こんな僕が

黄赤

* 桃赤要素 *

思ってることがすぐ顔に出て

素直で

かわいくて

彼氏のいる君に

恋をした

相棒で

親友で

僕を選ぶはずのない君を好きになった

こんな自分を憎んだ

君の口から彼の名前が出るたびに

湧き上がる独占欲を抑え込む日々

苦しくて苦しくて

枕を濡らさない日はなかった

だけどそんなある日、

どうやら彼氏と喧嘩して

家を飛び出してしまったみたいだった

苦いのが嫌いなりいぬのために

ココアを用意しようとした

でも

つい魔が差して

ココアを淹れたあと、

……

普通は無いはずのものがあったのも

りいぬがさとみくんと喧嘩したのも

全部、神様が僕にくれたチャンスなんじゃないか

なんて、

ココアを飲んだあと、

夢の中に堕ちたりいぬに覆い被さって

服を脱がす

つもりだった

できなかった

好きな人をこの手で汚すなんて

弱虫な僕には到底できなかった

無防備に眠る君に

届かない愛を呟いて

額にそっとキスを落とした

溜め込んでいた黒い感情を優しさに変えて

精一杯の愛を込めて。

Fin ．