涼
…………
柚子
前に戻っとる…
柚子
何かあったー?
涼
ナンデモ…ナイノ
柚子
あったな…
涼
(はぁ…謝らないと…いやでも顔見るだけで…)
涼
ううううぁぁあぁあ
柚子
涼が壊れた…
柚子
何か知らんが…
柚子
諦めたらダメだぞー
柚子
大事な幼馴染なんだろ?
涼
……うん
玲
……
玲
……!
涼
お疲れ様
玲
………ええ
涼
一緒に帰ってもいい?
玲
…うん
中々言い出せず、タイミングを伺っていると、玲が口を開いた
玲
……無かったことにしましょう
涼
……へ?
玲
…キスした事…
涼
な……
そう言われた時、胸の奥で何かがギュッと締め付けられるような感覚に襲われた
涼
(嫌だ……)
玲
だからもう気にしないで
涼
(聞きたくない)
玲
全て忘れて…
涼
……あ
涼
(…そっか……なんで気づかなかったんだろ…)
涼
(違う、気づかないようにしてたんだ)
涼
(こんな気持ち…)
涼
(苦しくなるのが嫌で、避けてきたんだ)
玲
………涼…?
涼
(そっか…これが…)
恋なんだ
涼
………
私は玲の腕を掴んだ
玲
………
涼
…嫌だ
涼
私は…忘れたくない
玲
!……
涼
私は…忘れたくない
玲
………
せっかく諦めようとしていたのに
どうして貴女はそんな事を言うの
私が幼少期から秘めていた貴女への想い
玲
(どうして…期待させるようなこと…言うの)
涼
でも、無理矢理したのは…ごめん
玲
………
玲
(なら…もう、諦めなくても…)
この想いを捨てなくてもいいよね
玲
涼
涼
……?
忘れる所か、更に脳裏に植え付けるように
涼
ん……
玲
…は……ん…
唇を重ねた