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knmc
そのセリフを聞いたのは何時間前だったか。
うんいいよ、これだけ連絡返させて、と生返事しながらPCに向かい、あぁあれも、これも、とやっていたら日付がとっくに変わっていた。
忙しくてなかなか会えなくて、なんとか予定をねじ込んで泊りがけで会いに来てくれた貴重な時間だったのに。
kid
恐る恐る寝室のドアを開けると、もちさんはこちらに背を向けて、ベッドの端に寝ていた。
寝てるのかどうかすらわからず、声もかけられない。 僕はそろりと空いているスペースに潜り込む。
間髪入れず向こうを向いていたはずのもちさんが寝返りを打ち、僕の肩におでこを密着させてくる。
ああ、やっぱり。 待っててくれたんだ。 …待たせちゃったんだ。
kid
もちさんは何も言わない代わりに、僕のパジャマの胸のあたりをぎゅっとつかんだ。
僕はそれに応え、僕の横にぴったりと寄り添っているもちさんの腰を抱くように腕をまわす。
薄い布越しにもちさんの体温を感じる。
もちさんのほうに顔を向けると目が合って、唇が触れるだけのキスを交わす。
kid
knmc
つぶやくように発した僕の台詞に、もちさんも同じように返してくる。
ハグだけでストレスが軽減するだとか。 「幸せは温かい子犬」だとか。 そんな類いの幸せな空気が、僕を眠りに誘う。
明日の朝、王子様のキスで目覚めるのを夢に見ながら。
完