「メーデー…助けて」【完結】

一度見たものを真似できるから

相打ちで終わらせる気や…

たとえ…自分が死んでも

俺らのフィールドだから

二人で戦おうか

ウル 北欧神話に登場する 弓術と決闘を司る神 「光輝」という意味の名

神から力を受け継いだ者

ﾊﾞﾝ(弓矢

ｸﾞｻ

不吉な音が響いた

そしてその衝撃で

誰か海に落ちた

たくさんの困惑の声

それもそうだろう

召喚した神…ウルは

訃音に向けて矢を打ち

そのまま 海に落ちたのだから

ウルは言った

「私は言われた通りに　 動いただけだ」と

死ぬつもりだった…？

沈んだ少女の名を呼び続けるもの

泣き崩れた友達を慰めるが 声が震えている者

何が起きたか理解し絶句している者

少女が召喚した神に尋ねている者

何が起きたか分からず ただ少女が沈んだ海を眺めている者

そして…

少女を助けるため

海に飛び込んだ者

ヘイムダル 北欧神話に登場する神 アース神族の見張り役 夜でも昼でも遠くの場所が見え 草が成長する音や 羊の毛が伸びる音まで聞こえる

スレイプニル 北欧神話に登場する神馬 知恵と戦争、死を司る 8本の足を持ち 空を飛ぶほど早く駆け上がる

ｻﾞﾊﾞｧ

神は首を振った

「見つからなかった」と

彼女の顔には 絶望と悲しみ、そして怒りが 混じっていた

未だ泣き続けている彼女も 絶望の表情をしていた

彼女の顔を見て察したのだろう

この子も絶望の表情を出した

どんな物語にも終わりはある

それは人生も一緒

Happy Endで終わることもあるし

Bad Endで終わることもある

大勢の泣き声

叫び声

その声は少女に 届いているのだろうか

メーデーメーデー

聞こえてますか？

私は暗殺者には向いてなかったね

結局…殺せなかったな…

お母さん、お父さん

ごめんね

仇…取れなかった

そのために暗殺者になったのに

あぁ…もう私は終わる

最後に