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テラーノベル(Teller Novel)

敦くんと芥川くん双子パロ

温かい目で見てください

こんにちは

僕は中島敦。つい先程、入社試験を合格し、武装探偵社の社員になった者です。

その後すぐ、事務所の下の階のうずまきにて社員の皆さんと雑談をしていたところ、谷崎さんの携帯が鳴りました。

どうやら依頼が来たようです

樋口一葉

……………

谷崎潤一郎

……あの

谷崎潤一郎

えーと調査のご依頼だとか

谷崎潤一郎

それで……

太宰治

美しい……

サッ

太宰治

睡蓮の花のごとき果敢なくそして可憐なお嬢さんだ

樋口一葉

へっ!?

太宰治

どうか私と心中していただけないだろ――

スパァァン

樋口一葉

なななな

国木田独歩

あ 済みません忘れて下さい

ズルズルズルズル (心中〜ちょっとだけでいいから〜

樋口一葉

それで

樋口一葉

依頼と云うのはですね我が社のビルヂングの裏手に……

樋口一葉

最近善からぬ輩が屯している様なんです

谷崎潤一郎

(普通に再開した……変人慣れしてンのかな)

谷崎潤一郎

善からぬ輩ッていうと?

樋口一葉

分かりません

樋口一葉

ですが襤褸をまとって日陰を歩き聞き慣れない異国語を話す者もいるとか

国木田独歩

そいつは密輸業者だろう

国木田独歩

軍警がいくら取り締まっても船蟲のように涌いてくる

国木田独歩

港湾都市の宿業だな

樋口一葉

ええ、無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます

樋口一葉

ですから

国木田独歩

現場を張って証拠を掴めか……

国木田独歩

小僧、お前が行け

中島敦

へッ!?

国木田独歩

ただ見張るだけだ

国木田独歩

それに

国木田独歩

密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り得の無害な連中――

国木田独歩

初仕事には丁度良い

中島敦

でっでも

国木田独歩

谷崎、一緒に行ってやれ

谷崎ナオミ

兄様が行くならナオミも随いて行きますわぁ

中島敦

(初仕事……)

中島敦

(上手くやれるかな)

中島敦

(緊張する……)

国木田独歩

おい小僧

国木田独歩

不運かつ不幸なお前の短い人生に些かの同情が無いわけでもない

国木田独歩

故に

国木田独歩

この街で生き残るコツを一つだけ教えてやる

ス…

中島敦

(………!?)

国木田さんから見せられた写真

全身が暗闇に呑まれたかのように黒く、人を刺すような目付き

間違えるはずも無い

小さい頃に生き別れとなった

僕の"双子の兄"

国木田独歩

こいつには遭うな、遭ったら逃げろ

中島敦

この人は―――?

太宰治

マフィアだよ

太宰治

尤も、他に呼びようがないからそう呼んでるだけだけどね

国木田独歩

港を縄張りにする兇悪なポート・マフィアの狗だ

国木田独歩

名は芥川

中島敦

(やっぱり……)

国木田独歩

マフィア自体が黒社会の暗部のさらに陰のような危険な連中だが

国木田独歩

その男は探偵社でも手に負えん

中島敦

何故――
危険なのですか?

国木田独歩

そいつが能力者だからだ

国木田独歩

殺戮に特化した頗る残忍な能力で軍警でも手に負えん

国木田独歩

俺でも――

国木田独歩

奴と戦うのは御免だ

太宰治

一人では〜

太宰治

心中は〜

太宰治

できない〜

太宰治

二人では〜

太宰治

できる〜

太宰治

すごい〜

国木田独歩

オイ邪魔だ

国木田独歩

除け

ひらひら

国木田独歩

全く、何故こんな奴が探偵社に……

国木田独歩

我が理想にはこんな…

ぱっ

太宰治

あ。

国木田独歩

おい太宰!仕事は如何した!

太宰治

国木田独歩

ハッ

太宰治

天の啓示待ち

谷崎潤一郎

アハハ

谷崎潤一郎

それは脅されましたねェ

中島敦

笑い事じゃないですよう

中島敦

兇悪なマフィアとか、直に死ぬぞとか……

中島敦

途んでもない処に入っちゃった

谷崎潤一郎

まァまァ

谷崎潤一郎

ボクでも続けられてる位だから大丈夫ですッて

中島敦

でも谷崎さんも『能力者』なのでしょう?

中島敦

どんな力なんです?

谷崎潤一郎

谷崎潤一郎

あんまり期待しないで下さいよ、戦闘向きじゃないンですから

谷崎ナオミ

うふふ……

谷崎ナオミ

兄様の能力素敵ですよ

谷崎ナオミ

ナオミ、あれ大好き

谷崎潤一郎

止めなッてナオミ……こんな処で

谷崎ナオミ

あら口応え?

谷崎ナオミ

生意気な口は

谷崎ナオミ

どの口かしら

ツツ…

樋口一葉

着きました

中島敦

なんか…鬼魅の悪い処ですね

谷崎潤一郎

……おかしい

谷崎潤一郎

本当に此処なンですか?

谷崎潤一郎

ええと――

樋口一葉

樋口です

谷崎潤一郎

樋口さん、無法者と云うのは臆病な連中で――

谷崎潤一郎

大抵、取引場所に逃げ道を用意しておくモノです
でも此処はホラ

谷崎潤一郎

捕り方があっちから来たら逃げ場がない

樋口一葉

その通りです

サッ

樋口一葉

失礼とは存じますが嵌めさせて頂きました

樋口一葉

私の目的は

樋口一葉

貴方がたです

ピッ

樋口一葉

芥川先輩?予定通り捕らえました

樋口一葉

これより処分します

谷崎潤一郎

芥川……だって?

重畳

五分で向かう

樋口一葉

我が主の為――

樋口一葉

ここで死んで頂きます

ジャキッ

谷崎潤一郎

こいつ……

中島敦

ポートマフィア……!

ドガガガガガガガガガ

谷崎ナオミ

兄様……

谷崎ナオミ

大丈…夫?

ドサッ

谷崎潤一郎

ナオミッ!!

谷崎潤一郎

ど、どどうしよう……

谷崎潤一郎

し、止血帯

谷崎潤一郎

敦くん、止血帯持ッて無い?

谷崎潤一郎

いや先ず傷口を洗ッて……

谷崎潤一郎

違う

谷崎潤一郎

与謝野先生に診せなきゃあ……

カシャ

谷崎潤一郎

谷崎潤一郎

医務室まで運ばないと

谷崎潤一郎

敦くん、足持ッて――

樋口一葉

そこまでです

樋口一葉

貴方が戦闘要員でないことは調査済みです

樋口一葉

健気な妹君の後を追っていただきましょうか

谷崎潤一郎

あ?

谷崎潤一郎

チンピラ如きが――

樋口一葉

谷崎潤一郎

ナオミを傷つけたね?

谷崎潤一郎

『細雪』

樋口一葉

(雪……?この季節に?)

谷崎潤一郎

敦くん

谷崎潤一郎

奥に避難するンだ

谷崎潤一郎

こいつは――ボクが

谷崎潤一郎

殺す

樋口一葉

くっ

ドドドドドドドドドドドド

チュイン

樋口一葉

!?

谷崎潤一郎

ボクの『細雪』は――

谷崎潤一郎

雪の降る空間そのものをスクリーンに変える

樋口一葉

なっ……何処だ!

谷崎潤一郎

ボクの姿の上に背後の風景を『上書き』した

谷崎潤一郎

もうお前にボクは見えない

樋口一葉

しかし……

樋口一葉

姿は見えずとも弾は中る筈っ!

谷崎潤一郎

大外れ

樋口一葉

――ッ!?

谷崎潤一郎

死んで終え――!

グググ…

樋口一葉

くッ…あ

ゴホ ゴホ…

ドサッ

中島敦

……………

芥川龍之介

死を惧れよ

芥川龍之介

殺しを惧れよ

芥川龍之介

死を望む者

芥川龍之介

等しく死に

芥川龍之介

望まるるが故に――

芥川龍之介

ゴホッ

こいつには遭うな、遭ったら逃げろ

俺でも――奴と戦うのは御免だ

中島敦

な――

芥川龍之介

お初にお目にかかる

芥川龍之介

僕は芥川

芥川龍之介

そこな小娘と同じく

芥川龍之介

卑しきポートマフィアの狗――

中島敦

龍………

芥川龍之介

なっ…………貴様は…

芥川龍之介

敦…か、?

おかえりなさい

今更ですが設定です

中島敦 本名は芥川敦。 芥川龍之介の双子の弟。幼い頃、貧民街にて異能をくらい、貧民街から離れた場所へ送還されてしまう。そのまま委員長先生が引き取り孤児院へ。どんなときでも片割れのことを思い、ずっと会いたいと思っていた。龍は世界で一番愛しくて大切な兄さん。

芥川龍之介 中島敦の双子の兄。 貧民街で突然行方がわからなくなった敦をずっと探していた。ある日、探偵社の銀髪の虎の異能をもつ者に70億の懸賞金がかかり、違和感。敦は世界で一番愛しくて大切な弟。

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コメント

1

ユーザー

最高な再開ッ👍

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