｢次はいつ会える？｣

短編にしようと思ったんだけど 満足いかなくて連載にしました

今回で完結です

一人きりの夜

高校を卒業して 一人暮らしになった僕

一緒に寝る人なんて 当然居ない

ひとりで寝るのが 寂しいとか怖いとか そういうのじゃないけど

たまに訳もなく 寂しくなる

君がこの街を去ってから 随分とつまらない 生活になったものだ

｢いつだって待つよ｣なんて

今会えたらな。

どうしても学校の後に バイトに行くと 帰る時間が遅くなる

高校の時から 変わらない道

ただひとつ変わったのは 君がいないこと

数年前のあの日も 今日のように寒かった

僕が寒いって言ったら 手を取って温めてくれたっけ

手なんか繋いじゃってさ

今じゃ僕を温めてくれる人なんて いないよ

｢こうすれば暖かい｣って 手を繋いだまま 君のポケットに僕の手を 突っ込んだ時の

ちょっと照れた声も 温かい君の体温も

全部忘れられなくて

クラスの人気者で チャラけている君も好きだったけど

僕にしか見せない顔 僕にしか聞かせない声が 好きだったな

会いたい

ただそれだけ

君のことを考えてしまって 上手く眠れない

君が横にいたら 君の声が聞けたら

安心して 幸せに眠れるのに

仕事のことばかり 話すころちゃん

僕が聞きたいのは そんな事じゃなくて

君がこの街にいた時は 合言葉のように いつもしていた ‘次’の約束

約束の日

約束の時間

飛行機から君が降りるのを この目でしっかり確認する