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やっと、追い詰めた

まだ目が慣れないまま、ずっと遠くにいる彼に告げる

その王冠から手を離しなさい

後ろ手に隠した拳銃のトリガーに指を滑らせる

秋月

秋月

ようやくお出ましかよ、軍警さんよ

数秒の沈黙の後、さぞ楽しそうに口を開く

もう一度言います。

呼吸を整え、この部屋に響く凛とした声で再び告げる

その王冠から手を離しなさい

流れるような手つきで遠くの彼へ拳銃を向ける

秋月

もうソイツを出しちまうのか、

秋月

つまらねぇな

怖がりもせず、まだヘラヘラとした態度を崩さない

このままだと、本当に撃ちますが、よろしいですか

利き手で銃本体を支え、もう一方の手で利き手を支える

(私は、人を殺すためにこの仕事に就いた訳では無い…!)

秋月

おい

秋月

手、震えてるぞ

その言葉に彼女は目を一瞬見開き、体を硬くする

それ以上口を開くな。

昔に上官に言われた言葉が頭の中で反芻する

「目的の為であれば、殺せ」

「我々は正義だ。きっと、誰も咎めやしない」

その言葉に私は幾度も頷いてきた

だが、私は分かっているのだ

(私はそんなことが出来るほど、強くない)

秋月

図星か

その言葉に煽られるように彼のすぐ横を撃ち抜く

黙れ

黙れ!!!!

この叫びは焦りからだった

それ以上の言葉を言える筈もなく、俯いて唇を噛むしか出来なかった

秋月

やっぱり手前はいい女だな

同時に宙に舞う王冠

な…っ!

咄嗟に受け止めようとする両手から拳銃が零れ落ちる

それに目を向ける暇もなく、重力に逆らうことなく落ちていく王冠に向かって走る

…………!!!

危機一髪の所で王冠は自分の胸に収まった

緊張感が去り、床に座り込もうとするが、

!?

やめ、離せ…!!

後ろから急に抱擁される

抵抗しようにも、両手には大事な王冠で塞がってる為、言葉のみの抵抗しか出来ない

秋月

まるで生娘みてぇな反応だな

秋月

手前みたいな女だったら、幾らでも経験あるだろ?

き、生娘で悪かったな…!

別に恥と思った事などない

男性に現を抜かすなど、何の成果もありはしない

秋月

へぇ

無理やり顔を向けさせられる

秋月

手前の目に俺はどう映ってる

…?

貴方は怪盗だ。

私は貴方を捕まえなければならない

それだけだ。

当たり前の事を述べる

その他にあるとすれば、

(いや…何も思いつかない)

秋月

そうか

少なからず、彼は楽しそうではなかった

さぁ、もう揶揄うのはやめてください

漸くこの状況にも慣れてきた

このまま、軽くあしらえば……

ん…!?

いきなり口付けをされる

余りにもいきなりの事に目を見開いたまま硬直してしまう

自分の目にはずっと見つめてくる彼の姿が映っていた

自分の腕を前に突き出して、体を離す

…っ、はぁ…っ

不思議な事に、特別嫌悪感を抱くことは無かった

ただ、自分でもよく知らない感情に押しつぶされることが嫌だった

心が痛い

この気持ちは一体なんという名前なのだろうか

な、ぜ…

いきなり私に口付けをした

答えろ

秋月

…したかったから?

秋月

それしかねぇだろ

それだけを言うと私の前から姿を消す

待ちなさい…!

彼がいた場所へ伸ばした手は何も得られず、空虚を掴んだだけだった

…、やはり、苦手な人間だ

高鳴る心臓、紅潮する頬

隠すように顔に手を当てる

秋月

秋月

一筋縄ではいかねぇか

秋月

まぁ、だからアイツなんだけどな

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