子供たちの交際が正式に認められ、屋敷に平和が戻った……かと思いきや。
ジェジェ
「……そら。おかしいと思いませんか? 最近、そら真とそらねが、私に隠れてこっそりと『家探し』の相談をしているようなのです」

朝食の席で、ジェジェが深刻な顔でトーストを切り分ける。
そら
「いいじゃない、ジェジェ。あの子たちももう大人なんだし、そろそろ自分の城を持ちたい時期なんだよ」

そらちゃんがニコニコしながら答えるが、ジェジェの表情は晴れない。
ジェジェ
「……独立。それはつまり、私の『朝の完璧な給仕』や、寝る前の『魔素コーティング(安眠用)』が届かない場所へ行くということ……。

ジェジェ
耐えられません。もし夜中にそらねが蚊に刺されたら、誰がその蚊を次元の彼方へ消し去るのですか!?」

そら
「パパ、過保護がぶり返してるよ……」

あきれ顔のそらねちゃんがリビングに入ってくる。その後ろには、すっかり家族に馴染んだ「婿候補」の彼氏くんも一緒だ。
彼氏くん(大翔)
「お義父様、おはようございます! 今日はそらねさんと、新居に置く家具を選びに行ってきます!」

ジェジェ
「……家具、ですか。……いいですか、椅子というのは背骨のS字カーブを1ミリの狂いもなく支えるものでなければなりません。

ジェジェ
私が同行して、すべての椅子の座り心地をテストして——」

そらね
「パパは来なくていいの! ……その代わり、ママをどっかデートに連れて行ってあげてよ。最近、私たちにかかりきりだったんだから」

そらねちゃんにそう言われ、ジェジェはハッとしたようにそらちゃんを見た。
ジェジェ
「……デート、……そらと、二人きり……」

ジェジェ
《 報告。……個体名:ジェジェの思考が『子離れの寂しさ』から『妻との蜜月(セカンドハネムーン)』へと一瞬で切り替わりました。……

ジェジェ
テンペストの観光局に対し、最高級のデートスポットを独占予約するための通信を開始しています。 》

ジェジェ
「……そら。……子供たちが巣立とうとしている今こそ、私たちの愛を再確認すべき時かもしれません。……

ジェジェ
今日、一日……私に、あなたの時間をすべて捧げていただけますか?」

ジェジェがそらちゃんの指先に、跪いて熱いキスを落とす。