願いを託して

正義とはなにか

正しさとはなにか

そんなこと、誰にも分かりはしない

今起きている戦争の意味って？

僕＿＿空はそんなことを思う

そのとき、玄関をノックする音が聞こえる

玄関に行くに連れて重いものを感じる

嫌な予感がする

その言葉で、僕の思考がとまる

その言葉を残して兵士は帰っていった

召集令状＿＿特攻に行けと言う指示

召集令状をポケットに入れる

突然、そんなことを言われ数秒固まる

数ヶ月前

そして2人はお参りする

2日間、色んなことをした

色々外に出かけたり

神社でお参りをしたり

贅沢なご飯を作ったり

そしてあっという間に時は過ぎた

陸に手紙を渡す

陸を抱きしめる

そして、僕は空に旅立った

アメリカを倒す為に

御国の為に

天皇陛下の為に

愛する弟の為に

明るい世界の為に

過去を振り返っていると、手が震えてくる

これが恐怖か

海は……

怖くなかったのかな

死にたくないとは思わなかったのかな

……今からそっちに行くから

よく聞かせてね

僕もこっちで頑張るから

……さよなら世界

ありがとう世界

零戦を急降下させ、特攻する

誰かに頭を撫でられる気がした

その暖かさに、勇気を貰った

そうして

僕は散っていった

誰もいない家に、私だけの声が響く

家族を2人も失うつらさは言葉に出来なかった

本当にこの選択でよかったのだろうか

本当にこういう人生でよかったのだろうか

……

ただ……

空がその選択をしたのだから、あっていると私は思う

私は読み上げてみる

【陸へ】

この手紙を読んでいるってことは、僕は綺麗に散ったのかな？？

ていうくだりやってみたかったんだよね！！

多分今頃突っ込まれてるね！！

……じゃ本題に行くけど

僕が2日前に出した問題覚えてる？？ 散らなかった奴がどうなるか。本当に怖いのはなんなのか。 あの答え、僕も分からないんだ。 散らなかっ奴がどうなるかなんてやってみないと分からないし、本当に怖いものなんて人それぞれ違うから。

でもね、一つだけ言っときたいんだ

正義や正しさに囚われるな

陸だけは自由に生きて

世界の子たちとか言ったけど…… 僕は陸に、その未来を確かめて欲しいんだ

生きるのが辛いかもしれない。挫けるかもしれない。 そんな時は、仲間に頼れ

これは海が陸に託した言葉だよ

……長くなっちゃったね。

要は自由に生きろってこと！

僕と海は陸の兄なれて幸せだったよ

ありがとう。またね

＿＿海と空より

どのくらい泣いたかは覚えていない

でも

私は2人の意志を継ぐという決心は覚えていた

それが何十年たっても

私は……

あの頃と変わらない桜並木を

3人で見ているような気がした