Amia
『ふわぁ…今日はもう限界かなー。
ボクそろそろ落ちるね〜』
ボクそろそろ落ちるね〜』
雪
『うん。おやすみAmia』
えななん
『じゃ、私も…って、そうだ。
みんなに言おうと思ってたことがあったんだ』
みんなに言おうと思ってたことがあったんだ』
えななん
『ねぇ───"OWN"(オウン)って知ってる?』
K
『OWN…?』
Amia
『あ!知ってる知ってる!
一部で騒がれてるやつよね〜!』
一部で騒がれてるやつよね〜!』
雪
『そうなの?OWNって一体…?』
Amia
『ボク達みたいに曲を作って、投稿してるクリエイターだよ!
2週間くらい前に、まさに流星のごとく!って感じで現れて、投稿した曲全部、20万再生くらいいってるんだよ〜』
2週間くらい前に、まさに流星のごとく!って感じで現れて、投稿した曲全部、20万再生くらいいってるんだよ〜』
雪
『全部、20万再生?新しい人でそれはすごいね』
K
『気がつかなかった…いつのまにそんな人が?』
Amia
『知らないのもしょうがないよー。
ボクも結構マニアックな友達に教えてもらって昨日知ったし』
ボクも結構マニアックな友達に教えてもらって昨日知ったし』
えななん
『URL貼っておくから聴いてみてよ。
ふたりともびっくりすると思う。
すごく、圧倒されちゃう曲だから』
ふたりともびっくりすると思う。
すごく、圧倒されちゃう曲だから』
雪
『そんなにすごいんだ』
えななん
『うん。なんていうか、Kの曲を初めて聴いた時と同じ感じようながしたの。
言葉にできないことを全部形にしてくれる、みたいな…』
言葉にできないことを全部形にしてくれる、みたいな…』
えななん
『でも…Kの曲と違って、OWNの曲はすごく冷たくて…』
K
『冷たい…?』
えななん
『うん、上手く言葉にできるかはわからないけど…
Kの曲はほら、暗いような苦しいような雰囲気があっても、どこかちょっとあったかい感じがしてるんだよね。』
Kの曲はほら、暗いような苦しいような雰囲気があっても、どこかちょっとあったかい感じがしてるんだよね。』
えななん
『OWNはそういうのが全然ないの。
どこまでも冷たいし、全部を拒絶してるみたいな感じ。』
どこまでも冷たいし、全部を拒絶してるみたいな感じ。』
えななん
『でも、そこに魅力があって…
正直、ちょっと怖いくらいなんだけど。私は好きなんだ』
正直、ちょっと怖いくらいなんだけど。私は好きなんだ』
Amia
『わかるなー。あのキレッキレに鋭い感じがいいよねぇ。
あんな曲作れるなんて、いったいどんな人なんだろ?』
あんな曲作れるなんて、いったいどんな人なんだろ?』
えななん
『さあね、興味はあるけど…知りたくはないかな』
えななん
『…私ももっとすごい絵が描けたらな…』
K
『えななん?』
えななん
『あ…。
なんでもない。ごめん、気にしないで』
なんでもない。ごめん、気にしないで』
雪
『えななんの絵は十分すごいと思うけどな』
えななん
『えっ?』
雪
『いつもKの曲のイメージにぴったりだし。
今回のイラストもすごく綺麗で、私びっくりしちゃった』
今回のイラストもすごく綺麗で、私びっくりしちゃった』
雪
『優しくて、繊細で、でもちょっぴり寂しそうで…。
素敵な絵だなって思った』
素敵な絵だなって思った』
えななん
『…ほんと?』
雪
『うん。私はえななんの絵、好きだよ』
えななん
『…そう。ありがと、雪』
Amia
『ふわぁ〜』
Amia
『さすがに眠くなってきちゃったなー。
そろそろボクは落ちるねー』
そろそろボクは落ちるねー』
えななん
『あ、私もそろそろ寝ないと。
それじゃ、また明日ね!』
それじゃ、また明日ね!』
K
『OWN…』
K
『…この人、か。もう4曲も出してるんだ』
雪
『そうだね。どんな曲なんだろう?
聴いてみよっか』
聴いてみよっか』
K
『……!この曲…』
K
(…必死に、叫んでるみたい…)
K
(苦しくてどうしようもなくて、
たった1人で絶望してる…そんな曲…)
たった1人で絶望してる…そんな曲…)
雪
『な…なんだか、すごい曲だね…』
K
『………うん』
K
(でも、この音…この雰囲気…。
どこかで聴いたことがあるような…?)
どこかで聴いたことがあるような…?)
K
『あ…』
雪
『…はぁ、一曲聴いただけでなんだかどっと疲れちゃった。
圧倒されるっていってたの、ちょっとわかるな』
圧倒されるっていってたの、ちょっとわかるな』
雪
『どうする、K?他の曲も聴いてみ…』
K
『ねえ、雪』
K
『この曲──雪が作ったんじゃない?』
雪
『え?』
K
『昔、雪が作った曲に似てる』
雪
『………』
雪
『…そうかな?』
雪
『うーん、自分じゃよくわからないかも。
私はこんな音選びとかアレンジはできないし…』
私はこんな音選びとかアレンジはできないし…』
雪
『それに、こんな重い歌詞も書けないよ』
K
『たしかに、歌詞の書き方は全然雪とちがう…。でも…』
雪
『ふふ、Kにそこまで疑われると、逆に自信ついちゃうな』
雪
『みんなにすごいって言われてる人と間違えてくれるなんて』
K
『…ごめん』
雪
『ううん、気にしないで。
それにしてもK、私が作ってた曲、覚えててくれたんだね。
もう1年以上前になるのに』
それにしてもK、私が作ってた曲、覚えててくれたんだね。
もう1年以上前になるのに』
K
『…うん。すごく印象的だったから』
雪
『そっか。
…Kと最初に連絡を取り合ってから、結構経つんだよね』
…Kと最初に連絡を取り合ってから、結構経つんだよね』
雪
『いきなり、アイコンもないしフォロワーも0な人から、一緒に曲を作らないかってDMがきて…』
雪
『最初、スパムかなって思っちゃった』
K
『あれは…。雪の曲を聴いて、すぐ連絡しなきゃって、急いでアカウントを作って…』
雪
『ううん、すごく…嬉しかった』
雪
『でも、それからあっという間だったな。
えななんが入って、Amiaが入って、
サークル名が決まって…』
えななんが入って、Amiaが入って、
サークル名が決まって…』
雪
『一年前は全然想像してなかったなぁ。
こんな風に誰かと一緒に曲を作れるなんて』
こんな風に誰かと一緒に曲を作れるなんて』
えななん
雪
『ありがとう、K。誘ってくれて』
K
『…そんなの、いいよ』
K
『……』
K
『…ねえ、雪は、なんで一緒にやろうって思ってくれたの?』
雪
『え?』
雪
『面白そう…って思ったからかな?
誰かと曲を作るなんて、なかなかできないことだし』
誰かと曲を作るなんて、なかなかできないことだし』
雪
『あとは、初めて聴かせてもらったKの曲がすごく印象的だったの。
あの時、私…』
あの時、私…』
雪
『──Kの曲に、救われたような気がしたんだ』
K
『え?救われた…?』
雪
『え?あ、私、なんか変なこと言っちゃったね。
そろそろ作業に戻ろう、K。
朝になっちゃうよ』
そろそろ作業に戻ろう、K。
朝になっちゃうよ』
K
『…う、うん。
雪
『それじゃ、今日はここまでだね。
またね、K』
またね、K』
奏の部屋
K
そっか…
K
ちょんと救えてたんだ。
私の曲で
私の曲で
K
よかった…
まふゆの部屋
雪
………
雪
救われた…?
雪
なに、言ってるんだろ
雪
…OWN、か
SNSのコメント
OWNの曲聴くと、どこかに引きずり込まれそうな気分になる
SNSのコメント
この曲の作ったヤツ、どうかしてるだろ。
どこの誰なんだ?
どこの誰なんだ?
SNSのコメント
聴いてると、このまま消えたくなる
でも、何度も聴きたくなるから不思議
でも、何度も聴きたくなるから不思議
雪
…くだらない
雪
こんな曲作り続けても、まだ全然見つけられない
雪
見つけられないなら、私は…