類母
知らない奴の作った飯なんて食えるかよッッッッ!!!!
類母
出てけよッッッ、さっさとッッッッ!!!
神代類
ごめんね、母さん
類母
勝手に母さんって呼ぶなよッッッッ!!!!
類母
死ねッッッ、お前なんて居なくなれッッッッ!!!
神代類
ッ……
神代類
…死ねと思うなら、いっそ殺してくれ
類母
はぁ゛!?他人のくせに生意気なこと言うなよッッッ!!
神代類
……ごめんなさい
休日は嫌いだ
1日中家に居ないといけないから
早朝から起きて朝ごはんを作って、父親のお弁当を作って
昼間は母親の面倒をみて
夜は父親のストレス発散につかわれて
神代類
(疲れた…)
神代類
(楽に、なりたい…)
神代類
はぁ…
神代類
昨日は一段と酷かったな…
神代類
(死ねなんて久しぶりに言われた)
神代類
(……少し、悲しかったな)
神代類
(そんなこと思ったって、なにも変わらないけど)
天馬司
類!!こんなところにいたのか!!
神代類
せんせー…?
天馬司
誕生日おめでとう!!!
神代類
え……あの、状況が分からないんですけど
神代類
僕、今日誕生日なんですか?
天馬司
ああ、今日はお前の誕生日で、お前が生まれてきた日だ
神代類
僕が…生まれてきた日……
天馬司
これ、オレンジジュースだ
神代類
ありがとございます
神代類
僕の誕生日、どうやって知ったんですか?
天馬司
入学手続きの紙に書いてあった
神代類
なるほど
神代類
…初めてです、こうやっておめでとうって言われたの
神代類
ありがとうございます!
天馬司
いや、いいんだ
天馬司
お前が初めて笑って、俺は嬉しいぞ!!
神代類
そんなに笑ってませんか?
天馬司
ああ、友達と話してるときは楽しそうだが
天馬司
どこか寂しそうな目をしているからな
神代類
へぇ、初めて知った
天馬司
きっと、無意識なんだろう
天馬司
なにかあったら言えよ
神代類
…言えることは、ちゃんと言いますよ
天馬司
1人で抱えこむなよ
神代類
せんせーもね
天馬司
俺も、か…?
神代類
妹さんの話をしてから、少し元気がないからね
天馬司
明るく振る舞ってるつもりなんだが…
神代類
振る舞ってるつもりでも、隠せないことはあるんだよ
神代類
そろそろ戻ろうよ、昼休み終わっちゃうよ
天馬司
…ああ
天馬司
……咲希
「お兄ちゃんに迷惑かけたくなかった」
天馬司
(迷惑だなんて思ったことは1度もない)
天馬司
(むしろ、咲希がいてくれたから俺は頑張れたんだ)
天馬司
(咲希からもらった希望はいつだって俺を照らしてくれた)
天馬司
(……こんなこと思ったところで、咲希は帰ってこない)
天馬司
(ただ、自分励ましてるだけじゃないか)
天馬司
俺は…どうして大事な妹が追い詰められてることに気づけなかったんだ
天馬司
お兄ちゃん、失格だな……
天馬司
…咲希は屋上から飛び降りてたな
天馬司
俺は必死になって自殺をとめた…
天馬司
でも、咲希は死んだ
天馬司
俺が追い詰めたんだ…
天馬司
なら、俺も死ぬべきだよな
東雲彰人
神代、今日誕生日なんだろ?
青柳冬弥
これ、炭酸だ
神代類
え……あ、ありがとうございます
東雲彰人
無理すんなよー((ナデナデ
神代類
わ、
青柳冬弥
そういえば、天馬先生はどうした?
神代類
いっしょに来て……あれ?
東雲彰人
いないぞ
神代類
もしかしたら、まだ屋上にいるのかも
神代類
僕、迎えに行ってきます
東雲彰人
授業遅れんなよー
天馬司
(風が気持ちいい…)
天馬司
……
天馬司
やり残したこと…特にないな
天馬司
(咲希は、俺が死んだら怒るだろうか)
天馬司
いま…行くからな、咲希
神代類
せんせーっッッ!!!
ガシッ
天馬司
…類?
天馬司
…離してくれないか?
神代類
いやです、絶対に離しません
天馬司
なぜだ?お前も辛いなら自殺したくなる気持ちが分かるだろう?
神代類
それでも、絶対に離しません
天馬司
離してくれ、頼む
天馬司
生きてることが、しんどいんだ
天馬司
もう、解放してほしい
神代類
こんなことしたら、妹さんが悲しみますよ!
天馬司
咲希は俺が殺したんだッッ!!
天馬司
俺が咲希のことを考えないで行動してッッ
天馬司
咲希を追い詰めてしまったッッ
天馬司
なら…俺も死ぬべきだろう?
神代類
っ……
神代類
(駄目だ、今のせんせーに妹さんのことを言っても、なにも響かない)
天馬司
もう、疲れたんだ
天馬司
やり残したことも、なにもない
天馬司
だから…頼む、その手を離してくれ
神代類
いや…です
神代類
せんせーが死んだら、僕の誕生日誰に祝ってもらえばいいんですか…?
神代類
初めて…生まれて初めて「おめでとう」って言われたんです
神代類
初めて…生きてることを、認めてもらえた気がしたんです
神代類
嬉しかったんです、誕生日プレゼントももらったことがなかったから
神代類
本当に嬉しくて、次の誕生日が楽しみになったんです
神代類
…やり残したこと、なにもないって言いましたよね?
天馬司
…ああ
神代類
僕のこと、救ってくれるんじゃなかったんですか…
天馬司
っ…それ、は…
神代類
せんせーが決めたんですよ、僕のことを救うって
神代類
中途半端な救いが1番残酷なんですよ!!
神代類
救うって決めたら、最後まで諦めないで救ってください!!
天馬司
類……
天馬司
だが…俺にお前を救える資格があるのか?
天馬司
咲希を、殺してしまったのに…
神代類
資格とか…妹さんを殺したとか、そういうことも考えちゃうかもしれないけど
神代類
せんせーがいいんです
神代類
せんせーとたくさん話したいんです
天馬司
類……
天馬咲希
お兄ちゃん
天馬咲希
あたしが死んでも、お兄ちゃんは死んじゃだめだよ
天馬咲希
あたしのことは気にしないで
天馬咲希
あたし、お兄ちゃんの妹で幸せだよ
天馬咲希
だから、頑張ってあたしの分まで生きて
天馬咲希
お兄ちゃんが自殺したら、怒るからね
天馬咲希
…それと、あたしみたいに追い詰められてる人がいたらがいたら気にかけてあげて
天馬咲希
寄り添ってくれるだけで、嬉しい人はたくさんいるから
天馬咲希
…約束だからね
天馬司
(そうだ…約束したじゃないか…)
天馬司
(追い詰められてる人がいたら、気にかけてあげて…と咲希も言ってたじゃないか)
天馬司
(そんなことも忘れて、俺は自分のことしか考えていなかった)
天馬司
(周りのこと、なにも考えてないじゃないか)
天馬司
(なにも…成長してない)
天馬司
類……俺はお前のことを救えるだろうか?
天馬司
俺の"救い"は本当に"救い"なのか?
神代類
救いに正解も不正解もないですよ
神代類
救いがその人を追い詰めてしまうのか、そういうことは分かりませんが
神代類
寄り添ってくれるだけで、人は嬉しいと思います
天馬司
……咲希と同じことを言ってるな
神代類
え?
天馬司
咲希も死ぬ前に、こう言ったんだ
天馬司
「追い詰められてる人がいたら、気にかけてあげて」
天馬司
「寄り添ってくれるだけで、人は嬉しいから」
天馬司
そう、約束したんだ
天馬司
それを忘れいてた
天馬司
類、思い出させてくれて、ありがとう
天馬司
重いと思うが、引き上げられるか?
神代類
が、頑張ります
神代類
はぁ…はぁ…
神代類
疲れた…
天馬司
類、すまない
天馬司
勝手に死のうとして
天馬司
お前のことを救うとか言ってたくせに
天馬司
誕生日だって、俺が祝うと言い出したんだから、最後まで祝わないとな
天馬司
ありがとう、咲希との約束を思い出させてくれて
天馬司
それに、ちゃんとお前のことも救うからな
神代類
……
神代類
できるといいですね…






