パッチリとしたブルーの瞳
ショートヘアは青みがかってサラサラ輝いている。
そんな鏡に写った美少女の姿を見て全て合点がいった。
街中のあの目線。そして宿!なんでこんな子が?と言う目で大抵見られていた理由。
レオナとリオンの反応も成る程。と言った感じだ。
そりゃそうだ、僕でさえ赤の他人の可愛い子を見てる気分だもん!!!!
しかし残念ながら、僕が動くと鏡の中の美少女は僕と同じ動きを繰り返した。
ユーマ
ユーマ
いやよく考えてみてよ!?
あるものが無かったり、無いものがあったりしたら流石に気付くよ!
ちゃんとある物があったんだからね?あるよ!
ユーマ
うん黙ろうか僕!パニクッてるね!!
と、そんな訳で僕が男であるとちゃんと説明すると、レオナあらまぁと流し
リオンは驚愕だと口をパクパクさせて暫く動きを止めていた。
信じられないといった感じなので、見せる?と近づくと大きく首を振りお断りされる。
レオナがこっそり、リオンに
初恋は実らないものよ
なんて呟いていた気がしたが僕は何も聞いてないぞ絶対にだ。
そんなこんなで13歳の少年の心を多分傷つけつつワイワイ騒がしくしたあと、就寝の時間になった。、
体が治ったらレオナは中々に気概のある女性だったようで奴隷時代よりマシ!
と僕をベッドに押し込むと、リオンと共に床で寝てしまった。
ううん、僕の立場とは?
で朝。朝食の最中である。
レオナ
一晩寝て立ち直ったらしいリオンが
リオン
ユーマ
決定である。そして
まずレオナの案内で洋服屋に行けば、3人とも動きやすい軽装の服を何着か手に入れて、着替えも終えた。
リオンがこっそり名刺を取り出すと店の亭主が何やら割引をしてくれてた気がする。
いやいやいや、その名刺いつのまに僕の懐から抜いてたの?ねぇねぇ?
その次にリオンに見繕ってもらって武器防具屋でレオナは鉄扇。
リオンは短剣二本に僕はロングソードを購入。後もしもの為肩当てなどと言った装備も整えた。
そこでも2人はコソコソしてた気がするけど、敢えて気にしない事にした。
ついでに昼を適当な屋台でつまむ。日本で言う焼き鳥のような串焼き。
パンで野菜やハムを挟んだサンドイッチ的なもの。そこで簡単にお金の価値も学んだ。
先に言っておくけど日本で本当に計算したら、なんて難しい事は置いといて僕の感覚で話すね。
と、言う事で。
白銀が一番ヤバい!を筆頭に、金貨、銀貨、銅貨があるらしい。
三百円ぐらいで買えそうな串焼きが銅貨3枚だった!とかいう曖昧さのざっくりしたつつ計算。
金貨は一万ぐらい、銀貨なら千円、銅貨なら百円くらいの単価の様だ。
後の細かいお金は無くて、計算しやすいと言えばそうなんだけど。
ユーマ
因みに恐怖で覗いてないけど神様のくれた財布の中に結構入っていた気がした。
ほんと怖い適当にも程がある。
そんな感じで歩いてるとやはり周りから視線を感じる。
レオナはニコニコしているし、リオンはどこか誇らしげだ。
リオン
レオナ
ユーマ
そう、何もしたく無いのに目立ってしまっては意味がない。しかし2人は
「「それは無理では?」」
と絶望的な台詞をやはりハモらせるのだった。
そんなやり取りをしながら、色々お金の価値を考えつつ、買い物の仕方や町の地理を覚えていく。
すると唐突にレオナが
レオナ
と、手をパンと叩いて、リオンだけが物知り顔でウンウンと頷く。
そして僕の手を引っ張って、町で一番の商店に引っ張っていった。
看板を見上げるとそこは
“ノウリ商会”
ユーマ
レオナ
リオン
ユーマ
レオナ
リオン
掛け声一つでリオンは、商会に入ると受付と何やら話す。
すると昨日別れたヤックさんがなんと現れたではないか!
ヤック
ヤック
そういってポンっと自分の腹を叩くヤックさん。
いやいや、そのネームバリューで十分もう役に立ってますこれ以上はと思っていると
リオン
ユーマ
ヤック
と首を傾げるヤックさん
ユーマ
ユーマ
ユーマ
正直に話す。
なんと無く社畜時代に相手にしていた、嘘をつけないやり手の社長に似ていた為だ。
何やら後ろから感動のオーラが飛んでる気がするが気づかない事にする。
ヤック
気さくに笑う姿にホッとした。ふと、そう言えばなんか勝手に拠点の話をしてどうしたのやら。
思い立ったが2人はヤックさんに、拠点にするからには宿を取り続けるより、家が欲しい事や、不動産屋の紹介などを聞いていた。
うーん確かに無知な僕はしばらくここを拠点にしようとしていたけど。
2人の行動力が怖い。いや、待て。むしろ僕何もして無くない?
してないよね?おおお!これこそ求めていた何もしないライフへの一歩!?
と僕が謎の感動に包まれていると
ヤック
と突然話を振られたので
ユーマ
と返事をして、そこまでの道を聞いた。
でも歩き回ったからか、だいぶ暗くなってきていたし、行くなら明日だろう。
ヤックさんに丁寧にお別れの挨拶をして、僕らは宿に戻る事にした。道すがらレオナが
レオナ
リオン
そんな会話をする2人に?となっていると。
レオナ
リオン
リオン
な、んだと?この2人は自分達がいなくなった時の事を、もう既に考えて行動してくれてたと言うのか!?
なんて出来た子達なのだろう。いや、事故なんて絶対起こさせないけどね!
でもそれを考えると、借金を返し終えるとこの2人ともお別れかと思う。
さみしいな、まだ出会って2日目、お互いの事は良く知らないけど、真面目なリオンに、なかなか逞しいレオナ。
僕は既に2人の事が好きになっていたようだ。
夜。
流石に連続で床には、と朝から部屋を二つ取ってくれたユーマの好意に甘えた。
リオンとレオナは2人にあてがわれた部屋でゆっくり寛いでいた。
レオナ
リオン
「「ずっとお側で見守らなくちゃ!!」」
こうして2人は、本音と建前は別。とばかりに、長く付き合える為の人脈。
人が増えてもみんなで暮らせる大きなお家に想いを馳せてふっとお互い笑みを浮かべるのだった。
コメント
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ユーマが快適にニート生活を送るためにも、この二人は一生手放してはいけない……! というか人脈に恵まれ過ぎててさすが神様……!! みんなで暮らせる大きなお家、という点で、どんどんこれから身内が増えるのがほぼ確定フラグですね(*´∀`) 楽しみです!!!