桃赤
違和感
そう感じた
嫌な予感がして布団の中を見れば案の定血が出ている
ため息をつくのすらめんどくさく感じて俺は取り敢えずパンツとズボンを替えようと寝室を出た
新しく履いたものは冷たくてこの冬の時期では震えてしまう
そしてパンツに貼ったものの圧迫感
寝室に戻り血のついたベッドのシーツを見つめる
さとみくんがいなくて良かった
運良く今さとみくんは撮影の為ころちゃんの家に泊まっている
ガバッとシーツを取れば置いてあった枕達が床に落ちた
それらを乱暴に拾って元の位置に投げた俺は寝室をあとにして洗濯機が置いてある洗面台に足を運んだ
ピッとボタンを押すとカタカタと洗濯機が動き出し中の洗い物が洗われていく
リビングに行きカラーボックスを開ければ毛布と湯たんぽ、さとちゃんぬいぐるみクッション、などの俺が生理になった時に使うものが入っている
湯たんぽとかはめんどくさいから毛布とクッションだけを持ち、ソファーに座った
後ろから毛布をかけてさとちゃんのクッションを抱きしめて膝を曲げればいつもの整理中体勢になる
これが1番落ち着くから
1人でいると喋ることなんてなくて、静かな部屋では若干の寂しさと耳鳴りがした
生理になるとどうしても孤独さと怖さを感じさせられて、どうしてもさとみくんに会いたくなってしまう
目の閉じると過去の記憶
高校時代の時
俺は学校で生理になってしまった
俺は生理がくる予兆がなくていつからくるかもランダムで授業中ドロっとした感覚に襲われて背筋が凍ったのを覚えている
授業中でトイレに行くことも出来ず固まっていれば近くにいた男子が血の匂いがすると騒いだ
隣に座っているさとみくんがその時助けてくれたが
その日俺が生理男子だということが全校にバレて笑われ者になって
みんなが俺を避けて、虐めが始まった
でもさとみくんは俺に変わらず接してくれて、守ってくれたよね
赤
ぎゅっとクッションを抱きしめる力を強くする
まだお腹の痛さは来てない
俺は立ち上がって彼がいつも作業したり着替える部屋に行ってクローゼットを漁る
1つのパーカーを取り出しリビングに戻り、自分の服の上からその服を着た
ふわっと彼の香りが鼻を擽り抱きしめたくなる
ソファーにさっきの体勢でまた毛布にくるまる
さとみくんの香りが俺を包む
寂しさを満たそうとしたのに寂しさが増すばかり
毛布をしてるのに寒い
さとみくんの声が聞きたい
さとみくんに触れたい
…さとちゃんに
赤
桃
その瞬間俺の体は浮き、さとちゃんに持ち上げられてぎゅっとされた
赤
桃
甘く優しい声に我慢していた感情が込み上げて涙が溢れた
勢いよく抱きしめれば背中を撫でられて余計涙が溢れてくる
桃
赤
桃
~ end ~
コメント
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こんな彼氏が欲しい...
ブクマ失礼します!