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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

Amia

『ふわぁ…今日はもう限界かなー。
ボクそろそろ落ちるね〜』

『うん。おやすみAmia』

えななん

『じゃ、私も…って、そうだ。
みんなに言おうと思ってたことがあったんだ』

えななん

『ねぇ───"OWN"(オウン)って知ってる?』

K

『OWN…?』

Amia

『あ!知ってる知ってる!
一部で騒がれてるやつよね〜!』

『そうなの?OWNって一体…?』

Amia

『ボク達みたいに曲を作って、投稿してるクリエイターだよ!
2週間くらい前に、まさに流星のごとく!って感じで現れて、投稿した曲全部、20万再生くらいいってるんだよ〜』

『全部、20万再生?新しい人でそれはすごいね』

K

『気がつかなかった…いつのまにそんな人が?』

Amia

『知らないのもしょうがないよー。
ボクも結構マニアックな友達に教えてもらって昨日知ったし』

えななん

『URL貼っておくから聴いてみてよ。
ふたりともびっくりすると思う。
すごく、圧倒されちゃう曲だから』

『そんなにすごいんだ』

えななん

『うん。なんていうか、Kの曲を初めて聴いた時と同じ感じようながしたの。
言葉にできないことを全部形にしてくれる、みたいな…』

えななん

『でも…Kの曲と違って、OWNの曲はすごく冷たくて…』

K

『冷たい…?』

えななん

『うん、上手く言葉にできるかはわからないけど…
Kの曲はほら、暗いような苦しいような雰囲気があっても、どこかちょっとあったかい感じがしてるんだよね。』

えななん

『OWNはそういうのが全然ないの。
どこまでも冷たいし、全部を拒絶してるみたいな感じ。』

えななん

『でも、そこに魅力があって…
正直、ちょっと怖いくらいなんだけど。私は好きなんだ』

Amia

『わかるなー。あのキレッキレに鋭い感じがいいよねぇ。
あんな曲作れるなんて、いったいどんな人なんだろ?』

えななん

『さあね、興味はあるけど…知りたくはないかな』

えななん

『…私ももっとすごい絵が描けたらな…』

K

『えななん?』

えななん

『あ…。
なんでもない。ごめん、気にしないで』

『えななんの絵は十分すごいと思うけどな』

えななん

『えっ?』

『いつもKの曲のイメージにぴったりだし。
今回のイラストもすごく綺麗で、私びっくりしちゃった』

『優しくて、繊細で、でもちょっぴり寂しそうで…。
素敵な絵だなって思った』

えななん

『…ほんと?』

『うん。私はえななんの絵、好きだよ』

えななん

『…そう。ありがと、雪』

Amia

『ふわぁ〜』

Amia

『さすがに眠くなってきちゃったなー。
そろそろボクは落ちるねー』

えななん

『あ、私もそろそろ寝ないと。
それじゃ、また明日ね!』

K

『OWN…』

K

『…この人、か。もう4曲も出してるんだ』

『そうだね。どんな曲なんだろう?
聴いてみよっか』

K

『……!この曲…』

K

(…必死に、叫んでるみたい…)

K

(苦しくてどうしようもなくて、
たった1人で絶望してる…そんな曲…)

『な…なんだか、すごい曲だね…』

K

『………うん』

K

(でも、この音…この雰囲気…。
どこかで聴いたことがあるような…?)

K

『あ…』

『…はぁ、一曲聴いただけでなんだかどっと疲れちゃった。
圧倒されるっていってたの、ちょっとわかるな』

『どうする、K?他の曲も聴いてみ…』

K

『ねえ、雪』

K

『この曲──雪が作ったんじゃない?』

『え?』

K

『昔、雪が作った曲に似てる』

『………』

『…そうかな?』

『うーん、自分じゃよくわからないかも。
私はこんな音選びとかアレンジはできないし…』

『それに、こんな重い歌詞も書けないよ』

K

『たしかに、歌詞の書き方は全然雪とちがう…。でも…』

『ふふ、Kにそこまで疑われると、逆に自信ついちゃうな』

『みんなにすごいって言われてる人と間違えてくれるなんて』

K

『…ごめん』

『ううん、気にしないで。
それにしてもK、私が作ってた曲、覚えててくれたんだね。
もう1年以上前になるのに』

K

『…うん。すごく印象的だったから』

『そっか。
…Kと最初に連絡を取り合ってから、結構経つんだよね』

『いきなり、アイコンもないしフォロワーも0な人から、一緒に曲を作らないかってDMがきて…』

『最初、スパムかなって思っちゃった』

K

『あれは…。雪の曲を聴いて、すぐ連絡しなきゃって、急いでアカウントを作って…』

『ううん、すごく…嬉しかった』

『でも、それからあっという間だったな。
えななんが入って、Amiaが入って、
サークル名が決まって…』

『一年前は全然想像してなかったなぁ。
こんな風に誰かと一緒に曲を作れるなんて』

えななん

『ありがとう、K。誘ってくれて』

K

『…そんなの、いいよ』

K

『……』

K

『…ねえ、雪は、なんで一緒にやろうって思ってくれたの?』

『え?』

『面白そう…って思ったからかな?
誰かと曲を作るなんて、なかなかできないことだし』

『あとは、初めて聴かせてもらったKの曲がすごく印象的だったの。
あの時、私…』

『──Kの曲に、救われたような気がしたんだ』

K

『え?救われた…?』

『え?あ、私、なんか変なこと言っちゃったね。
そろそろ作業に戻ろう、K。
朝になっちゃうよ』

K

『…う、うん。

『それじゃ、今日はここまでだね。
またね、K』

奏の部屋

K

そっか…

K

ちょんと救えてたんだ。
私の曲で

K

よかった…

まふゆの部屋

………

救われた…?

なに、言ってるんだろ

…OWN、か

SNSのコメント

OWNの曲聴くと、どこかに引きずり込まれそうな気分になる

SNSのコメント

この曲の作ったヤツ、どうかしてるだろ。
どこの誰なんだ?

SNSのコメント

聴いてると、このまま消えたくなる
でも、何度も聴きたくなるから不思議

…くだらない

こんな曲作り続けても、まだ全然見つけられない

見つけられないなら、私は…

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