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窓から差し込む薄い光を頼りに、ゆっくり…ゆっくりと
足音を立てないように、静かに階段を登っていく
杏
2階に近づくにつれ、段々と声が鮮明になってくる
杏
杏
静かに…静かに……お姉ちゃんの部屋の前を通り、自分の部屋へと向かう
杏
杏
部屋から聞こえるお姉ちゃんと誰かの会話
杏
杏
詳しくはわからないが、聞いてはいけないものだと言うのはなんとなく分かっていた
カチャ
用心深く自室のドアノブを回し、体を滑り込ませるようにして部屋に入った
カチャ…
静かにドアを閉め、深く深呼吸をする
杏
ドクン…ドクン……
杏
クッションの上に優しくバックを置いて、呼吸を整える
ギシッ……
ゆっくりとベッドに寝転び、耳を澄ます
窓を叩く雨の音で会話が上手く聞き取れない
ただ、互いの声のトーンや会話のテンポ、そして盗み聞きをしているという状況は十分劇薬となった
杏
チュッ
杏
ギシッ
壁の向こうから聞こえてくるリップ音とベッドのきしむ音
耳を壁にぺったりとつけ、ぎゅっと毛布を掴む
友達から聞いた話や、スマホにたまに流れてくるような
どこか現実味の無い行為がこの壁の向こうで行われている
ドクン…ドクン……
杏
尊敬してる、大好きなお姉ちゃんの知らない部分
全く知らなかった、知られたくないであろう部分
ドクン……ドクン
杏
もし、ここで何か物音を出せばすぐにでも止まるだろう
だから…もう少しだけ
ギシッ
会話は上手く聞こえない、だから物音がより聞こえる気がする
ちゅっ…ちゅ……
ギシッ……
ギシッ……
ギシッ
ギシ……ギシッ
ベッドの軋む音……一番鮮明に聞こえるその音が部屋に響く
杏
︎︎
ギシッ……
ぱちゅっ……
ぱんっ…ぱん♡
ギシッ…
ぱちゅん……どちゅっ
ぱんっ…ぱんっ
雨が弱まって来たのだろうか、先程よりも声が鮮明に聞こえる
ギシッ
……ギシッ
ぱんっ…ぱちゅっ♡
ギシッ……
ギシッ
……………………………………
︎︎
︎︎
静寂と共に雨の音がまた聞こえてきた
ドクン…ドクン……
ドクン……ドクン………
︎︎
︎︎
︎︎
︎︎
どれくらいの時間が経っただろうか
ガチャッ
︎︎
カチャン……
︎︎
︎︎
杏
扉が閉まる音を聞き、ゆっくりと目を開けた
無意識に下腹部へと伸びていた指先が、シーツの上に戻る
とろっ…
杏
杏