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別に君じゃなくて良かった このむしゃくしゃする気持ちを 一瞬でも忘れることが出来れば。
私の事なんて心に溜めずに ただただ、
あの夜を一緒に過ごしてくれる人なら誰でもよかった。
____ブーブーブー。
枕元でスマホが鳴っていた。
2年以上使っているスマホはことあるごとに不具合をおこして、 画面に表示されている電池は 私の心のバロメーターみたいに 減るのが早い。
なのにこうして設定したアラームだけはしっかりと起動して、私を憂鬱な朝へと導く。
部屋着から制服へと着替えた私は リビングへと向かった。
すでに朝ごはんのいい香りが漂っていたけれど、朝食を食べない私は いつもみんなより少し遅く下へ下りるようにしている。
海月
晴江
お母さん
美波
美波
甲高い声で喋るこの子は、 美波 という名前。
この家の一人娘であり、 父親よりも母親に媚びを売っておけば好きな物が買ってもらえるから、 晴江さんの前では常にいい子で いる。
そんな唯一変わってることといえば 家族じゃない私が一緒に住んでいることくらいだ。
海月
洗面所で身支度を整えたあと、 私は誰よりも先に家を出た。
・・・はあ。
空に向けて吐いた息は冷たい風の中に消えていく。
カレンダーが10月になってから随分と気温が下がり、寒がりの私はもうポケットに使い捨てカイロを入れている。
高校に入学して変わったことといえば、髪の毛を伸ばすようになったことと、体重が2キロ減ったことと、異常なまでに静電気が発生するようになったことと、まだまだある。
変わったと、自分で認めれば いくらだって___
店員
立ち寄ったコンビニで300㎖の ほっとレモンを買うのが最近の日課
手軽に2個分のビタミンCが補給できるとラベルに書いてあるけれど、体が温まればなんでもいい。
私はお財布から小銭を出してトレーにのせる。
はじめのうちはレジ袋を尋ねられたけれど、対応してくれる定員はいつも同じだから最近は聞かれなくなった。
店員
……
海月
名前は?年は?学校はどこ? 聞かれることはいつも同じ。
私は他人に興味がないというのに、なぜか周りから興味を持たれる。 こんなにも無愛想で、貰ったレシートだってすぐに丸めて捨ててしまう女なのに。
ーここから会話文ですー
先生
先生
先生
先生
クラスのみんな
クラスのみんな
先生
先生
海月
海月
海月
美波
クラスのみんな
クラスのみんな
クラスのみんな
クラスのみんな
美波
悠真
そこにいたのは 佐原悠真 だった。
着崩した学ランの下にはトレーナーを着ていて、上履きはかかとをつぶきてだらしなく履いている。
サラサラと揺れる髪の毛はほんのり茶色くて、右耳にはキラリと光るピアスがひとつ。
細身だけどタッパがあり、彼は学校のどこにいても目立つ。 それでいてひとりでいるところを見たことがないほど、いつも大勢の友達とあ一緒にいる。
佐原と目が合ったけれど私は挨拶をし返すこともなく、再び裏庭の景色に視線を戻した。
悠真
シカトされてると分かってるのに、佐原は私の隣へとやってきた。
同時にふわりと甘い匂いがして私は目を細める。
嗅覚は鮮明に記憶を連れてくる。 この匂いはあの日も嗅いだ。
悠真
海月
悠真
悠真
海月
悠真
海月
悠真
海月
悠真
悠真
海月
もう一度言う。 佐原を誘ったのは遊んでいる人だと思ったから。
____「ねぇ、朝まで一緒にいてよ」
そう言って誘ったあと駅前のホテルに入って、雨で濡れた体なんて関係なくベッドに入った。
過去になんとなく言い寄られて 付き合った人はいたし、人並みには経験していた。
こんなふうにべつに親しくもない 佐原の手を引いて、むしゃくしゃしていた気持ちをどうにか静めようとしていた自分自身に驚きながらも、それしか方法が思いつかなかった。
佐原は私を受け入れなかった。
「俺、そういう経験ないから」 って、遊び慣れていると思っていた佐原がまっすぐに言って。
悠真
佐原は不機嫌に頭をガシガシと かいた。
悠真
海月
悠真
海月
悠真
私はその言葉に呆れたようにため息を吐いた。
海月
海月
悠真
海月
_授業が終わり、放課後_
珍しくアラーム以外でスマホが振動していて、私は制服のポケットから取り出して画面を確認する。
【 これからカラオケ行くんだけど、どう? 】
それは、佐原からのメッセージだった。
実はあの後連絡先を聞かれて何度も断ったけれど、あまりのしつこさに思わず教えてしまったのだ。
しかも【 ちゃんと登録した? 】 【電話とかかけていい時間ある?】 【つーか数学だるすぎ。 そっちの授業はなに?】 と、返事としていないのに メッセージは次々と届く。
カラオケって、行くわけないでしょ と、心の中で思いながら私はそのままスマホをしまった。
今回はここまでです! 勉強しなくちゃいけないのでまた今度続き書くかも! このお話は小説にもあるよ! 「100日間溢れるほどの好きを教えてくれた君へ」という本です! 恋愛小説でもあり、感動のお話でもあります!この本めちゃくちゃおすすめなので読んでみてください!!