雨零
雨零
雨零
雨零
さ と み
さとみ先輩とすれ違う瞬間
私は咄嗟におはよう!と声を掛けた
いつも通り冷たい君
私、愛されてるのかな?と、不安になる
いつも冷たいから、そんなの慣れたけど
気付いたら遠くにいる君
雨零
女子に囲まれている
そんな光景、もう慣れた
それだけで嫉妬なんてしなくなった
ガララ
雨零
誰も返事をしてくれない
騒がしかった教室も、一気に静かになった
私、みんなに嫌わてるんだ
私、何したっけなぁ.....?
ぶりぶり子
ぶりぶり子が来た瞬間クラスの女子がぶりぶり子の周りに集まる
ぶりぶり子
雨零
唯一声を掛けてくれるのはぶりぶり子ちゃんだけだ
ぶりっ子をしなければモテるのになぁ
と、考える私
でも、ぶりぶり子ちゃんには噂がある
表はいい子で、裏は悪い子
今までぶりぶり子ちゃんを怒らせた子はみんな不登校や転校、自殺をしている
ぶりぶり子ちゃんは、さとみ先輩が好きだから、私がさとみ先輩の彼女だって事を知ったら
顔色を変えて頭に角を生やして私の事を多分いじめると思う
ぶりぶり子ちゃんが角を生やしてる所を想像すると
少しだけ、クスッと笑える
雨零
ぶりぶり子以外
ガララ
こ ろ ん
こ ろ ん
教室に気まずい空気が流れる
雨零
こ ろ ん
こ ろ ん
静まり返っていた教室がざわめき始めた
もし、ここで変な行動でもされたら...
雨零
雨零
こ ろ ん
ガサゴソ
鞄の下に弁当箱が2つ埋もれている
これだ--------
ぶりぶり子
ぶりぶり子
き、聞きやがった、この女!
早く弁当渡して帰ってもらわないと!
雨零
そう言って私は弁当箱を強引に持たせる
こ ろ ん
な、なんで帰らないの!?
こ ろ ん
こ ろ ん
終わった
死んだ、私
雨零
こ ろ ん
ころ兄を強引に教室の外に出して扉を勢いよく閉めた
次の瞬間、教室にどよめきが起き始めた
ぶりぶり子ちゃんは口をポカーンと開けて軽く放心状態になっている
他のみんなは私が色気を売ってるとか、洗脳してるとか、ころん先輩の許可なしで勝手にそう呼んでるとか
とにかく、私が悪い事になっている
なんで!?
ただの兄妹なのに....
効果音
ナレーター&雨零の心