若い友情 #5

作業が終了したクラスも出てきて

私たちは少し焦っている…。

…何も言わなかった。

島崎先生が苗を植えている間に

最後に植える苗を取りに行った。

作業が終わった同学年のクラスの子達と島崎先生が

笑って話しているところを見た。

私は、なんでこんなにも

悔しいんだ…？

寂しいんだ…？

別に何も思っていないはずなのに。

花壇の真ん中に植える苗を

ひとりで３つ抱えて戻った。

花壇の周りに座り込んで、

作業を再開した。

びっくりするほど距離が近い。

私はひとつのスコップを両手で持って渡した。

島崎先生が戻って来るまでに、

最初に貰ったプリントを返しに行った。

私は花壇に戻った。

島崎先生も戻っていた。

苗が入ってあるポット(黒いやつ)を手渡された時、

島崎先生の指と私の指が

軽く触れた。

笑顔でそう言う島崎先生。

少し混乱している私。

指が触れたくらいで焦るとか…

しかも島崎先生に…。

どうしてだ…？

私は軍手を抜き、

最後に花壇周りを整え、

部活に行く準備(というか覚悟)をした。

島崎先生が指した先には、

カゴに詰められた大量のチューリップの球根があった。

以前植えたチューリップの球根が

まだ残っている学年もあったので、

今ここに大量の球根があるのだそう。

島崎先生との作業は、

もう少し続きそうだ。

〜 続く 〜