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桃山 美結

えーっと……

堀田 奏多

(嘘だろ!)

 ここで美結が働いてるなんて!

桃山 美結

ご、ご注文は…?

堀田 奏多

あ、こ、このハンバーグお願い、します

桃山 美結

い、以上でよろしかった…ですか?

堀田 奏多

は、はい…

そして美結は逃げるように行ってしまった。

堀田 奏多

……この店にはもう来れないな…

堀田 奏多

(てか、うちの学校バイト禁止じゃ…?)

堀田 奏多

(もういいや!さっさと食って、さっさと退散!!)

そんな奏多の様子を美結は黙って見つめていた。

桃山 美結

……。

次の日の昼休み

堀田 奏多

……

堀田 奏多

(いつもは朝陽と食べてたけど…)

堀田 奏多

(今日も1人だな…)

奏多は弁当を持って廊下に出た。

堀田 奏多

(どこで食べようかな)

歩いていると、後ろから腕を引っ張られた。

堀田 奏多

!!

後ろを振り向くと、そこには美結が慌てた顔で立っていた。

桃山 美結

見つけた…

堀田 奏多

え!?な、なんで…

桃山 美結

ちょっと来て!

美結は奏多の手を引いて歩き出す。

堀田 奏多

うぉっ

堀田 奏多

(な、なんなんだ急に!)

桃山 美結

……

奏多は黙って美結に手を引かれていた。

中庭についた頃、美結は手を離した。

堀田 奏多

きゅ、急になんだよ…

桃山 美結

昨日のこと、内緒にしてくれない?

堀田 奏多

え…?

桃山 美結

バイトのこと!!!

堀田 奏多

は、…はあ

桃山 美結

この学校バイト禁止でしょ?

桃山 美結

でも私、金が欲しくてバイトしてるの!

桃山 美結

だから、内緒にして!

堀田 奏多

う、うん…

堀田 奏多

別に言うつもりはなかったけど…?

桃山 美結

……そうよね

桃山 美結

奏多はそんな性格だよね

堀田 奏多

お、おう…

堀田 奏多

もう用が済んだならもういい?

堀田 奏多

(気まずいし…)

桃山 美結

…内緒にしてくれる代わりに…

美結はベンチに座った。

そして、ベンチの隣の空きスペースをトントンと叩いた。

桃山 美結

ほら、座って

桃山 美結

『悩み』聞いてあげるよ

堀田 奏多

は…?

桃山 美結

奏多ってホントわかりやすんだから

桃山 美結

悩みがあることなんてお見通し

桃山 美結

ほれほれ、美結様に言いなされ

堀田 奏多

……そんな

堀田 奏多

元カノに相談なんか…できっかよ

桃山 美結

元カノだからでしょ?

桃山 美結

どうせクラスメイトにも、逆に仲いい友達にも相談できないくせに

桃山 美結

多分私たちはこれから話すことは無い

桃山 美結

だからこそ、打ち明けられることもあるでしょ

堀田 奏多

うぐ…

堀田 奏多

た、しかにその通りだ…

奏多は美結の隣に座った。

堀田 奏多

俺の話じゃないんだけど…

堀田 奏多

俺の友達がな?

堀田 奏多

好きになっちゃいけない人を好きになりまして…

桃山 美結

へえ

桃山 美結

あんたが?先生とか親戚を好きになったって?

堀田 奏多

え?

堀田 奏多

だから、俺じゃなくて

桃山 美結

もうわかってるから

桃山 美結

あんたなんでしょ

堀田 奏多

(鋭い…)

堀田 奏多

……うん。俺が好きになったのは…俺にとってすごく大切な人なんだ

堀田 奏多

で、その大切な人は俺の事を…

堀田 奏多

(親友って言ったらバレるし…)

堀田 奏多

まあ、特にはなんとも思ってなくて

堀田 奏多

でも、俺はあることをきっかけに…

桃山 美結

ねえ

桃山 美結

よく分かんないから、ちゃんと話してくんない?

堀田 奏多

…へ?

桃山 美結

あんたが誰を好きになったって?

堀田 奏多

………

堀田 奏多

(美結は話を真剣に聞いてくれてる…俺も真剣に話さなきゃな…)

堀田 奏多

朝陽…だよ

桃山 美結

ふーん。

桃山 美結

青木の姉とか?

堀田 奏多

………

堀田 奏多

いや、朝陽を好きになったんだ

桃山 美結

は?

堀田 奏多

(まあそうなりますよねー)

桃山 美結

え?え?

桃山 美結

あーごめん。今の時代そんなことも有り得るもんね…

桃山 美結

……

桃山 美結

…ってことは、私と付き合ってたのって本気じゃ…

堀田 奏多

それは!本気だった!

堀田 奏多

本気で美結のことは好きだったよ…

堀田 奏多

でも今は…

桃山 美結

そっかそっか

桃山 美結

それで?経緯など詳しく教えてくれますか?

堀田 奏多

…わかったよ

奏多は美結に全てを説明した。

桃山 美結

……そして今に至る…と?

堀田 奏多

はい…

桃山 美結

ふーん…

桃山 美結

ま、そんなに深く悩む必要ないんじゃないの?

堀田 奏多

なっ…

堀田 奏多

美結は俺の気持ち知らないから…

桃山 美結

…そうでしょ?

桃山 美結

勝手に人の気持ち決められるのってムカつくよね?

堀田 奏多

は、はあ…?

桃山 美結

あんたは今その行為を朝陽にしてんの

堀田 奏多

どういう意味だよ

堀田 奏多

俺、ちゃんと朝陽の気持ち聞いたよ

堀田 奏多

海のとき…

桃山 美結

あんたがしたのは事実の確認

桃山 美結

朝陽の気持ちは聞いてないでしょ?

堀田 奏多

でも、覚えてないって

桃山 美結

そんなの嘘に決まってるじゃない

桃山 美結

朝陽の本音!

桃山 美結

それを聞き出すまで泣くのも笑うのも後回し!

桃山 美結

勝手に奏多は『俺のことを好きじゃない』って決めつけてるのよ

堀田 奏多

……

堀田 奏多

それは、そうだけど……

桃山 美結

うーん…

桃山 美結

ピンとこないかもね…

桃山 美結

だったら、奏多は?

堀田 奏多

桃山 美結

奏多の本音

桃山 美結

多分誰にも話してないんでしょ

桃山 美結

きっと、自分自身にも

堀田 奏多

ほ、本音って…

堀田 奏多

それは俺が朝陽のことを…

桃山 美結

だーかーら!!それは聞いたっての!

桃山 美結

朝陽のことは好き!んで?その後は?

桃山 美結

朝陽と恋人になりたいの?それとも親友に戻りたいの!?

堀田 奏多

そ…っ、れは……

堀田 奏多

……

どっちだろう…__。

堀田 奏多

俺は…朝陽が、好き

堀田 奏多

それは絶対だ

堀田 奏多

でも、俺は朝陽と親友に戻りたいから朝陽と距離を置いてる

桃山 美結

それは、あんたがしたいこと?

桃山 美結

朝陽の気持ちは?

堀田 奏多

………

堀田 奏多

確かに…俺は…

堀田 奏多

自分の気持ちしか、考えてなかった…

堀田 奏多

朝陽の気持ちは考えたつもりでいたんだ

堀田 奏多

きっと朝陽も俺と親友に戻りたいんだって…

桃山 美結

……うん

堀田 奏多

朝陽に、聞く

堀田 奏多

朝陽の気持ちを聞く!!

桃山 美結

そうだね

桃山 美結

それで、結局奏多がしたいことは?

堀田 奏多

恋人とか親友とかよく分かんない…けど

堀田 奏多

今、俺がしたいことは…

堀田 奏多

朝陽と話したい…。触れたい…って、気持ち

桃山 美結

そっかそっか

桃山 美結

じゃあ、早く行かなきゃね

堀田 奏多

うん…

堀田 奏多

また何かあったら聞いて欲しい

桃山 美結

元カノにぃ?いいんですかぁ?

堀田 奏多

それはっ!そうだけど!!

桃山 美結

ふふっ…嘘よ嘘

桃山 美結

頑張ってね

堀田 奏多

おう!!

親友に告られた話。

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