遅咲きラブレター

ラブレターって、渡して相手が受け取ってはじめて成立するものだと思う。

どれだけ私が貴方に渡しても 受け取ってもらえなきゃ意味がないの

だから、早く卒業したいや

高校生の頃、先生が好きだった

美術担当だからテストは無かったけれど、美術部に入った。

とにかく良い所を見せたかった。

美術部員は少なく、入部してる子もほぼ幽霊部員だった。

私一人で活動するという事も珍しくなく、たまに部活中に来る先生と2人で話すのが好きだった。

私の担任になった時、いつもダルそうにしてる先生が1番体育祭を盛り上げようとしていた。

文化祭だって、放課後も残る私達に差し入れを持ってきてくれた。

ねぇ、先生。そういうギャップが悪いんだよ？

私がどれだけ「好き」を伝えても、それはいつも一方通行のラブレターで返事を貰えることは無かった。

卒業式で、大泣きした。

先生は、困った顔をして慌てふためいてたっけ

だから、先生に無理言って連絡先を教えて貰った。

「2人だけの秘密だぞ」って、そんなのズルいよ…

「もし…もし、異動になったら 絶対連絡してね！」

「はいはい」って、本当に教えてくれるのかも分からないような返事をして先生とは別れた。

あれから数年。先生からは何の連絡も来ない。

約束を忘れたのか。それとも…

数年の時を経て、私は母校に帰ってきた。

今度は教わる側じゃなくて教える側として

ねぇ、先生

好きだよ