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淡雪悠理
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コメント
1件
わあ、ついに両想いになったんですね…!春樹くんの「俺ももかが好きだよ」からの、拗ねたような「何度も言ったのに」の流れがもう、胸がきゅっとしました。もかちゃんがずっと「家族だから」って自分の気持ちに蓋をしてたのに、ちゃんと伝えられてよかった。最後のキスシーンも甘くて、思わずにやけちゃいました。来年の桜の頃が楽しみですね🌸
もか
春樹
もか
春樹
もか
もか
何度も謝りながら涙を拭う。
泣き続ける私の腕をそっと引いて、春は部屋の中に戻ってきてくれた。
そして、ベッドに腰掛ける。
座りなよ、と促されて、春の隣に腰を下ろした。
春樹
もか
春樹
もか
春樹
もか
もか
春樹
もか
もか
零れ落ちる涙を手の甲で拭う。
でも堰を切ったように溢れ出して、全然止まってくれない。
それでも必死に拭っていたら、春の手が私の頬に触れた。
シャツの袖を引っ張って、ごしごしと私の涙を拭い始める。
嬉しいけど、春の服が濡れちゃう。
もか
春樹
それでも構わないと、一生懸命、ごしごししてくれる。
拗ねてるような、いつも穏やかな表情をしている春には似合わない、男の子の顔。
ぶっきらぼうな様子に、私は首を傾げる。
もか
春樹
春樹
もか
春樹
もか
春樹
もか
春樹
もか
春が不満そうな声を漏らす。
今まで見たことのない拗ねた態度に、罪悪感が募る。
春樹
悲痛な想いを吐露する春の気持ちが、私には痛いほどわかった。
だって2年前の私がそうだったから。
初恋の先輩に振られた時、両想いかもって勘違いして、舞い上がっていた自分が情けなくて、惨めだと思った。
あの日味わった痛みを、今度は私が春に負わせてしまった。
もか
春樹
もか
春樹
もか
春樹
顔を逸らそうとすると、両頬を挟まれて引き戻された。
真剣な眼差しが私を射抜く。
これは、ちゃんと言わないと解放してくれそうにない。
もか
もか
もか
春樹
春の本当の気持ちを知った今、「実はこんな風に思ってました」と伝えるのは正直怖い。
案の定、春の纏う空気が急激に冷えていくのがわかった。
むぎゅう、と両頬を引っ張られる。
もか
春樹
もか
春樹
春樹
もか
恨みがましい目で睨まれて視線を彷徨わせる。
でも心の内ではホッとしていた。
胸の奥に残る淀んだものが、すうっと消えていくのがわかったから。
そして春に触れられる幸福感が、再び私の心を満たした。
春樹
もか
春樹
春樹
春樹
もか
春樹
もか
春樹
春樹
もか
春の言葉に、私はただ戸惑うばかりで。
春への想いをどうやって隠し通すか、どうすれば諦められるか、そればかり考えていた私と違って、春はきちんと先のことを考えていたんだ。
それを嬉しいと思う反面、まだ不安要素がある。
私達の交際を、春のご両親は認めてくれるのかな?
ずっと気がかりだった、いとこ同士の恋愛観。
法的に問題はなくても、こういうのは家族間の意見や世間体が左右される。
私、春の彼女になってもいいのかな。
付き合っても大丈夫なのかな。
桐谷のおじさんとおばさん、反対しないかな?
それに、郁兄にも話さなきゃいけないよね。
そんな複雑な心情を吐露すれば、春も気難しそうな顔をする。
春樹
春樹
もか
春樹
もか
春樹
もか
春樹
春樹
もか
春が心配してるのは、私との交際を両親に反対されることじゃなくて、「息子に愛娘を取られた!」と父親に非難されることらしい。
桐谷のおじさんは決して厳格な人ではないけれど、春が危惧するくらいなのだから、きっと説得は困難を極めるんだろう。
もか
おばさんは、何に対しても動じることがなく、常にマイペースな天然さん。ある意味最強。
おじさんは、リアクションが大きいというか、ちょっとお笑い系に偏ってるかもしれない。
でも私にとっては、おおらかで穏やかなおばさんも、愉快で優しいおじさんも、どちらも大好きで大切な存在。
そんな2人に交際を反対されたら……と思うだけで悲しくなるけれど。
春樹
不安を抱く私とは裏腹に、春は楽観的な言葉を口にする。
もか
春樹
春樹
春樹
もか
春樹
ストレートな問いかけにドキリとした。
少し照れ臭かったけど、それでも私は素直に答えた。
もか
はにかむように笑う。
春も安心したように微笑んでくれた。
嬉しい。嬉しくてたまらない。
交際を認めてくれるかどうかの問題はともかく、私、春の彼女になってもいいんだ。
春樹
もか
春樹
もか
春樹
もか
春樹
春樹
もか
そう告げられて納得した。
私達は今、人生の分岐点となる大事な時期を迎えている。
だから春の、受験に集中したいって気持ちはすごくわかるし、応援したい。家族として、サポートしてあげたいって思う。
そこでふと、郁兄のことを考えた。
交際したい旨を郁兄に伝えても、今は反対されそうな気がする。「時期を考えろ」って、必ずそう言われるだろう。
だったら、私達の都合が落ち着く頃まで待ちたい。
堂々と付き合える日が来るまで耐えることなんて、春と離れることに比べたら、何の苦でもない。
春樹
もか
春樹
もか
春樹
春樹
もか
なんだろう。妙な圧を感じる。
もか
春樹
もか
もか
この数分だけでたくさん好きって伝え合ったのに、面と向かって言うのはやっぱり恥ずかしい。
それでも、これからは素直になりたい。
不安なことは無理に飲み込まず、ちゃんと相手に伝えたい。
だってもう、すれ違うのは嫌だから。
こうしてまた距離が生まれて、勘違いして傷つけ合うなんて嫌だ。
これからは少しずつ、自分の気持ちを春に打ち明けていきたい。
少しずつでいい。ゆっくりと距離を縮められたらいいな。
そう思って顔を上げたら、春の顔が近づいてきた。
もか
待って、と止めようとしたけど遅かった。
触れるだけの優しいキスが私の唇に落ちる。
柔らかな唇の感触がじんわりと沁みてくる。
もか
驚いて抗議すれば、春は悪戯っぽく微笑んだ。
春樹
そんなことを口にするから、私は顔を真っ赤に染めながら俯いてしまう。
胸がきゅうってなって苦しい。
春樹
もか
春樹
もか
もか
もか
ふと湧いた疑問を深く考える前に、春が次の言葉を紡ぐ。
春樹
もか
春樹
もか
春樹
指摘されて、自分がまだ半裸だった事に気付いた。
肩からシャツがスルリとはだけて、肩ブラが見えてしまってる状態。 谷間もばっちり拝めます。 パンツも丸出しです。
声にならない悲鳴をあげて、私は慌てて布団の中に潜り込んだ。
もか
春樹
もか
もう、ほんとに信じられない。
何なんだろう、今日の私。不調すぎる。
さっきまで幸福感に浸ってたのに、今は身悶えしたいほどの羞恥心に苛まれている。
春とは小さい頃から一緒にいるし、2年前から致してる仲だから、裸だって互いに見たことはある。
だからって、恥じらいがなくなったわけじゃない。
しかも、今はまだ夕方だ。
外が明るいうちに、こんな下着姿になっているところなんて見られたことが無い。恥ずかしすぎる。
すっかり布団と一体化している私を見て、春が小さく吹き出した。
春樹
春樹
小さく頷くと、春の気配が遠のく。
もぞ、と布団から顔を出して、その背中を目で追いかける。
部屋を出て行く寸前、ふと振り返った春と目が合った。
にこっと穏やかな笑みを浮かべたあと、「かわいい」と囁くように口にする。
パタン、と扉を閉める音が響いて、私は再び身悶えた。
もか
なんで春は、あんなに平然としていられるの?
なんで、恥ずかしいことばっかり言えるの?
男の子ってみんなこうなの?
もか
確かに最近、春からのスキンシップを避けちゃってたのは悪かったけど……あんなに露骨にしなくても。
もか
もか
でも、好きって言ってくれた春を思い出すだけで、胸が一杯になってにやけてしまう。
そして、ついさっきまでの時間の甘美さを思い出しては悶える。
もか
自分でもわかるくらいにだらしない顔。
この喜びをどこに向けていいのかわからなくて、布団を抱え込んだまま寝転がって枕に顔を埋める。
……でも。
もか
もう叶うことのない想いだって思っていた。
自分の気持ちに蓋をして、「家族」に戻るべきだと決めつけて、諦めようとしていたのに。
ずっと想い続けててよかった。
この恋を諦めなくて、よかった。
ベッドから起き上がって、もう一度クローゼットに手を伸ばす。
窓から見上げた空は、鮮やかな夕日の色合いに染まっていた。
立ち並ぶ木々に、満開の花も蕾も見当たらない。
半年後には、見事な桜の開花が咲き誇るんだろう。
――高校卒業まで、あと半年。
4月になったら、私達は自立する。
ぬるま湯みたいな春との関係も、終わりを告げる。
でもそれは、新しい関係の始まり。
来年の、桜舞う頃。
私の恋は形を変えて、桜とともに春を迎えるみたいです。
to be continued…