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目の前の景色がぐにゃっと歪む
桃から溢れ出るドス黒いオーラが
肌を切り裂くような空気と化す
おいおい
こんなのアリかよ
窮地を脱した先も窮地なんて
誰が予想できるだろうか
紫
紫
紫
桃
これヤバいやつじゃん
と察した瞬間
いつか見た黒い風が俺の体を吹き飛ばす
そのまま民家の壁に背中をしたたかに打ち付けた俺は
呆気なく意識を手放した
背中に残る鈍い痛みと
得も言われぬ不快感からどうにか身体を上げて
意識をむりやり覚醒させる
確か
桃に吹き飛ばされたんだっけか
現状を確認し
まず理解できたのは頭部に伝わる生温い感覚
どうやら
濡れたハンカチが乗せられているらしい
そして
今いる場所は路地裏ではなく
町の中にある小さな公園のようだ
それだけなら良かったのだが
なぜか俺は半裸であった
紺碧の瞳に涙を溜めて微笑む桃が
俺の顔を覗き込む
差し出された白い手を掴んだ所で
目の前にいるのはドッペちゃだと気が付いた
ドッペちゃ
ドッペちゃ
紫
紫
ドッペちゃ
紫
紫
なぜ俺は半裸なのか
その原因を思い出そうと頑張ったのだが
ドッペちゃの後方で
仁王立ちを決め込む半裸の翠を見つけたせいで余計に混乱してしまう
地獄か
翠
翠
紫
紫
翠
翠が静かに宣言する
これが現実ならば
本当に残念極まりない
テンションが下がった状態で目にする男の裸体など
毒物となんら変わりないからだ
紫
紫
翠
紫
紫
ドッペちゃ
ドッペちゃ