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朽葉 慎之介

……

慎之介が靴を履き替えていると、後ろからポンッと手が置かれた。

美園 誉

よっ!

美園 誉

慎之介

朽葉 慎之介

…!

朽葉 慎之介

(こいつまじか)

朽葉 慎之介

(昨日俺ら縁切ったんじゃねーのかよ)

美園 誉

慎之介って考えてること馬鹿みたいに顔に出ててウケる

朽葉 慎之介

……なんの用だよ

美園 誉

え?わかんない?

美園 誉

真紘のことで話したいんだけど

朽葉 慎之介

俺はない

誉はバンッと下駄箱に手を置いて、慎之介の行く道を塞いだ。

美園 誉

"俺は"あるの

朽葉 慎之介

……

美園 誉

ここじゃなんだから、場所変えよっか

誉はニコッと笑った。

朽葉 慎之介

体育館裏…

美園 誉

大丈夫大丈夫

美園 誉

殴ったりはしねーし

美園 誉

つか、体格的にも負けそう

朽葉 慎之介

早く本題

美園 誉

へいへい

美園 誉

…慎之介さぁ

美園 誉

俺と友達やめたのはいいよ?

美園 誉

だけど真紘に乗り換えるのは違うじゃん

朽葉 慎之介

はぁ?

朽葉 慎之介

乗り換えてねーよ

美園 誉

俺は真紘に何もかも与えたくねーの。

美園 誉

話したよな?慎之介に

朽葉 慎之介

……ああ

美園 誉

真紘は俺が救ってやる、とか思ってる?

美園 誉

痛いんだけど

朽葉 慎之介

…思ってねーよ

朽葉 慎之介

俺はただ、誉が間違ってると思ってるだけだ

美園 誉

俺のどこが間違ってんだよ

美園 誉

ペットに玩具なりおやつなり与え続けるのはあんまりよくないの知ってる?

朽葉 慎之介

根本的な考え方が間違ってんだよ

朽葉 慎之介

天城はお前のペットじゃない

朽葉 慎之介

天城は天城だ

美園 誉

違う

美園 誉

俺のもの

朽葉 慎之介

天城がどれだけお前のせいで悩んでるか知ってんのかよ

美園 誉

え?

美園 誉

知ってるけど

美園 誉

俺のせいでどれだけ苦しんで、俺をどれだけ憎んでるか

朽葉 慎之介

知ってて……その行動か?

美園 誉

うん

美園 誉

でも無関心よりかはよくない?

朽葉 慎之介

……

朽葉 慎之介

お前がどれだけクズなのかはわかった

朽葉 慎之介

だから、もう

朽葉 慎之介

天城に構うのはめろ

美園 誉

あーもうまたそのヒーロー気取り

美園 誉

ほんっとにウザイなぁ

美園 誉

慎之介より俺の方が長く真紘と一緒にいるんだし、俺の方が真紘のことよく分かってる

美園 誉

真紘はずっとこれから死ぬまで俺のことを思い続けんだよ

美園 誉

憎くて、俺の事を殺したいって毎日思って、願って__

美園 誉

俺でいっぱいいっぱいになるんだから

朽葉 慎之介

……

美園 誉

つかもう、実際今がそうだろ?

朽葉 慎之介

お前なぁ…ッ!!!

慎之介は誉に掴みかかろうとした。

誉はそれを右手で受け止める。

美園 誉

あっぶねーな

朽葉 慎之介

…チッ

美園 誉

何?

美園 誉

俺は殴り合い嫌いじゃねーよ

朽葉 慎之介

そっか

朽葉 慎之介

なら好都合…!!

慎之介はもう片っぽの手を誉に向かって振り上げた。

美園 誉

羽島 万里

コラーーーーーーー!!!

ピタッと2人の動きが止まる。

美園 誉

万里…

羽島 万里

お前らは中学生か!!!

朽葉 慎之介

……

羽島 万里

もー…

万里は怒ったようにプクッと頬をふくらませながら誉たちの方に寄ってきた。

羽島 万里

2人でどっか行ってるからついて行ってみたらこれだよ…

羽島 万里

高校生にもなって殴り合いの喧嘩は見苦しいぞぉ

美園 誉

…っせーな

誉は万里の脇を通って歩き出した。

羽島 万里

ちょ!誉!どこ行くのー

美園 誉

教室だよ

美園 誉

…つーか、慎之介

朽葉 慎之介

…なんだよ

美園 誉

真紘に手出すな

朽葉 慎之介

はぁ!?

美園 誉

そんじゃ

誉は歩いて行ってしまった。

朽葉 慎之介

手出すなって…誰目線だよアイツ

羽島 万里

……

朽葉 慎之介

(てかコイツ、俺たちが友達やめたこと知ってんのか)

羽島 万里

うん。知ってるよ

朽葉 慎之介

心読んだ?エスパー?

羽島 万里

バカですか

羽島 万里

誉から聞いたって言うか、誉が愚痴ってんの聞いてた

朽葉 慎之介

そうか

羽島 万里

ま、俺は誉の味方だけどね

羽島 万里

あ、慎之介の敵になったわけじゃないから!

朽葉 慎之介

そうかよ

朽葉 慎之介

別に俺は誉と対立してるわけじゃない

羽島 万里

誉は完全にライバル視って感じだよね

羽島 万里

独占欲丸出しでマジで面白い

朽葉 慎之介

天城の気持ちをわかってながらアイツは……クソッ…

朽葉 慎之介

人間じゃねーよ、誉__

羽島 万里

慎之介は優しいね

羽島 万里

ふふっ。ホントに誉と合わないよね、2人って

羽島 万里

逆に今まで喧嘩とかしなかったの?

朽葉 慎之介

…しなかったな

羽島 万里

へー、いがーい…って!

羽島 万里

そんなことより!

羽島 万里

なんで急に天城を気にかけ始めたの〜?

朽葉 慎之介

……はぁ?

朽葉 慎之介

……。

朽葉 慎之介

最初は…

朽葉 慎之介

天城は何も持ってないのに、そんな天城を誉は執着してた

朽葉 慎之介

だから興味持って話しかけたら__

羽島 万里

…たら?

朽葉 慎之介

天城の話を聞いていくうちに、…

朽葉 慎之介

可哀想、だと思った

朽葉 慎之介

家庭環境とか、学校生活とか…救いがなくて

朽葉 慎之介

俺が救いになりたいなって

羽島 万里

へ〜

羽島 万里

自己満じゃん

朽葉 慎之介

確かにな

朽葉 慎之介

そうかもしれねーけど…

朽葉 慎之介

なんか、ほっとけなかった

羽島 万里

天城はどう思ってるんだろうね

朽葉 慎之介

そりゃ、迷惑がられたら仕方ねーけど、…

朽葉 慎之介

昨日話してる時の天城は俺に…いや、誰かに救いを求めてるような顔してた

羽島 万里

よっ!お節介ジジイ!

朽葉 慎之介

うるせー

朽葉 慎之介

とにかく俺は天城を救うって決めたんだ

朽葉 慎之介

誉が邪魔してもやめねーから

羽島 万里

はいはい

羽島 万里

頑張ってくださいね

朽葉 慎之介

万里は手伝ってくれないのか?

羽島 万里

え?

羽島 万里

手伝うわけないじゃん

羽島 万里

天城より誉の方が好きだし、なにより天城なんてどうでもヨッシー★

朽葉 慎之介

お前はいつもの調子だな、ほんとに__

羽島 万里

てか俺、天城嫌いだし

朽葉 慎之介

意外だな

朽葉 慎之介

万里って全人類好きそうなのに

羽島 万里

好きだけど、天城は嫌い

朽葉 慎之介

(変なやつ…)

作者

今日はもう1つ投稿します!

作者

実はこの物語ほとんど完結してるんですよ!!

作者

早くみんなに読んで欲しいので、1日2つ投稿することもあったりなかったり!

作者

それじゃ失礼します!

君が死ぬことを願っていた

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