るー様2000人記念コンテスト
#るーさん2000人ってマ!?
1.貴方をスカウトします 4.私が世界一です 以上の部門に参加かせて頂きます
作品
『言葉の足枷』
…嗚呼
俺って変わっちゃったんだな…
ちょっと前だったら
"社長"って言うのが誇りだったのに
今は…もう
その言葉は足枷だ
N
今はちょうど月が1番上にいる深夜2時頃 そんな深夜に目が覚めた
良く小説で見る悪夢……みたいな
そういうのを見たわけじゃない
でも…毎日…眠りについて30分もしない内に目が覚める
今日もだ
今日も、……
N
まだ部屋は月明かりに照らされている
ピンク色に染まった俺の髪が月明かりに反射し そのまま俺の腕に飛び込む
ちょっと前までは誰が見ても綺麗だった俺の腕は
今では刃物で赤く引かれた細い線と
赤黒く、アザのようになった爪痕で埋め尽くされている
N
疲れた
死にたい
消えちゃいたい
もう限界
そんな言葉は口が裂けても言えなかった
なんで、?
だって俺は…
社長だから
N
N
横目で時計を見て時間を確認すると丁度5分後には会議の予定が入っていた
N
鏡に映る自分を見る
隈なんかあったらメンバーにごちゃごちゃ言われてめんどくさいからね
N
そう言って自分のオフィスを出る
腕を隠していない。そんな事実を忘れて…
N
N
今日はメンバーでVOISING社集まって会議……
だけのはずやったんやけど
見てもうたんよね
ないこの腕にあった大量の傷を
Y
N
N
Y
N
N
Y
N
Y
N
Y
Y
N
N
Y
……会議終わったら問い詰めよ
N
S
I
H
L
N
N
N
N
寒色組
寒色組
Y
L
N
N
N
N
Y
N
N
Y
N
Y
Y
N
ばれた
あにきに
腕のことが
……誤魔化せないって分かってても
N
無理して笑って誤魔化してみる
Y
N
Y
Y
Y
N
N
声が震える
自然と目尻が熱を帯びて
生暖かい水が頬を滴る
あにきが怒ってるって感じてるわけじゃない
言う事が嫌って訳でもない
ただ
信頼を失いたくなかった
数秒の沈黙が流れた後
人肌の温かさと共に俺の視界が黒に染った
Y
そう言うあにきの声が耳元で聞こえて
初めて、抱き締められているんだと認識した
留めなく涙が頬を滴る
Y
Y
Y
Y
Y
Y
N
あにきの質問はよく分からない
でも答えないといけないと思って
思った事をそのまま口に出す
N
Y
N
Y
あにきが少し食い気味にそう言った
N
『無理なんてしてない』
その言葉は嘘に当たるかもしれない
Y
Y
Y
さっきから兄貴の言ってくることは全て図星で
抑えようとしていた涙がまた溢れてくる
N
N
N
N
Y
N
力無く
それでもあにきに伝わるように
小さく頷く
そうすると
あにきの抱き締める力が少しだけ強くなった
Y
Y
Y
Y
Y
Y
Y
Y
あにきのそんな言葉と共に
俺に付いた重い重い足枷が薄れていくような気がした
あにきの俺にかけている言葉は嘘かもしれない
それでもいい
今だけでもいいから
幸せに浸っていられる事が
何よりも嬉しかった
それから
俺の事はあにきの口からメンバーをはじめ
VOISING全体に伝わった
まだ自傷癖は抜けないし
人に頼るのも慣れない
だけど
"社長"
そんな言葉の足枷は無くなった
眠れなかった夜も前よりは眠れるようになってきた
N
N
『言葉の足枷』
END
コメント
2件
涙腺崩壊しちゃった