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優斗

婚姻届!!!
取ってきた!

琴葉

ありがとう
優斗すごく走ったんだね

琴葉

病院内は
走るの禁止(笑)

優斗

ねぇ
婚姻届書いて
琴ちゃん

優斗

早く!

琴葉

分かってる
分かってるから

琴葉

ちょっと待っててね

優斗

早くしないと!

琴葉

お願い泣かないで

琴葉

泣かないで・・・

琴葉

大丈夫だから

琴葉

優斗、ごめんね
私だんだんと
周りの人のことも
分からなくなってきてる

優斗

琴ちゃん
琴ちゃん
俺がちゃんと覚えてるから

優斗

琴ちゃんが忘れても
俺が何度でも
名前呼ぶから

優斗

それだけで充分だ

琴葉

優斗、ありがとう

琴葉

ありがとう・・・

その「ありがとう」は

「さようなら」に聞こえました

芽依

優ちゃん!
優ちゃん!!!
聞いてる??

優斗

あ!うん
ごめん

芽依

大丈夫だから

芽依

泣かないで

優斗

俺泣いてた??

芽依

うん。大丈夫
琴葉さんは
そばにいるから

優斗

ごめんね、芽依ちゃん

芽依

ううん。
今日は琴葉さんの命日だもんね

優斗

ああ
あの日からもう4年か

芽依

私と優斗が出逢った日

芽依

優斗は琴葉さんとの
婚姻届を出して
大学に退学届を
出しに来てたんだよね

優斗

そう。

優斗

だけど・・・
だけど・・・

優斗

芽衣ちゃんに
話せてないことがある

優斗

俺は確かにあの日
婚姻届を出しに走った

琴葉の母

もしもし

優斗

もしもし
お久しぶりです

琴葉の母

あの落ち着いて
聞いてください

琴葉の母

琴葉が先程
旅立ちました

琴葉の母

優斗さんが帰られた
すぐ後でした

琴葉の母

申し訳ないのですが
お渡ししたいものが
あります

琴葉の母

来て頂けますか?

優斗

はい・・・

優斗

はあはあ

優斗

お待たせしました

最後まで琴ちゃんは

とても綺麗だった

愛した人の旅立ちを 受け入れられるほど

強くはなかった

琴葉の母

わざわざすみません

琴葉の母

琴葉は病気の進行で
私たちのことも
分からなくなってました

琴葉の母

ただ最期まで
優斗さんのことだけは
覚えていました

琴葉の母

琴葉が
手に握ってたものです

琴葉の母

それからお手紙と

優斗

すみません!
ちょっと
失礼します!!!

タタタタタッ

俺はひたすら走った

琴ちゃんが握っていた 婚姻届を持って

優斗

婚姻届
お願いします!

市役所職員

はい、拝見します

市役所職員

・・・・・・

市役所職員

すみませんが
証人欄のところ
記載がないので
受理出来ません

優斗

えっ!
なんですかそれ??
ないとだめなんですか!

優斗

今日しか提出
できないんです

優斗

お願いします
お願いします

優斗

・・・・・・

優斗

お願いします
ううう

市役所職員

あ……

市役所職員

すみませんが
これは記載不備なので

市役所職員

どうか立ってください

市役所職員

またお待ちしております

婚姻届が受理されることはなかった

琴ちゃんが旅立ったことが

先に証明されてしまったから

優斗

ここまで・・・か

優斗

もう大学も
辞めてしまおう

優斗

最後に
歴史研究サークルに
顔出すか

優斗

それで大学に行った時に
芽衣ちゃんに
会ったってわけ

芽依

そっか・・・

芽依

そうだったんだね
琴葉さんとのこと
知らないことばかりだ

芽依

それで琴葉さんは
優ちゃんの
婚約者なんだね

芽依

永遠の婚約者・・・か

芽依

『瀬を早み』の
詩のようだね

優斗

芽依ちゃん・・・
その詩って

あの日

芽衣ちゃんが 歴史研究サークルの部屋に来た時

琴ちゃんが好きだった百人一首を 持っていた君が

琴ちゃんにしか見えなかった

俺はきっとあの日から

琴ちゃんと芽衣ちゃんを 重ねてしまっているんだ

だけどあの日から確かに 君のことが大好きだ

優斗へ

一緒にいられなくてごめんね 私はもう長くないみたい

最期まで優斗と一緒にいられて 本当に幸せだった

なくす痛みを知ったあなただからこそ また誰かを愛してほしい そう祈っています

ありがとう 最後に私の好きな詩を送ります

琴葉

優斗

川は流れが早く
2つに別れてしまうけれど

優斗

また川が
ひとつになるように

優斗

愛しいあの人と
今は別れてしまっても

優斗

いつかまた逢えると
思っています

われても末に逢わんとぞ思う

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コメント

2

ユーザー

夜遅くにコメント失礼します。百人一首とお話が合っていて素敵なお話ですね!

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