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#紫苑わーるど!
349
緑山紫苑
421
#スゴク・ビケイ
かなちゃんに
さらっと
シスタスの花小人が
生まれたことを連絡した後、
シスタスは先ほど
青いチューリップの中から
生まれた花小人を眺める。
とは言っても
チューリップの花びらで
体全体をすっぽりと
隠しているため、
頭しか見えないが。
あ、
そういえば、
シスタスの花小人が生まれてたら
3日後にかなちゃん、
自身の育てた花小人の
『お願い』
を聞いちゃって
死んだんだったな……。
なんとか助けたいけど……。
シスタスは
青いチューリップの中に
隠れている花小人を
じっと眺めながらも考える。
だが、
だんだんと
どうでも良くなってきた。
そうだ、
原作だと
かなちゃんが死ぬのは3日後。
つまり、
あと3日は死なないはずなのだ。
今は
自分の花小人のことを考えよう。
シスタスは屈んで、
花小人と目線が合う位置へ
移動する。
原作のシスタスは
「きゃわいぃぃぃぃ♡♡♡よろしくね!シスタスなの!」
とか叫んで花小人を摘んで
ほっぺをつんつんしている描写が
描かれていたが、
シスタスはそんなことはしない。
いや、
原作通りに行動すれば
さらに
先読みがしやすくは
なるのだろうが、
正直シスタスの気が持たない。
原作とは違い、
今のシスタスは
もう少し落ち着いているのだ。
もし、
シスタスがこの花小人を3ヶ月間、
干からびて死ぬまでを
見届けるとすれば、
3ヶ月くらい狂った主人公、
大体はシナリオ通りに
進めてもよかった。
3ヶ月で済むからだ。
しかし、今、
シスタスはこの花小人を見て
気が変わってしまった。
この花小人を死なせたくない。
ずっとずっとシスタスのモノ、
何年もずっと一緒に生きていたい
と思う程には
一目惚れをしてしまった。
そうなると、
原作のシスタスのような
狂人を演じるのは
長期的に見れば
デメリットが大きすぎる。
この、青いチューリップの中に
隠れている
水色の髪の毛に
サファイアのような知的な瞳の
可愛い可愛い花小人には、
ありのままのシスタスを
愛して欲しいと思ってしまった。
まぁ、
花小人に
『愛』という感情が
あるのかは怪しいが。
そのため、
シスタスはそっと優しげな声で
チューリップの花びらに
人差し指を当てて話しかけた。
メルティ・シスタス
メルティ・シスタス
メルティ・シスタス
チューリップの花びら越しに
花小人の体温が
じんわりドクッドクッと、
早い心音と共に
シスタスの人差し指に
伝わってくる。
ああ、生きてる……。
ここにあるんだな小さな命が。
シスタスは
ほんの少し力加減を間違えば
すぐに散ってしまう
小さな命に心が躍る。
これが
(もし5人の人間に『お願い』を実行させたら)
将来人間サイズに成長する
可能性があるなんて驚きだ。
ああ、なんて愛らしい。
花小人はついに
チューリップの花びらを
少し内側にめくり、
小さな瞳をこちらへ向けてきた。
髪の毛と同じで水色の眉毛を
ハの字のままに、
シスタスの人差し指に
そっと触れてくる。
花小人(青いチューリップ)
花小人(青いチューリップ)
花小人は
鈴の鳴るような透き通った、
綺麗な声で
シスタスの人差し指を抱き込み、
上目遣いでおねだりをしてきた。
メルティ・シスタス
花小人の可愛いおねだりだ。
この『お願い』は
シスタスの命に関わらないことは
知っている。
だが、
だがっ!!
解釈違いだ!!!!!!
確かに、可愛い、
可愛い、可愛いが、
なんか、
声が思ってたのと違う……。
見た目も何もかも完璧なのに
声だけがなんか違うんだっ!
いや、シスタスが勝手に
小説を読んでいる時に、
こんな声なんだろうな、
なんて頭の中で勝手に
思い込んでいたのが
大きいと思うけどっ!
シスタスは
少年のような、青年のような、
イケボなカワボが好きなのだ。
わかるかっ?!
とっても可愛いけど
かっこいい青年の声、
ちゃんと誰が聞いても
『男』
だとわかるような
透き通った可愛くてイケボが
好きなんだっ!!
しかし、
実際に花小人の声を聞いてみたら
なんなのっ?!
そのすずを転がすような
透き通った
『中性的でギリ女性寄りな声』は?!
いや、そういう声も好きだ!
しかし、
しかし…………。
シスタスの花小人への愛は
急速に冷めていった。
そう、あっけなく。
ただ声の解釈違いだけで。
花小人からしたら
『勝手に期待して勝手に失望された』
という、かなり
理不尽な状況である。
コメント
1件
うわ、シスタスさんの「解釈違い」爆発してて笑っちゃったけど、ちょっと切なくもあったよ……。青いチューリップの中から現れた花小人、見た目は完璧で一目惚れしたのに、声が想像と違うだけで急速に冷めるの、めっちゃわかる。でも花小人からしたら理由が「勝手に期待して勝手に冷めた」って理不尽すぎてかわいそう(笑)。シスタスさんの本音の「イケボとカワボ好き」がちゃんと書かれてて、個性なんだなって思えたエピソードだったよ!