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ルル
私は
魔術師にはならない
仕事をしていく上で魔術を使うことがあっても、本当にしたいことじゃない
ルル
ベッドの横にある星のオブジェ
これは回夢(かいむ)と言って見たい夢が見れる魔導具
その、大切すぎるお守りを 私はぎゅっと抱きしめる
ルル
緊張しながら階段を降りると、いつものようにレナさんが店の準備をしていた
ルル
レナ
ルル
どうしよう、声が震える
ルル
ルル
レナ
ルル
心臓がちくりと痛む
ルル
ルル
レナ
ルル
レナ
レナさんは、ふわっと微笑んだ
ルル
心臓の音が聞こえる 魔術師様ことを考えないと、口にしないと生きている実感が持てない
だから今
ルル
ルル
すっごく意識がふわふわしていて
足元が地に着いている気がしなくて
こんなこと、魔術師様に会った時以来だ
気がつけば、今日の仕事は終わっていた
ルル
ルル
レナ
ルル
レナ
ルル
ルル
レナ
ルル
本人が、鮮明に思い出せないと効果がないことは調べて知っていた
だから、この魔術を使うために、見習い試験に合格しないといけなかった
レナ
ルル
一ヶ月後、私とレナさんは魔力の濃い 森にやってきた
ルル
本当は2週間でマスターしていたけど、練習を重ね続けて一ヶ月経った
ただ、強い魔法は練習も危険が伴うので、基本操作だけ
試し撃ちはしていない
だから、これが最初の挑戦
レナ
ルル
私は目の前の地面に魔導具を置いた
黒い木に透明な糸を張り巡らせた 膝くらいまでの大きさの装置
ルル
ルル
私は素早く杖を振った
魔導具に向かって、正確に、魔法陣を描くように
ルル
あとは目を閉じる
そして感じる鎖を
決して切らさぬように
ルル
ルル
何かを感じ取っても 決して動じてはいけない
集中した魔力が弾けてしまうから
ルル
ルル
ルル
ルル
ルル
やっと掴んだと思ったのに、ひどい船酔いのような気分と 少し甘い香り。予定にない、紫の煙が立ち昇っている
だんだんそれは、頭の奥と指先が焦げるような感覚に変わる
ルル
レナ
レナ
異変に気づいてレナさんが駆け寄って きた
ルル
死にたくない!死にたくない!絶対にあの人に会うまで、死ぬわけにはいかないのに!!!
全身から力が抜けていった
ルル
レナ
淡い意識の中、誰かが走ってくる足音が聞こえる
ルル
ルル
私の大好きな人だ
レナ
ルル
倒れたままの私は必死に身体を起こそうとするけど上手くいかない
レナ
初めて聞く、レナさんが人を憎む声
ガチャガチャ
バンバンバン
シューーーー
………
あまりに呆気なかった
魔導具がこすれる音と 魔力が小さく爆発する音 魔力が絡め取られる音
この3つの音の後に
やっと私は顔を上げられた
そこには、静かに倒れているレナさんと、1人の人影が見えた
その姿を見間違えるはずがない
ルル