないから困ってるんだけど)

長谷川 悠

(受験か…)

長谷川 悠

(俺はモデルの仕事があるから就職するけど)

長谷川 悠

(井上さんはどうするんだろ)

井上 千夏

進路ですか?

ハル

うん、どうするのかなと思って

井上 千夏

受験組なので来年はがっつり勉強ですね…

井上 千夏

バイトも高2までの約束なんです

ハル

……そう

高島 陽太

ーー好きなら早く告れよ!!

ハル

(そりゃそうしたいけど)

ハル

(するならやっぱ『ハル』のことも言わなくちゃ)

ハル

(こんな不誠実なこと続けてられないよな…)

井上 千夏

それより聞いてください!

井上 千夏

長谷川くんと手繋いじゃったんですよ!

ハル

う、あ、うんそうなんだ

ハル

(好きだと自覚した状態で俺の話聞くの怖ぇ…!)

井上 千夏

下駄で靴擦れして迷惑かけちゃったのに

井上 千夏

優しくしてくれて

井上 千夏

やっぱり長谷川くんのこと好きだなぁって思って…

井上 千夏

花火も2人っきりで見られたんですよ!

井上 千夏

もう夢みたいでした

千夏は両手を赤くなった頬に当てて夢見心地に微笑んだ

ハル

(うぅ…かわいい…)

ハル

(とりあえず喜んでくれててよかった…)

井上 千夏

ハルさんも花火見ました?

ハル

いや、俺は見られなかったんだよね

ハル

(嘘だけど…)

井上 千夏

そっかぁ…綺麗だったんで来年はぜひ!

井上 千夏

ハルさんは好きな人いないんですか?

ハル

え、い、いない…かな

井上 千夏

じゃあお友達と行ったらいいですね!

井上 千夏

ハートマークとかニコちゃんマークとかあってーー

ハル

(無邪気さがつらい…)

井上 千夏

あ、そうそう

井上 千夏

ハルさんが選んでくれた浴衣

井上 千夏

かわいいって言ってくれたんです!

ハル

(それは浴衣が可愛いんじゃなくて、井上さんが…)

ハル

(…まぁ喜んでるからいいか)

ハル

よかったね

井上 千夏

ほんとハルさんのおかげです!

井上 千夏

ありがとうございますー!

ハル

どういたしまして…

ハル

(俺が長谷川だって言ったら…)

ハル

(絶対、傷つくよな)

ハル

(傷つけないためには…)

ハル

(隠し通すしかないのかな)

アンビバレントな僕ら

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