そらね
ゆう

ゆう
はい。

そらね
7時からの会食なんだけどだれがくるんだったけ?

ゆう
ご主人様の取引先のご子息様でございます。

そらね
ゆう……………

ゆう
なんでごさいましょうお嬢様

そらね
私たち幼馴染だよね。

ゆう
そうでございますがそれがどうかなさりましたか?

そらね
もっと友達っぽく喋ってよ。かたくるしいの、いつも

ゆう
それは申し訳ございません。しかし、ご主人様からは、執事を頼まれましたので…幼馴染として接しられないのです。申し訳ございません。

そらね
…せめて、

そらね
LINEぐらいは敬語とってよ…

ゆう

ゆう
わかった…

そらね
ありがとう。

ゆう
うん……

父
そらね。こちらは取引先の森田さんとその息子さんのりょうたさんだ。ご挨拶しなさい。

そらね
三羽そらねです。いつもお世話になっております。宜しくお願いします。

森田さん
きみがそらねちゃんか!三羽さんからはよく聞いているよ!うちのりょうたとも仲良くしてやってください。りょうた挨拶をしなさい。

りょうた
森田りょうたです。将来は父の会社を次ぐ予定です。今後ともよろしくお願いします。

森田さん
今日はありがとうございました。そらねちゃんもありがとね。あ!今後のためにも、そらねちゃんとりょうた連絡先を交換しておくのはどうだろう。

父
それはいいですな!りょうたくん、いいかな?

そらね
え、まって

りょうた
僕は全然大丈夫ですよ。そらねさん携帯を出して頂けますか?

そらね
えっ…と

父
そらね。今持っているんだろう?はやく出しなさい。

そらね
………

森田さん
…ま、まあ、14歳で、年頃な時期ですからな。また今度でも…

りょうた
そらねさん携帯だして

森田さん
りょうた!

りょうた
…そらねさん…

そらね
…わかりました…

りょうた
そらねさん!りょうたです!今日はありがとうございました

そらね
こちらこそありがとうございました。

りょうた
そらねさん、実は、さっき父さんたちの話聞いちゃったんだ

そらね
何をですか?

りょうた
僕とそらねちゃんの婚約の話

そらね
え?あの、どういうことですか?

りょうた
僕とそらねちゃんは結婚するってことだよ

そらね
冗談ならやめてください

りょうた
ホントだよ?

そらね
ごめんなさい、好きな人がいるんです

りょうた
取引をやめると言っても?

そらね
なんでそうなるんですか!そんなにひどい人だとは思いませんでした

りょうた
好きな人って誰なの?

そらね
教えるわけないじゃないですか

りょうた
教えてくれないと…ね?

そらね
…

そらね
幼馴染の男の子です

りょうた
ふーん

りょうた
まあいいや。また明日ね、そらねちゃん

そらね
明日は会いません。さようなら

(そらねとゆうは同じクラス。学校では普通に接している。誰もお嬢様やセバスチャンだとは知らない)
田中先生
みんな席につけ。転校生を紹介する。入りなさい

りょうた
森田亮太です。三羽さんとは知り合いで仲良くさせてもらってます。よろしくお願いします。

そらね
りょうたさん?!

ゆう
誰?

そらね
(取引先のご子息よ)ボソッ

ゆう
(は、マジ?なんで…)ボソッ

りょうた
この中にそらねさんの幼馴染はいらっしゃいますか?

田中先生
え?…あー、確か三羽と…黒田ゆうが幼馴染じゃなかったか?違ったか黒田?

ゆう
え?あ、そーですけど。それが何か?

そらね
ちょっとゆう!

りょうた
そっか、そうなんだね。よろしくねゆうくん。

りょうた
…おう

そらね
心の声・しまっだぁぃぁぁぁぃぁあ

田中先生
じゃあ森田、三羽の隣の席につけ、

りょうた
わかりました

ゆう
(どーゆーことだよっ)ボソッ

そらね
(もう最悪だわ。後でゆうわ。)ボソッ

りょうた
よろしくね、そらねちゃん

そらね
は、はい…

田中先生
では授業始めるぞー

そらね
どういうことですか?なんで、

りょうた
父さんにそらねちゃんと同じ中学校に通いたいって言ったらすぐ手配してくれたんだよ

ゆう
どういうことだよ。そんなことあるわけねぇだろ?

りょうた
あ。りょうたくんは知らなかったよね。実は僕たち、父さん通しのつながりで、婚約することになってるんだ。

そらね
はぁ?!婚約なんて絶対しない!

りょうた
そらねちゃんはこんな感じなんだけどね笑笑。まありょうた君には関係ないけど。多分これから先、そらねちゃんといる時間は僕の方が多いと思うからね。ただの幼馴染さん。

そらね
ちょっと!

ゆう
じゃあ今まで俺とそらねが一緒に築き上げてきた時間を超えれるって言うのか?

りょうた
えっと、結婚したら死ぬまで一緒だし…超えれると思うよ?笑笑

りょうた
第一、ずっと一緒にいたわけじゃないでしょ。幼馴染ってだけで、住んでる家も違えば、24時間同じ空間にいる訳でもない…だろ笑笑

ゆう
俺…

そらね
だめ、ゆっちゃダメ、ゆう。

ゆう
…わかってる。

りょうた
なに?笑笑。

ゆう
俺とそらねは付き合ってる。親公認だ。これでどうだ?

そらね
ゆ、ゆう?!

りょうた
そんなはずないよ笑笑。どんまーい。第一そらねちゃんの家に行ったことあんの?笑笑君みたいな子入れてもらえるのかな?

そらね
りょうたくんのことは父に相談させていただきます。あとひとつ言わせてもらうね。…ゆうと一緒に暮らしてるから。じゃーね、りょうたくん

ゆう
おい、そらね!

そらね
いくよ、ゆう

ゆう
お、おう…

りょうた
好きなよーに言えばいいよ笑笑ばいばい、そらねちゃん

そらね
お父さん

父
どーしたそらね

ゆう
ご主人様

父
なんだね、ゆうくんもいたのかい。二人揃ってどうしたんだ?

そらね
りょうたって人がすごく私たちの悪口を言ってくるの。それに、私とりょうたが結婚する予定…とか。

ゆう
そうなんです。実は今日、うちの学校にりょうたって子が転入してきたんです。そらねお嬢様が好きだからとかなんとか。

父
それは…ほんとかね?

ゆう
はい。

父
何言ってるんだね。そらねはゆうくんと結婚するんじゃないのか?

そらね
え?お父さん?!

父
私はそらねとりょうたくんの結婚を認めるつもりは無いぞ。たとえ取引先のご子息であっても、そらねが幸せにならんといかんからな。それに、ゆうくんなら、きっとこの会社を継いでくれるだろう。

ゆう
ご、ご主人様!

ゆう
も、もちろんです!そらねさんと結婚させていただいたら、絶対幸せにします。そしてこの会社をついで、ご主人様…いえ、お父様に使えるよう務めさせていただきます!

そらね
ゆ、ゆう、まって…ゆうも、私の事好きだったの?

ゆう
…当たり前だろ

父
おや、敬語が抜けたゆうくんをはじめてみたよ

ゆう
あ、これは失礼しました!

父
いや、敬語が抜けたほうがいいよ

父
これから、2人で頑張っていきなさい。森田さんには直接謝りに行こう。2人とも支度をしなさい。

ゆう
は、はい!

そらね
はい!

森田さん
これはこれは三羽さん!よくいらっしゃいました!

りょうた
あ!そらねちゃん!………え、ゆうくん?なんで、

父
実はこちらのものは黒田ゆうといって、うちのセバスチャンをやってもらっています。

森田さん
そーなんですか!いやーかっこいいですなぁ。

父
それで…りょうたくんが、うちの娘に、「りょうたくんとそらねが婚約するという話を親から聞いた」と言ったそうなんですが…

森田さん
え!そんなことは言っておりませんぞ。それにうちは許嫁がおりましてな。

父
そーだったんですね。でも今日学校に転校されたのは…?

森田さん
実は許嫁の子もあの学校に通ってるんです。まさかそらねちゃんたちがいるなんて、全く存じ上げませんでした…申し訳ございません。

父
いえ、こちらこそです。これからも取引の方よろしくお願いします。

森田さん
はい!

そらね
許嫁って誰なんですか?

森田さん
中戸えりちゃんだよ

そらね
あ!知ってる!友達です!

森田さん
とにかく今回のことはりょうたにしっかり言い聞かせますので…申し訳ございませんでした。

父
ありがとうございます。奥様にもよろしくお伝えください。それでは失礼します。

りょうた
そ、そらねちゃん!

そらね
…なんですか?

りょうた
好きなんだ!嘘ついたのはごめん!俺と付き合ってくれ!

そらね
ごめんなさい、わたしにはゆうがいるので!

ゆう
ごめんな。

父
帰るぞ2人とも

ゆう
はい

そらね
はーい

10年後、2人は結婚し、ゆうは会社を継ぎ、そらねも立派なお嫁さんになりましたとさ。
見てくださってありがとうございました!面白くないかも知れませんが、これからもよろしくお願いします❤